田んぼを畑にしよう!

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田んぼを畑にしよう!

田んぼを畑にしよう!
最終更新日:2020年07月30日

静岡県伊豆の国市地域おこし協力隊、農家志し中のちだです。農業に挑戦しよう!ということで野菜を作るために耕作放棄地を借りました。そこは「元・田んぼ」でした。多少の水はけの悪さは覚悟していたものの、周りの田んぼに水が入る時期にはかなりのぐちょぐちょ具合で、しかもなかなか水が引きません。
現在、その水はけを改善するために悪戦苦闘中!ということで今回は田んぼを畑として使う場合の注意点、そしてちだが実際にやった改善策をまとめました。

耕作放棄地の元田んぼを借りたら、水はけ悪すぎた!

農業経験のないちだ、正直、あなどってました。

ちだ

元田んぼとは言え、野菜作れるでしょ。ヘーキヘーキ。

ここを、地域の方の力もお借りしてこうしました。

ところが、雨の後はもちろん、周りの田んぼに水を入れる時期には毎日コレ。

水が全然ひかないんです。

ちだ

ど、どーすんの、これ……

ずーっと、畑に入れません。何もできません。

ということで、ちだは元田んぼを畑にすべく排水対策に乗り出すことになりました。

元田んぼの水はけ改善、その前に田んぼの仕組みを知っておこう。

田んぼは、水をためてお米を作ります。
稲にとって水は超重要!

なので、田んぼには水をためることができる工夫が施されているんです。
その工夫というのが、地下15センチから30センチ下にある粘土の層です。
田んぼとして使うために土地が改良された際に粘土の層はギュッと固く敷き詰められ、水をなかなか通しません。

ちだ

ところが、この粘土層が野菜にとってはマイナスなんですね!

また、田んぼの土そのものも考える必要があります。
日本土壌インベントリーというサイトを使うと、自分の畑、田んぼの土がどのような性質を持つかを確認することができます。

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ちだ

やみくもにアレコレするよりも、土壌の性質を踏まえて必要なことをするのが効率的ですよね。

サイトを使った結果、ここの元田んぼの土壌は細粒質普通褐色低地土というものでした。

この細粒質普通褐色低地土は

  • 粘土質で耕しにくい
  • 肥沃

という性質を持つようです。

粘土質は水分キープ力が高いのが特徴です。

しかし水分キープ力が高い、がゆえに水がひかない!

過剰な水分は、野菜の大敵です。

ということで、この田んぼの水はけを改善するには2つのアプローチが必要そうです。

  1. 物理的に排水性を改善する
  2. 土壌の排水性を改善する

それぞれ、どんな方法があるか、そしてちだが具体的にやったことをまとめます。

物理的に排水性を改善する!

まず、水がたまらないように流れる仕組みを作ることが排水性改善の第一歩です。

では、水がたまらないようにする仕組みにはどんなものがあるのでしょうか。

暗渠(あんきょ)を掘る

暗渠とは、土の中に埋まった水路のようなものです。
50センチから1メートルほどの深さの溝を掘って、そこにパイプや竹筒などを置いて水路にします。

最も根本的な排水改善方法で、田んぼのみならず排水の悪い畑でもやる人がいます。

が、

なんとも骨が折れるのです。

ちだも検討しましたが

  • 業者さんに頼むとかなり高額。なのであきらめ。
  • バックホー(油圧ショベルの一種)などの機械無しでやる? いやー、そこまで労力をかける余裕がない。

ということで、暗渠は見送りです。

水路を掘る

続いての方法は、水路です。
水が逃げる道を作ることで、畑の中に水が入ってくるのを防いだり、土中への浸透を防ぎます。

これはできそう!ということで、実際にやってみました。

ヒモを張って、クワで掘り進めます。

畑を囲むように、3本の水路を掘りました。

結果、一定の効果が感じられました。

ちだ

ぬかるんでて、太ももまで足が沈んでたのにくるぶしくらいまでしか沈まなくなりました!

ですが、課題もありました。

  • 勾配を取るのが難しい
  • 水路から離れた畑の中央などに降雨でできた水たまりなどには効果がなかった

やはり、粘土の層に穴を開けないとダメっぽいです。

緑肥植物を植える

でも、機械もお金もないのに、どうやって地下30センチの粘土の層に穴を開けることができるのでしょうか?

ちだ

緑肥があります!

緑肥とは、栽培した植物を腐らせずに土壌に入れて耕し、肥料にすること。そのために栽培する植物を「緑肥植物」と言い、排水改善や土壌改善などに使える品種もあります。そうした品種の中には根を1メートル、2メートルと伸ばし、「粘土層に穴を開ける」ことにつながるものもあるんです。

特に土壌改善用に使われるのが、長く根を張るマメ科のセスバニア です。

ちだ

これなら、粘土の層に穴を開けてくれるかも!?


草丈は2メートル以上になりました。

これで、根が一般的に言われている1メートルぐらいになっていれば、土壌改良の効果も期待できます!

緑肥の効果はすぐには見えづらいですが、まいておけばOKな省労力は魅力です。

土壌の排水性を改善する!

田んぼを畑として使うには、土そのものの排水性も考える必要があります。

田んぼのコチコチの粘土質な土を、野菜に向いているフカフカで水はけのいい土に変えるにはどうしたら良いのでしょうか。

ちだ

調べてみると、いろんなやり方があって余計混乱する……

ということで、今回は実際にちだがやった2つの方法をご紹介します。

堆肥(たいひ)をまく

堆肥は野菜作りに良いとされる土の団粒構造を作るのにも役立ちます。
今回は、ちだの環境で手に入りやすかった牛フンと食物残渣(ざんさ)の混ざった完熟堆肥を1反(約10アール)あたり約1トン使用しました。

堆肥ってそもそもなんだ?から具体的な使い方、作り方までまとまってる良記事はこちら

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もみ殻をまく

もみ殻をまく、ということも土壌の排水性改善に効果があると言われています。

生のもみ殻には、はっ水性という水をはじく性質があるので、粘土質の土同士がくっついて土が締まることを防いでくれるそうです。

ということで、もみ殻をやはり元田んぼで排水性の悪い別の畑の土にすき込んでみました。

こちらの畑はギリギリ管理機が入れたので、手でばらまいて管理機をかければOKです。

1反あたり300キロ計算で使用しました。

土をすくうと、このくらいのもみ殻が土に混ざっています。

体感的に効果がありそう!と感じられたので、今後冒頭のぐちょぐちょ畑にもまいてみることにします。

さらにひと工夫。高畝にして水を逃そう!

緑肥を育てたり堆肥をまいてもすぐに排水性が改善されるのは難しいものです。

でも野菜は育てたい!

そんな時には畝を高くするのも一つの手です。

畝の上、野菜が植わっているところは水が抜けてくれています。

通常の畝は5センチから10センチ程度の高さですが、これを20センチ、30センチとすることで野菜を植える部分の排水性は改善されます。

手でやるのは大変ですが、頑張りましょう!

元田んぼの排水対策は時間と労力がかかる。けど、とっても大事!

野菜づくりを始めようと耕作放棄地を借りたら元田んぼ、ということは往々にしてあり得ます。でも排水対策をしなかったらせっかく作った野菜が水につかって全滅……

そうならないためにも、排水対策はとっても大事なんです。

どうしても労力と時間がかかってしまうので、できるところからコツコツやっていきましょう!!

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