最新技術を使った酪農? バイオサイエンスの視点で考える酪農の面白さとは

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最新技術を使った酪農? バイオサイエンスの視点で考える酪農の面白さとは

最新技術を使った酪農? バイオサイエンスの視点で考える酪農の面白さとは
最終更新日:2019年07月09日

命を育む酪農の仕事というと、「長年の経験と勘が大事」……そんなイメージが強いかもしれません。しかし、テクノロジーの導入により、働き方は大きく変わりつつあります。

茨城県小美玉市で約130頭の乳牛を家族4人で飼育をする保田牧場。
3代目の保田知紀さんは、28歳の時に異業種から転職して家業を継ぎました。

大学で「バイオサイエンス」を学んでいた保田さんは、「現在の酪農は科学的な視点からも“おもしろい”と思える仕事」だと言います。

転職を考えた時にふと蘇った、幼い日の父の記憶

保田さんは高校を卒業後、宇都宮の大学に進み、バイオサイエンスを学びました。
大学を卒業した後は一度県内を中心に展開するとんかつチェーン店に入社。

しかし、将来のことを考えたとき、実家の酪農を継ぐという選択肢が頭をよぎりました。

「とんかつチェーン店で3年間正社員で働いたとき、例えば今後結婚して家庭をもつことを考えると、もっと理想的な働き方があるのではないかと、仕事の在り方を見直すようになったんです。

サービス業はどうしても休みが取りにくく、家族との時間を作るのが難しいなと……。そこで自分が子どもの頃を思い出してみると、酪農の仕事をしていた私の父は(私の)学校の行事にもほとんど参加していたことに気付きました。

そして、その頃ちょうど実家を手伝っていた弟が牛の削蹄師(※1)になって家業をやらなくなっていたので、自分がとんかつ店の仕事を辞めて就農しようと決意しました」

※1 削蹄師(さくていし):牛の蹄(ひずめ)を削る専門の仕事

最新のテクノロジーに触れられる。現代の酪農のおもしろさとは

子どもの頃から掃除などの簡単な作業は手伝っていたという保田さんですが、新規就農にあたって改めてお父さまにゼロから酪農の仕事を教わったそうです。

自分が酪農の家に生まれながら酪農のことを何も知らないと、就農して初めてわかりました。例えば、メスの牛でも妊娠して出産をしないとお乳を出さないとか、当たり前なことも何も知らなかったんです(苦笑)」

基礎から学んでいった保田さん。
日々の仕事の中でお父さまから教わるだけでなく、地元の先輩農家さんにも話を聞いたり、勉強会にも参加したり、さまざまな方法で酪農の知識と技術を体得していきました。

その結果、就農から数年で家畜の人工授精を円滑に行うための「家畜人工授精師」という資格まで取ってしまったのです。

「家畜人工授精師を取得するにあたって、牛の妊娠のメカニズムや病気をした時の対処方法など、さまざまな知識を身につけました。

私が大学で学んでいたバイオサイエンスと関連する分野だったので、勉強は楽しかったです。最近では、子牛を検査することで、遺伝子からその牛が大人になった時にどれくらいの乳量を出せるポテンシャルがあるのかがわかる技術などもあります。

酪農を通して最先端のテクノロジーに触れているという感覚が常にあるので、自分が子どもの頃に抱いていたイメージとは違い、酪農は刺激的な仕事です」

家族経営から規模を拡大。今後の展開

就農して13年間走り続けてきた保田さん。
これからは少し落ち着き、先を見据えた経営をしていきたいと語ります。

これまでは家族だけで多少無理もしながら頑張ってきました。その甲斐あってようやく経営も安定してきたので、今後は従業員を雇ってもう少し自分たちの時間を作り、心に余裕をもって未来のことを考えられるようにしたいです。
また、人を増やすことで今よりも牛たちに目が行き届く体制をつくることができ、管理の質を高めることができると思います」

ゼロに近い状態から酪農を学び、今では保田牧場を背負って立つ保田さん。

「家畜人工授精師」の資格を取るなど、自分の得意分野を活かしながら成長を続けてきた保田さんのお話から、次世代の酪農の在り方が垣間見えました。


 

保田牧場 保田牧場
営業時間:―
TEL:―
定休日:―
アクセス:茨城県小美玉市
●飼養頭数 230頭

ライター:下條信吾

記事提供元
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