本格的な栽培の知識と技術を1年間かけて習得!
訪れたのは南海空港線りんくうタウン駅に直結したコミュニティスペース「コラボス」。
午前中は、ここで座学が行われます。
室内には講座開始前からすでに約20名の受講生の方々が集まっていました。
今回見学させていただいた『週末農園塾コース』には、「栽培の知識と技術を本格的に身につけたい」、「本格的に家庭菜園をしたい」、「将来的に就農を考えている」という方たちが参加されていました。
座学と農園での実習を通して本格的な栽培理論と農業技術が身につく内容となっており、開催は全12回。
月に1度のペースで行われているとのことです。
講師として壇上に立つのは、農業技術アドバイザーの高橋太一郎さん。
初心者向けから、新規就農者向けのセミナー講師、さらに農家への技術指導まで幅広く活躍されている方です。
取材で訪れたこの日は、『週末農園塾コース』の最終回。
午前中の座学の部では「施肥設計」についての講義が行われました。
作物ごとに必要な栄養成分量と実際の土壌内の栄養成分量やpH、足りない栄養成分の量等を、農地面積に対してどれくらい投入すればいいかを、例を用いて計算していくというもので、なかなか本格的な内容です。
受講生の方々も熱心に聴き入り、疑問点があればすぐに挙手をするなど意欲的な姿勢が伝わってきました。
高橋さんのソフトな語り口による説明も分かりやすく、1回目から通して受講すると高いレベルの知識や技術が身につくことがうかがえました。

座学は毎回約2時間。しっかりコミュニケーションをとりながら進められます。
初心者から経験者まで、幅広い層を対象としたコース設定
「もともとこの事業は、南海電鉄の沿線で増加している耕作放棄地の有効活用を目的として生まれたものなんです」と話すのは南海電鉄営業推進室の築山課長。
人が集まる場所を提供するとともに、地域の魅力発信や、沿線の活性化を目指す事業だとのことです。
その活性化の手段のひとつが「農業」でした。
地域の農家の方々と南海電鉄が提携をし、農業に関心のある人たちを対象に4つのコースを用意しています。
初心者向けには『新・体験農園コース』と『野菜の上手な育て方基礎コース』を、経験者に対しては『週末農園塾コース』、『新・貸農園コース』を設定。
レベルに合わせて幅広い層のニーズに対応できるコースが設定されています。
このうち週末農園塾コースはスタート当初から定員以上の申し込みがあったとのことで、人気ぶりが感じられます。
将来的に就農を検討しているという30代の男性参加者の方は「受講のきっかけは“食と健康”に関心を持ったことです。家族のことも考えて、自分たちで食べる物は自分で作れるようになりたいと思いました」と語ります。
講座に関する感想としては「知識ゼロからの受講でしたが、初歩の初歩から教えていただいたので、とても勉強になりました。座学と実技のバランスも良く、就農に弾みがついたと思っています」とのことでした。

本格的に就農を検討する方からワンランク上の家庭菜園を目指す方まで受講生も様々です。
青空広がる農園で実践的な栽培技術を学ぶ
午後からは場所を移して、南海本線羽倉崎駅近くにある『くらし菜園 羽倉崎』へ。
この農園で、受講生のみなさんが農業技術を学び、1年を通して実践的な野菜の栽培技術が身につくように内容が設定されています。
最終回の今回は「収穫」。
受講生のみなさんが自ら育ててきた野菜を取り入れる作業が行われました。
青空のもと、スティックブロッコリーや玉ねぎ、小松菜などをみなさん順々に収穫をしていきます。
その様子は実に楽しそうで、誇らしげ。
やはり自分たちの手で育てた野菜を収穫することに充実感と達成感を覚えるのでしょう。
女性受講者の方に感想をうかがってみました。
「自分で作ったものを食べる安心感というものがありますよね。私は知り合いから“高齢で農業ができなくなったので、耕地を借りてほしい”と頼まれたのが受講のきっかけでした。これからその耕地で野菜を作るのが楽しみです」
満面の笑顔でそう語ってくれました。

講習は月に1回のペースなので仕事を持っている人でも参加しやすいという面も。
「とれたての美味しさ」と出会える場。仲間もできる!
そうこうするうちに収穫も済み、最後はみんなで耕地を耕します(天地返し)。
クワを持つ手つきも慣れたもので、耕地は次回のコースのためにきれいに均されていました。
閉会の挨拶として高橋さんが受講生のみなさんの前で話します。
「私がこの講座を通してみなさんに知っていただきたかったのは、とれたての美味しさがいかに素晴らしいものかということです。
味、甘さ、香り。農産物の本当の美味しさに出会える場にしたいとの思いを持ってみなさんに知識や技術をお伝えしてきました。
美味しい農産物は食卓を豊かにしてくれます。
ぜひ、今回学んだことをそれぞれに生かしていって下さい」
受講生の方々から盛大な拍手が湧きあがり、コースは無事に終了を迎えました。
受講生の方々はお互いにすっかり打ちとけていて、閉会後もお喋りが続いていました。
こうした交流も、このくらし菜園事業の果たす大切な役割なのでしょう。
「楽しく気軽に農業を学んでほしい、というのが私たちの思いです」と築山課長は続けます。
「就農を考えている人も、いきなり始めるのではなく、こうしたコースを経験することでご自身の適性が分かりますし、理論と実践の両方が学べる点は大きなメリットでしょう」
それに加えて、同じ思いを持つ「仲間」もできるとあれば、まさに良いこと尽くめ。
新たなコミュニティづくりの場としても、南海電鉄が始めた「くらし菜園事業」は大きな意義があると言えそうです。

受講者の方々の年齢層は幅広く、世代を超えた交流ができるのも魅力です!
ただいま「くらし菜園」では2019年4月からの時期受講生を募集中です。
初心者から経験者まで習熟度に応じて農業体験ができます。
詳細、お申込みは下記をご覧ください。
対象 | コース名 | こんな方におススメ! |
---|---|---|
初心者 コース |
ゼロからの野菜づくり 「新・体験農園コース」 |
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基礎 コース |
すぐ!使える基礎が学べる 「野菜の上手な育て方基礎コース」 |
●はじめての野菜作りにチャレンジしてみたい方 ●家庭菜園での野菜作りに悩みをお持ちの方 ●平日の夜、気軽に習い事を始めたい方 詳細はコチラ |
経験者 コース |
栽培力アップに 「週末農園塾コース」 |
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経験値 アップ |
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◆南海電気鉄道株式会社
【問合せ先】
「くらし菜園」
所在地:大阪府大阪市浪速区敷津東2-1-41
TEL:06-6644-7102