まずは何よりもリターンの発送
クラウドファンディングのプロジェクトが終了したら、まずは何よりも先に行わなければならないのがリターンの発送です。リターンを期日までに発送することの大切さは、以前もご紹介しました。プロジェクトが終了したら、リターンの製作に着手し、発送することを最優先にしましょう。
また、リターンの発送までには時間がかかることがほとんどです。発送されるまでプロジェクトの起案者から音沙汰がないと、支援をしてくれた人が不安に思ってしまうこともあります。そのためプロジェクト期間中はもちろんですが、終了後には今までプロジェクトを支援してくれたことへのお礼やプロジェクトが無事終了したことを活動報告に書きましょう。
支援してくれた人たちはあなたの大切なコミュニティー
多くのクラウドファンディングのサイトでは、プロジェクトを支援してくれた人の名前や連絡先を一覧で見ることができます。プロジェクトを支援してくれた人たちは、あなたのプロジェクトを応援してくれる大切なコミュニティーです。あなたがこれから仕掛けようとするプロジェクトやビジネスの一番の応援団になってくれるこのコミュニティーを大切にしましょう。
クラウドファンディングのプラットフォームでは、プロジェクトが終了しても活動報告をアップしたりメッセージを送ったりすることができます。あなたのプロジェクトやビジネスに何か大きなニュースがあった時には、プロジェクトが終了していてもこれらの機能を使ってこのコミュニティーにいる人と交流を深めてはいかがでしょうか。
顧客名簿を最大に生かそう
クラウドファンディングの副次的な効果として、良質な顧客名簿を手に入れられるという側面があります。誰がいくら払ったかをプロジェクトを始める前に一覧で手に入れることができるからです。プロジェクトが終了して、リターンの発送が終わり、支援してくれた人たちへのお礼が終わったら、この顧客名簿を最大に生かす方法を考えましょう。
例えばあなたの活動をこれからも支援してくれると思われる、高額のリターンを支援した人達には直接ダイレクトメッセージを送ったり、イベントなどがあれば招待したりしてもいいでしょう。これからあなたのプロジェクトに興味を持つ可能性があると思われる少額のリターンを支援した人達には、もっとプロジェクトに興味を持ってもらえるようメーリングリストに加えるなどして情報を発信していきましょう。
また、支援者のリストを眺めてみて、都市部にいる人が多いのか地方にいる人が多いのか、男性と女性ではどちらが多いのか、支援してくれた時のコメントにどのようなことが書かれているのかなどをよく分析することで、あなたのプロジェクトがどんな人に受け入れられやすいかを知ることができます。クラウドファンディングのプロジェクトは単なる資金調達で終わらせてしまうのではなく、あなたのプロジェクトのマーケティングにも役立てることができるのです。
新たな資金調達のチャンスも
あなたのプロジェクトが成功している場合は、そのプロジェクトをきっかけに銀行や投資家からさらなる資金調達を目指すこともできます。私が担当してきたプロジェクトの中には、そのプロジェクトの成功をきっかけに新たな資金調達を行い、さらに規模を大きくしたプロジェクトもあります。クラウドファンディングでたくさんの支援を集めた実績が、さらなるステップアップのきっかけになったのです。
クラウドファンディングは終わりではなく始まり
クラウドファンディングの黎明(れいめい)期、アメリカで立ち上がった代表的なクラウドファンディングサイトは「キックスターター」という名前です。キックスターターというのは、バイクのエンジンを始動させるための装置で、蹴り上げエンジンをかけることからサービス名に選ばれたとも言われています。クラウドファンディングの成功は、終わりなのではなく、集めたお金でプロジェクトを開始することができる発射台のようなものなのです。
【クラウドファンディングの仕組みを解説】シリーズ一覧はこちら!