コンパクト志向が近年のトレンド?
色とりどりの花と言えば、やはり春から夏。この時期のおすすめについて答えてくれたのは、株式会社サカタのタネ広報宣伝部の大無田龍一(おおむた・りょういち)さん。花の近年のトレンドは「コンパクト」と話します。
「キーワードは『まとまりのいい』ということかもしれません。手を入れなくても草姿が乱れなかったり、小型のものであったり。つまり、手間がかからないということかもしれませんね。マンション住まいの方や大きな庭のない方もベランダで楽しめます」
手間が少なく、どこでもきれいな姿を楽しめること。これは特に家庭で園芸を楽しむ方にはうれしいポイントと言えるでしょう。
以下、サカタのタネがすすめる3つの品種を紹介します。
暑さに強い定番品種「サンパチェンス®」
花つきが良く、“太陽と仲良し”
まず、同社がすすめるのが「サンパチェンス®」。
インパチェンス属の一種として同社が開発した花です。直射日光に弱かったインパチェンスの仲間を、むしろ直射日光を好み、暑さに強い品種として改良しています。
春から秋まで長期にわたってトロピカルカラーの花を咲かせ、大きく育ちます。
今年4月には、「涼しげな淡い紫の花色」を持つ新色「オーキッド」の販売もスタート。さまざまなラインアップの苗が販売されています。
さらに、同社からは、育て方などが分かる特設サイトや、LINEと電話でプロに園芸相談ができる「サカタコンシェル」というサービスが提供されるなど、初心者にもありがたい手厚さもポイントです。
また、限定販売ですが、よりコンパクトな姉妹シリーズ「サンパティオ」もあります。
ワンポイント「水を多く必要とするため、水やりには注意」
世界の花き品評会で高評価「ジニア」
病気にも強く、花の色や草姿が良い
ジニアとは百日草のこと。同社の「ジニア プロフュージョン」シリーズは、世界的な花の審査会(オールアメリカンセレクション:AAS、フロロセレクト:FS)で金賞を受賞するなど、世界的に評価されています。
株がコンパクトで伸び放題になる恐れもなく、うどんこ病や斑点細菌病に強く、日当たりや暑さに強いなど、育てやすいことが特徴です。
2018年、白色の花の中心に濃い桃色が入る「チェリーバイカラー」が発売。2色が安定して咲くのは同社ならではとも。
開花持続性があり、夏から秋まで咲き続けます。また、枯れた花があると、それを覆い隠すようにして新しい花が咲くという「セルフクリーニング」の性質があるため管理の手間もかかりません。
ワンポイント「アメリカやヨーロッパからも好評価」
秋でも楽しめる独特の草姿のキンギョソウ「キャンディートップス®」
三角形ツリー型の独特な草姿
春のイメージが強いキンギョソウですが、秋にも楽しめるよう作られたのが同社の「キャンディートップス®」シリーズ。秋に楽しめる花は種類も少ないため、新しい選択肢になるかもしれません。
特徴は、その草姿。キンギョソウと言えば、背の高いイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、「キャンディートップス®」シリーズは、花穂がぎゅっと詰まったコンパクトな草姿を持っています。これは、茎の硬さにこだわって、10年かけて開発された賜物。そのため、倒れづらいという特徴もあります。
5品種(5色)の種が発売されているので、好みに合わせて組み合わせてみるのも楽しいでしょう。
ワンポイント「花壇の主役になれるキンギョソウ」
「植物を育てる面白さ」が感じられる花たち
「どれも花がきれいです。コンパクトなものは自宅のベランダなどでも育てられますし、支柱なども必要ありません。花は何より咲くと面白い。花がきっかけで家族やご近所との交流が生まれるかもしれません。ぜひ育てて、面白さを知ってもらいたいですね」と大無田さん。
他にも、摘芯なしでも株がふんわりとまとまるカリブラコア 「ふわリッチ」や、プロ向けには昨年発売されたハボタン「円(まどか)」シリーズもおすすめだそう。
花以外にも花壇を飾れるカラーリーフとして、「コリウス」の「ゴリラRシリーズ」や、よりコンパクトな「ゴリラRJr.シリーズ」は暑さや乾燥にも強く育てやすい品種。
一つを選ぶも良し、組み合わせるも良し。ぜひ植物を育てる面白さを感じてみてはいかがでしょうか。
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