TELME社の縦型ジェラート製造機の特長とは
季節の果物や野菜、搾りたてのミルクなど素材のおいしさがダイレクトに伝わるジェラート。自社の農園・農場でも始めたいと考える経営者も少なくないでしょう。実は、ジェラート事業で差をつけるのは、ジェラート製造機選びともいえます。今回は、株式会社UNO(ウノ)が取り扱うTELME社(テルメ)のジェラート製造機を導入した伊澤いちご園を訪れました。
伊澤いちご園は、素材のおいしさにこだわった本格的なジェラートを製造・販売するジェラテリアです。観光農園は持たず、一次生産者として栃木県下野市で作付面積1haの自家畑でイチゴのハウス栽培をしています。
伊澤いちご園 代表取締役の伊澤 敦彦(いざわ あつひこ)さんがジェラートを始めたのは8年前。イチゴ栽培をする父が当時、新たにできる『道の駅しもつけ』に新規事業としてジェラート店を出すことになったのがきっかけでした。

ジェラート事業を始めるまでは調理経験がほとんどなかったと話す伊澤さん
「最初は不安しかありませんでした。父がジェラート製造機を仮契約していましたが、ジェラートは飲食業の中でも特殊なので何が正解かまったく検討がつきません。父の事業計画をみても、失敗するような気しかしなくて…。そこで、街のジェラート屋で修行してみようと思ったんです」と伊澤さんは話します。
修行先の東京・阿佐ヶ谷のジェラテリア・シンチェリータで導入されていたジェラート製造機は、TELME社のものでした。
「父が導入しようとしていた機械よりも、上質なジェラートができると感じたんです。それに、ジェラートの製造能力や販売計画を考えたとき、圧倒的にTELME社のマシンのほうが私たちのジェラテリアに適していると思いました」と伊澤さん。
もともとあった仮契約を覆してTELME社のマシンを導入。これを機に販売元であるジェラート専門商社のUNOとのつながりもできました。
「ジェラート製造機は使ってみなければわかりません」と話すのは、株式会社UNO代表取締役の山﨑 則夫(やまざき のりお)さん。
「他社のジェラート製造機が横型であるのに対して、TELME社は縦型です」と言葉を続けます。

過去に日本ジェラート協会顧問も務めた山﨑さん
家庭用洗濯機にドラム式(横型)と縦型があるように、ジェラート製造機にも横型と縦型があります。
横型の場合、レーズンやナッツ、チョコチップ等の固形具材を仕上げに投入する際、マシン上部にある小さな投入口からしか投入できず均一に混ざりません。
結果、ジェラートを取り出す際に手作業で混ぜることになります。その過程で溶けてしまいその状態で冷凍庫やジェラートショーケースに保管すると状態が劣化し味が落ちてしまう可能性があります。
一方の縦型は蓋を開けて広い投入口から固形具材を入れる事でマシンの中で均一に混ざり、品質も良好に保てます。
更に縦型は下から上へ持ちあげてしっかり撹拌するため、ねりムラが無くきめ細かくしっかりとした固いジェラートに仕上がるのです。

縦型マシンは投入口が広いので作業性が良く、部品も少ないので洗浄も簡単です
また、一般的なジェラート製造機は横型でベルト式なので固いものを撹拌するとスリップし、中の様子を見るために一度止めて再稼働させると、ベルトが切れて故障につながることもあります。
一方の縦型はギアで回転させるためどんなに固くても撹拌することができます。それは味にも表れてなめらかなジェラートができあがります。
素材へのこだわりで農園のブランディングに成功
伊澤いちご園は、開業当初にテルメ社の縦型ジェラート製造機とパステライザーを1台ずつ導入。事業が軌道に乗り製造量が増えてきたタイミングで増設し、今では計4台のテルメ社の機械がジェラート製造を支えています。

伊澤いちご園が導入しているジェラート製造機
フリーザーとパステライザー(殺菌機)を別にすることで、1アイテムの製造にかかる時間が短縮されます。
伊澤いちご園ではフルーツ系とミルク系で常時20種類のジェラートを製造して、3店舗で販売品目を変えて展開、季節やイベントに合わせて様々なメニューを日々開発されています。
伊澤いちご園では、品質のいいものを優先的にジェラートにまわしてから市場へ出荷します。イチゴ収穫期の11月から5月上旬の期間限定で、冷凍イチゴは使わずにフレッシュな素材にこだわります。
「素材は全国から仕入れています。苺ならイチゴ屋、桃ならモモ屋。素材に焦点を当てたことで、全国の生産者から素材を使ってほしいと言っていただけるようになりました。また、伊澤いちご園のイチゴもジェラートをきっかけに知っていただき、使ってくださるシェフやパティシエの方も増えています」と伊澤さん。

ジェラートをきっかけに、原料であるイチゴにも注目が集まりました
イチゴ以外にもフルーツ系のソルベは、年間を通してその時期に収穫される旬の果物を使用。同じ果物でも、品種によって異なる生産時期をリレー方式で販売しています。
プライスカードには品種ではなく農園名を表記して、お客さんに口に出して言ってもらうことでインプットをはかれます。「一次生産者の顔が見えるジェラテリアです。農園との相乗効果もあり、トレーサビリティも抜群です」と伊澤さん。
伊澤さんは農業をフックに地域活性化をしようと吉田村アグリツーリズムを立ち上げるなど、一次産業から更に大きく発展しています。
小さく始めて、大きく育てる
「伊澤さんのような成功例もありますが、ほとんどの方はジェラートをやりたくてもどうすればいいか分からないと思います。私たちは小規模から始めるのがいいとアドバイスしています。機械のみでおおよそ300~500万円起業をお勧めしたいです」と山﨑さん。
UNOで扱う機械は加熱殺菌機とフリーザーが一体となった複合機など、価格が約300万円からのものもあり、同業他社と比べて低めの設定。
伊澤さんも「費用対効果を考えると、高くはないですね」と話します。
UNOは機械の販売だけでなくコンサルタントも行っています。店舗設計の図面提案からジェラート用の食材から包材、レシピ提供、製造講習まで、ジェラートまわりの物品をすべてそろえてご案内できるのだそう。
ジェラート事業に新規参入する方には心強い限りです。
また、TELME社の機械を導入される方を対象にジェラート製造・衛生講習(有料)などでも、新規開業をサポート。
月1回の初心者向けのビギナー講習会でもジェラート作りを体験する機会を設け、ジェラートの普及を後押ししています。
「イタリアには約3万5000店のジェラート販売店舗がありますが、日本はまだ約1000店舗。マシン導入のハードルを下げ、ジェラート業界の更なる普及を目指しUNOを立ち上げました」と語る山﨑さん。前職から40年にわたりジェラートに携わってきたこの道のエキスパートです。
素材のおいしさを伝えることができるのは、ジェラートの魅力。本場イタリアと同じように四季に恵まれ、地域ごとに異なる農業の多様性がある日本でも大きなポテンシャルがありそうです。
興味を持ったら、UNOに相談してみてはいかがでしょう。
TELME社 PASTOGEL T
加熱殺菌(パステライザー)+ジェラートのフリージングが1台でこなせ、尚且つジャムやカスタードクリーム等の製造もできる一体型製造機です。TELME社の特徴である縦型のシリンダーによりしっかりとした食感のジェラートを素早く練り上げます。自社の新鮮な牛乳・果物・野菜等を加工してジェラートを製造をすれば牧場・観光農園・直売所の集客にも繋がります。
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株式会社UNO
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