白ナスが黄色くなった……!
口の中でとろけそうな食感が魅力の白ナス。8月上旬にいくつかを収穫して存分に味わい、次の収穫はまだかと待ちわびていました。
ところが、次に控えている実がなかなか大きくなりません。それでも待ち続けると、とうとう様子がおかしくなってきました。

大きくならないうちに色が変わってきた
白ナスのはずなのに、どことなく黄色い……!
見間違いではないかと、角度を変えたり日差しを避けてみたりして、思わず何度も確認してしまったのですが、隣の実と並べてみると一目瞭然。

皮の色がずいぶん違う白ナス2つ
病気か、腐っているのか、いやいや日焼けしただけなのかも……⁉︎ 一人うろたえて最後にはトンチンカンな回答を繰り出してみるも、そんなはずはなく。調べてみたところ、白ナスは完熟すると黄色く変色するらしいことが判明しました。
そう、完熟です!
実が小さいから、収穫はまだ早いのではないかと思っていたのですが、とんでもない。むしろ遅かったのです。だとしたら、一体いつが収穫のタイミングだったのでしょうか? そして、実が大きくならないまま完熟してしまったのはなぜ? そもそも、植えつけてから大して手入れをしていない奔放な枝、このままで大丈夫……?

伸ばし放題の奔放な枝
次から次へと噴出する疑問を抱えきれなくなって、そーやん師匠にぶつけてみました。
疑問1:花が落ちるのはなぜ?
思い返せば、白ナス栽培は最初から心配続きでした。
植え付け直後にはうっすらと、うどん粉病の症状が出ていたり、アブラムシの大群に襲われたり、肥料不足のサインである短花柱花(雌しべが雄しべより短い花)が増えてきて慌てて追肥したり……。その間に、せっかく咲いた花がことごとく落ちていきました。

花びらにまでアブラムシ。この時の雌しべは長い
株が小さいから仕方がないとも諦めていましたが、やっぱりその度にがっかりしてしまう。実がつかずに花が落ちてしまうのはなぜでしょうか?
そーやん花が落ちる原因としては、
①肥料(特に窒素)が過剰である
②日照不足、水分不足、栄養不足などの生育不良
の2つが考えられますが、今回は②だと思います。
①のときは茎葉がもっと成長して、色も濃くなりますね。
疑問2:収穫のタイミングを見極める方法は?

左が最初に収穫した実
“がっかり”を10回以上も乗り越えてから、ようやく収穫した最初の実は、小ぶりながら、まあまあいい感じに育ったのではないかと思っていました。
ところが、いざ包丁を入れてみると、かなりしっかり種ができていて、収穫が遅かったのかなと感じました。

切ってみると種がぎっしり詰まっていた
また、自分で育苗したナスにも小さな実が付いていたのですが、これも大きくならないままハリツヤのない状態に。真っ赤になるミニトマトなどと違って、ナスはいつが収穫時なのか分かりにくいのです。

育苗した株に最初にできた実。大きく育たなかった
ちなみに、育苗したナスの種袋の栽培方法には「開花後20〜25日で収穫」とありました。こうやって日数で示されると一見分かりやすいのですが、実際に育ててみると、どうも腑に落ちない。
だって、ナスの花って次から次に咲くので、どれがいつ咲いたかなんて一つ一つチェックしないのです。我が家のように数株でさえ難しいと感じるので、たくさん栽培している農家さんが日を数えているとは思えません。だとしたら、どうやって見極めるのでしょうか?
そーやんナスの収穫のタイミングは大きさと色つやで判断します。基本的には売られているくらいの大きさを目安にすればいいですが、株が小さい時には実ではなく茎や葉を大きくする方に栄養を費やしたいので、実が小さいうちに収穫します。
収穫が遅れると色つやがなくなり、皮が硬くなり、黄色く変色してくるので、その兆候が見えたら早めにとります。ただ、僕にも経験がありますが、白ナスは収穫の見極めが難しい印象ですね。
疑問3:実が大きくならない原因は?
もう一つの大きな疑問は、どうして実が大きくならなかったのかという点です。いくら見極めの能力がイマイチだとしても、それなりに大きくなっていれば、さっさと収穫しただろうと思うのです。しかし、黄色く完熟した白ナスは、最初に収穫した実よりひと回りもふた回りも小さいままでした。
ナスの実が大きくならない理由として、一般的に考えられる可能性はいろいろあります。例えば、水が足りない、肥料が足りない、日照不足、気温が高すぎたり低すぎたりする、あるいは株が疲れている……? どれも当てはまるような気がしなくもないのですが、結局のところ、どうなのでしょうか?
そーやん見たところ、本体の株があまり大きく育っていなくて、線も細いですね。本体が大きくならないと、やはり収穫量は落ちます。ナスはけっこう理想的な環境をそろえてあげないと難しいです。
まず気になったのは、プランターが小さい点です。ナスはもともと多年生で木の仲間なので、最低でも深さが30センチ以上、容量も30リットル以上ないと難しいと思います。あとは、やはり日照不足も大きく影響していると思います。
疑問4:摘心・整枝の時期や方法は?

伸び放題の枝やら、垂れ下がった枝やら
その他にも心配なのが、伸び放題の枝。最初に3本仕立てにすべく、見よう見まねで側枝より下のわき芽を落として以来、ほとんど放置したままでした。
摘心も整枝もなんとなく苦手。せっかく伸びてきている芽や、まだ生きている葉を落とすのがしのびなくて、ついつい後回しになってしまいます。秋の収穫に向けて挽回したいとは思っているのですが……。
そーやん収穫量が落ちる7月下旬から8月いっぱいくらいの間は株が疲れないように枝を短く切って、水分の蒸散量を抑える切り戻しなどをすることで、9月以降の収穫に備えます。
あと、実がなると重さで枝が下がりますが、この重さを支えるのにもエネルギーを使うので、支柱やひもで上に引っ張ってあげたほうが良いと思いますよ。
摘心、整枝、いたしま……す!
ですよね。なるほど。ああ、やっぱり……。そーやん師匠の言葉にいちいちうなずいたり、反省したりするうちに問題点がかなり整理されてきました。
そうして改めてよく観察してみると、なんとハダニが白ナスの葉の上にたくさん生息しているのでした。葉は養分を吸われて、あちこちが色あせた姿に。なんて、かわいそうなことに……!
こうなって、ようやく踏ん切りがつきました。
摘心、いたしましょう。整枝も、いたしましょう。プロの親切なアドバイスには黙って従いましょう。だって私、すぐに失敗するので。

ハダニのせいで色が薄くなってしまった葉
とはいえ、何もかも行動が遅いのです。最も暑い盛りに葉を茂らせたまま、ハダニに襲われた我が家のナスたち。無事に復活して、おいしい秋ナスを実らせる日は果たしてやってくるのでしょうか。心配しかありません。

わき芽や花を少し残しつつバッサリ。復活を願う!
◆次回は、春夏編で最もコスパの良かった野菜が登場!