50以上の自治体が採用した罠監視システム
農林水産省の報告では、2018年度の農作物被害額は158億円にも上ります。そのうち全体の約7割がイノシシやシカ、サルによる被害です。檻や罠を使った捕獲は適切な手法の一つですが、見回りにかかる費用や労力は大きく、また狩猟者の高齢化や猟友会の会員減少により、その負担が増しているのが現状です。
NTTPCコミュニケーションズでは、2011年より罠の監視通報装置である『みまわり楽太郎』の提供を開始し、現在までに50以上の自治体で採用されています。
写真で捕獲をお知らせ! 広範囲を監視可能に
年を重ねるごとに改良され、現在は3代目の製品が登場しています。2019年5月に登場した『みまわローラ』は、親機と子機に分けることで、監視できるエリアが格段に広がりました。
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『みまわローラ』子機(左) 親機(右)
営業担当の柴田さんは、『みまわローラ』のセールスポイントとして「カメラの標準装備」を挙げています。「檻や罠に動物がかかった際、写真で確認できることで、獣種に合わせて止め刺しの道具を用意したり、保護動物なら迅速にリリースするなど、優先順位を付けることができるようになります」と写真撮影の重要さを柴田さんは話します。
カメラとセンサーを備えた子機は親機とLPWAで通信します。LPWAは少ない消費電力でkm単位の距離でも通信ができる無線技術であり、親機も子機も単三型乾電池4本で動作し、通信環境にもよりますが、約1年は交換する必要はありません。最大30台まで管理できる親機は、子機から受信した動作情報を携帯電話で使われている3G・LTEで『みまわり楽太郎』クラウドに送信し、その情報がユーザーの携帯電話やスマートフォンにメールで送信されます。
結果、捕獲情報を都度確認することができ、毎日行っていた見回りを2日に一度、3日に一度に減らせることで、担当できるエリアの拡大にもつながります。
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罠の状況を写真でお知らせ
電子管理でノウハウ・情報共有がスムーズに
恩恵を受けるのは現場の狩猟者だけではありません。『みまわり楽太郎』は日報の管理機能や地図上にマーキングできる機能も持っています。紙ベースのレポートをその都度調べるよりも、パソコンで狩猟データを管理する方が容易なのは一目瞭然です。「狩猟者が引退すればノウハウは引き継がれず、自治体の担当者が代われば一から対応策を見直すのは非効率でしかありません」とプロダクトオーナーの森泉さんが語るように、ナレッジの“見える化”は農業において必須の要素になっています。後手に回るのではなく、先手を打つ戦略で鳥獣被害の対策をこの機会に再検討してみてはいかがでしょうか。
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