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NEXT AGRI PROJECT in 大阪2019 開催報告

NEXT AGRI PROJECT in 大阪2019 開催報告

マイナビ農業が主催する、農業のあらゆる情報が集まるイベント「NEXT AGRI PROJECT 」が、東京に続き、2019年9月19日と20日の2日間にわたり、大阪市の大阪国際会議場で開催されました。講演やセミナーのほか、農業に関わる商品や就農に関するブースも開設。多彩な情報と人が集まり、農業の明るい未来と可能性を感じさせてくれた、アグリパワーにあふれたイベントをレポートします。

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マイナビ農業のこれからの展望

私たちは農業における「一番大きな寄合所になりたい」をテーマに、力強く前進
—マイナビ農業事業部長 池本博則

マイナビ農業の立ち上げから参加し、事業部長としてリードしてきた池本がマイナビ農業についての思いと展望を語りました。

「マイナビ農業は2019年8月に、2周年を迎えることができました。農業に関する情報を発信してきた私たちですが、農業とコラボレーションし、新たなサービスをつくりたい企業は多く存在すると思っています。
今後、マイナビ農業のサイトはさらにパワーアップを計画中。日本全国の自治体に向け、フリーマガジンの発行も企画するなど、新たなメディアも立ち上がろうとしています。これからも農業において、おもしろいことを一緒に取り組んでみたいと思っていただけるような事業を発信したいと思っています」

と話し、人を求めている農家と農業を始めたい人をつなぐマッチングアプリ『農mers(ノーマーズ)』や、農と食を知るコミュニティスペース「マイナビ農業EVENT SPACE」(東京都)の紹介などを終え、「マイナビ農業は5年後、10年後の農業になくてはならないインフラとなり、農業の新しいスタンダードをつくります」と力強く語りました。

最新の情報が集まる会場では、人や商品との新たな出会いも

会場には、学生、会社員、就農希望者など、さまざまな目的を持った来展者がブースを見たり、講演やセミナーに参加したりする姿が見られました。
特にブースでは、担当者と来展者が額を付き合わせるような距離感でじっくり話をする光景も。商品と商品、人と人、人と商品など、「農業」をキーワードにつながっていく、リアルな出会いの場になっていました。

ユニークで高機能な商品を発信する企業や自治体などが出展

大阪会場では「商品・サービスの紹介」と「雇用・就農・参入」の2分野で、39の企業・自治体がブース出展しました。そのうちの数社をピックアップ。
農業に関わる商品や「農業をするということ」の幅広さを感じさせるラインナップでした。

土壌分析をもっと早く、簡易にする土壌分析装置

良い土づくりのために土壌分析は必要不可欠ですが、分析機関に依頼するのが一般的。ところが、予想外に時間がかかるなどの課題も。
「土壌分析装置」は約14分のスピード分析、簡易な操作性などが特徴。バランスが良く、適切な土づくりで大活躍する商品です。【エア・ウォーター・バイオデザイン】

エア・ウォーターバイオデザイン

デザインでモノやコトをつなげていく

デザインはモノやコトをうまくつなげて工夫し、「良くしていくこと」を理念に、Webやグラフィックなどのデザインを手がけている京都府のデザイン制作会社。
ドレッシングやジャムなどのパッケージのデザインや広告戦略のアドバイスも。【オーデザインチャンネルズ】

オーデザインチャンネルズ

農作業のお疲れを軽減するウェア

空気圧式の人口筋肉により腰の負担を軽減、作業時の動きとマッチするシンプル設計、簡単に装着できる簡易性などが特徴の装着器具「マッスルスーツⓇスタンドアローン」を販売。
中腰での連続作業や、荷揚げ・荷下ろしなどで作業者の疲労感をサポートします。【大和リース】

おいしいものがいっぱいの福井市で農業を

本州のほぼ中央、日本海に面した福井市は市選定の農産品ブランド「ふくい 一推しの逸品」があります。
木田チソ、3年子ラッキョ、カワズウリなどの伝統野菜もあり、就農支援も充実。福井市の農業の状況や住み心地などを紹介します。【福井市役所】

福井市役所

地域ブランドとして成長中のぶどう山椒

みかんを始め、柑橘系の農産物が有名な和歌山ですが、こちら有田川町はぶどうの房のように実がなる「ぶどう山椒」が全国でも高い生産量を誇ります。
近年は地域ブランドとして地名度も上昇中。就農情報もたっぷり!【和歌山県有田川町】

有田川町

独自性の高い農業のあり方と商品を知る、講演&PRセミナー

独創的な農業の取り組み方や商品の開発ストーリーなどが熱く語られた講演とセミナーは、具体的な数字や結果の検証なども聞かれ、リアルな情報が発信されていました。

次世代型アグリビジネスを推進

滋賀県米原市では企業と協働し、AIやIotを取り入れた先進農業システムを活用、次世代型の農業を展開しています。
「手間をかけず、楽に、良いものをつくる」という概念を浸透させ、担い手不足など農業における課題解決に取り組んでいます。【米原市Iot推進ラボ】

米原市

米原市IoT推進ラボ/滋賀県米原市 シティマネージャー 丸山 武志氏

子どもたちが夢を抱ける農業を

佐賀の自然に惚れ込み、脱サラして農業に従事、アスパラガスの生産を始めた代表取締役の安東さんが講演。
自動収穫ロボットを導入し、効率化にも挑戦。「森のアスパラガス」と名称を付け、ブランド戦略も推進しています。収穫体験なども開催し、子どもたちが「将来、やってみたい」と思える農業をめざしています。【A-noker】

A-noker

A-noker株式会社 代表取締役 安東 浩太郎氏

簡単操作で豚の体重測定が可能「デジタル目勘」

熟練者の目勘により推定していた豚の体重を簡単操作で推定できるツール「デジタル目勘」を紹介。
NTTテクノクロスと共同開発し、画像認識技術を組み込んだ計測ロジックで推定。養豚農家の経営向上と労務負担の軽減に貢献します。【伊藤忠飼料】

伊藤忠飼料

伊藤忠飼料株式会社 業務部 情報システム開発チーム長 福永 和弘氏

マイナビ農業アワード 表彰式。受賞者の言葉

農家や農業関係者の取り組みを表彰するコンテスト「マイナビ農業 アワード2019〜関係人口を増やそう〜」の表彰式が行われました。
受賞者8名のうち、東京会場で既に5名の授賞式が行われ、大阪では3名が受賞されました。

  • 農業法人の部 最優秀賞 ROSE LABO株式会社 代表 田中綾華さん
    〝食べられるバラ〟の生産と商品化への取り組み
  • 個人経営の部 優秀賞 しなやかファーム 阿部俊樹さん
    食と音楽の収穫祭り「しなやかフェス」の運営
  • 団体の部 優秀賞 さいたまヨーロッパ野菜研究会 北 康信さん
    ヨーロッパ野菜の普及への取り組み

田中さん「食べられるバラを通して世界中の女性を24時間内外でサポートすること、日本の農業界にイノベーションを創出し、高付加価値化を促進することを経営理念に掲げています。
ROSE LABOは従業員の9割が女性。20〜30代が多く、異業種出身のメンバーがほとんどです。私たちの事業を通して農業をもっと身近にしたい。若い女性も農業をやっているんだ、と多くの人に知ってもらえたら、うれしいですね。
また、今は動画配信が身近な時代。バラの生産状況をお客様に直接PRするなど、さまざまな取り組みができると思っています。農家に共通することだと思いますが、バラの生産で難しいのは天候。事業が発展すればするほど、バラの生産量が足りなくなるので、安定して生産することが大切。
そのため、将来は生産農家のフランチャイズ展開も考えています。ただし、日本の国内で生産すること。バラづくりにおいてもメイドインジャパンの品質にこだわりたいですね」

田中さん

ROSE LABO株式会社 代表 田中綾華さん

阿部さん「2017年から三重できゅうり農家になりましたが、その過程をSNSで発信し続けていたら、生産される前から注文が入るようになったのです。売るものがないのに、売れる…。この現象を通して知ったのは、私という人間を知ってもらうことが仕事につながったということ。
これをきっかけに、自分を発信することに力を入れるようになり、生まれたのが、しなやかフェスです。テーマは〝生産者と消費者の壁をこわす〟。フェスには北海道から参加された方や、魚や米を送ってくれる方もいました。みんなで踊って、DJが音楽を鳴らして…。生産者は消費者の声を聞くことで、もっと良いものをつくろうと思えるようになることを実感しています。
これからの展望は、このフェスを通して多くの人から生まれた力を地域に還元していくこと。昔ながらの地域のイベントが減っている中で、昔存在したお祭りなどを再び興したいですね」

阿部さん

しなやかファーム 阿部俊樹さん

北さん「さいたまで、ヨーロッパ野菜がつくれないだろうか。こんなシェフの声から生まれたのが、さいたまヨーロッパ野菜研究会です。
さいたま市内の若手農家や地元のシェフ、種苗会社、行政、大学などが一丸となって取り組み、その輪を広げています。
私はレストランの立場から参加していますが、ヨーロッパ野菜は、物流会社の協力と行政のバックアップがうまく重なり、今回の普及につながりました。
現在、13軒の生産者が集まって、ヨーロッパ野菜づくりに取り組み、取り扱っているレストランも1200軒以上になりました。地産地消も視野に入れながら、学校給食にも販路を広げています。これからもシェフたちが望んでいる野菜をタイムリーに把握し、供給していきたいですね」

北さん

さいたまヨーロッパ野菜研究会 北康信さん

来展者の声

熱気あふれる会場で、来展されたみなさんにインタビュー!

「将来は農業の道を志しています。今日は農業についてもっと知りたくて来ました。初めて聞く言葉も多く、知識の幅が広がりました」〈学生・10代男性〉
「農業分野への転職を検討中。どれくらい収入が得られるものなのか、情報を集めたいです」〈施設勤務・30代女性〉
「2日間連続で参加しました。最先端の農業についての話や、収益につながる農業の話も聞けたので良かった。具体的な事例を挙げていた講演会も興味深く聴きました」〈就農準備中・40代〉
「いろいろなメーカーの商品やサービスの情報が得られました。新しい機械や資材の話が聞けたのもプラスになりました」〈就農準備中・50代〉
「農業は課題が多いが、その分だけ解決策があり、ビジネスチャンスにつながる。現在、社内でIotに関する新規事業を模索中で、今回は情報を得るために参加。ネットだけでは得られない、リアルで具体的な情報を得られたと思います」〈会社員・50代〉

今後も、新たなビジネスチャンスや就農機会を創出していくマイナビ農業のイベントには、大きな期待が寄せられています。

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