「OWL(アウル)」は、オンライン上で生産者が消費者や飲食店に直接農産物を販売できるウェブサービス。地方自治体が推薦する生産者のみが出品するため、安全で質の高い農産物を購入できる。サービス内で、生産者と購入者がチャット機能を通してやり取りできるため、入時の疑問点を解消できるほか、農産物の長所を的確にアピールでき、リピーターの創出に繋げることが可能だ。
また、流通業者を挟まずに生産者自身が価格設定をすることで、従来の販売ルートよりも高い収益率を実現できるという。生産者の出品料、利用料は無料。
アプリを通して、写真や送品情報を登録することで出品が完了し、食材が売れたら配達員が集荷に訪れる。
同社の竹中恒一執行役員兼地域活性化事業本部長は、「単なる流通サービスではなく、今後は日本の‟いい物“を世界に発信し、観光客誘致や関係人口増加のツールになればと思い事業を立ち上げた。地域活性化に繋がるサービスにしたい」と意気込む。同社は台湾、香港に拠点を構え、2016年に台湾市場に上場するなど、アジア各都市とのネットワークを強みとする。
高額の寄付を集めたことで全国的に知られる宮崎県みやき町の末安伸之町長は、「みやき町は、理念に(健康で幸福な)『健幸長寿のまち』を掲げている。高品質の農産物をより適正な価格で直接売買できる仕組みは、高齢農家のやりがいに繋がる」と期待。茨城県境町の野尻智治副町長は、「境町のふるさと納税の人気返礼品は、上位10位が全て農産物。農家が消費者と直接やりとりすることで、農産物を直接売り込むことができ、励みになると思う。普及に尽力したい」と話した。