絶対おさえておきたい基本の管理機の選び方

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絶対おさえておきたい基本の管理機の選び方

絶対おさえておきたい基本の管理機の選び方
最終更新日:2020年03月17日

メーカーのカタログなどに書いてある「管理機を選ぶ方法」の入口は、基本的に種類と規模、用途、動力の4つ。つまり、「ロータリーの位置はどこにある種類なのか?」「使う畑の広さはどのくらいか?」「どんな作業をするのに使うのか?」「駆動する動力はなにか?」です。まずは、この選び方を教科書代わりとして説明していきましょう。

種類:ロータリーはどの位置にあるのか

爪を回転させて畑を耕運する「ロータリー」がどの位置にあるのかで、3つのタイプに分かれます。

①車軸にロータリーが直接付いている「車軸ロータリータイプ」
②ボディの前面にロータリーがある「フロントロータリータイプ」
③ボディの後方にロータリーを配置した「リアロータリータイプ」

大きく分けてこの3種類です。それぞれに特長があり、使う人がどのメリットを重視するかを選ぶ基準にするといいでしょう。

①車軸ロータリータイプ

車軸にロータリーが直結されています。コンパクトで小回りが利くので、取り回しがカンタン。狭いところでも収納できるのもメリットですが、やはり価格が安いのが最大の魅力です。デメリットはタイヤがないこと。ロータリーが車輪なので「カシャカシャ」とぎこちなく動きます。ただ、後ろに移動用のタイヤが付いているタイプもあるので、畑まで距離がある場合は、こちらを選択するといいでしょう。

メリット
・低価格
・コンパクト
・小回りが利く
デメリット
・移動が不自由
・食い込みが浅い

車軸ロータリータイプ

②フロントロータリータイプ

前にロータリーが付いているので、足が巻き込まれる危険性が少なく、畑の隅まで耕すことができることがメリットです。エンジン部の重さがロータリーに伝わりにくいので、食い込みはリア式に比べると少し弱くなるのがデメリット。ただ、その短所は、ロータリー部を軽く持ち上げられるぶん、方向転換や旋回がラクだという長所になります。価格は気にならない程度ではありますがリア式よりは若干高めです。

メリット
・巻き込まれにくい
・スムーズな旋回
・隅まで耕せる
デメリット
・食い込みが弱い
・価格が若干高め

フロントロータリータイプ

③リアロータリータイプ

後ろにロータリーを配置したオーソドックスな方式です。車輪が先にありロータリーを引っ張るスタイルなので直進性に優れています。エンジン部の重量がロータリーにかかるため食い込みが良く、深く安定的に耕せることもメリットです。ロータリーが操縦者の足元に近いので、足が巻き込まれる可能性はありますが、メーカーもいろいろな安全対策を施しています。とはいえ、バックで耕運しないなどの注意は必要です。

メリット
・優れた直進性
・食い込みが良い
デメリット
・巻き込みの可能性
・隅まで耕運しづらい

リアロータリータイプ

規模:畑の大きさはどのくらいか

畑の面積に応じて管理機には適性があります。総じて畑の面積が広くなれば管理機の馬力は高い方が良いと思ってください。あとは「耕幅」(耕すことができる幅)。耕幅はおおむね馬力に比例しているので、馬力が高いほど幅広です。粘土質ではない一般的な土質だと仮定して面積と馬力の関係を示しますが、あくまでも目安ではあります。

30坪(100平方メートル)以内:2~3馬力
30坪~100坪(330平方メートル):3~4馬力
100坪以上:4~6馬力

用途:どんな作業をするのに使うのか

管理機はトラクターや耕運機で耕した後の土を管理・維持するための機械。もちろん耕運はできますが、畝立てや土寄せなどの作業機(アタッチメント)を連結することで、いろいろな作業をすることができます。ですから、管理機になにをしてもらうのかを決めて、作業機を選ぶことが先決です。機種によっては希望の管理機が連結できない場合があるので、カタログなどで必ず確認しましょう。

畝立てをする

管理機には、日当たりを良くし通気性や水はけを良くする「畝」をつくる作業機が取り付けられます。作業機も「丸畝用」「平畝用」「台形畝用」といったバリエーションがあるので、作物にあったものを選ぶことが必要です。

中耕・培土をする

作物の生育過程で周りの土を柔らかくする「中耕」ができる作業機。根元の土が流されたり、畝が崩れたりした時に土を寄せる「培土」作業機。このふたつの作業機は、ほとんどの管理機で連結可能ですが、低馬力の機種には一部オプションにないものもあります。

除草をする

ロータリー部分をスパイラルローターという除草機に取り換えられる管理機は、回転する刃が草を刈り取ります。これも機種によってオプションに設定されていないものがあるのでチェックが必要です。

マルチ張りをする

マルチャーという作業機を取り付けられる管理機は、保水・保温・除草の効果があるマルチを自動的に張ることができます。便利な作業機ですが、低価格帯の機種には設定がない場合があるので要注意です。

ガソリン・電気・ガス……動力はどうする?

管理機の動力は、これまではガソリンエンジンから得るのが一般的でした。最近は、環境のことを考慮して電気で動くモーター式の管理機も登場。燃料が手軽に入手できるガス式も普及してきましたが、電気とガスはパワーが限られるので小型機種に使われることが多いようです。

①ガソリンエンジン式

管理機の動力はガソリンエンジンが主流。ほとんどが4サイクルのエンジンです。燃料であるガソリンの購入には、安全であるという認証を受けた「携行缶」の使用が必須。近ごろは購入者の氏名・住所、使用目的の明示が必要となるなど、ガソリン販売の規制が強化されているのでご注意ください。

携行缶

②バッテリー式

バッテリー式のメリットは、静かで振動が少ないこと。排気ガスが出ないのでクリーンだということです。ただ、作業時間が限定されるので、長時間になるようなら予備のバッテリーが必要。パワーは、ガソリンエンジンに比べると非力なのは否めませんが、今後は技術開発によってハイパワーモデルが登場する可能性もあります。

バッテリー式

③ガスボンベ式

卓上式カセットコンロなどで使うガスボンベを使うタイプです。ガスボンベはホームセンターなどで販売しているので、ガソリンに比べて購入はとてもカンタン。1本のボンベで1時間ほどの作業ができます。燃料のコストはガソリンよりは高めですが、家庭菜園レベルの場合は、あまり気にしなくていい程度のコスト差です。

ガスボンベ式

いま、ほとんどの管理機がガソリンエンジン式ですが、テクノロジーは日々進化しているので、バッテリー式が伸びる可能性はかなりあります。ただ、現状では、バッテリー式とガス式を大いにおススメできるのは家庭菜園レベルの方々のみ。ある程度の規模でしたら、パワーのことを考えると、やはりガソリンエンジン式が無難です。

まとめ

管理機の選び方には、いくつかの方法があります。基本は教科書通りのやり方。「ロータリーの位置はどこにある種類なのか?」「使う畑の広さはどのくらいか?」「どんな作業をするのに使うのか?」「駆動する動力はなにか?」この4項目を決めれば、管理機は選べます。
次回は、“カタログには書かれていない「管理機の選び方」”と題し、この教科書通りの選び方ではない管理機選定のコツや考え方をお伝えします。お楽しみに!

次回はもっと実践的な管理機の選び方を伝授します!
カタログには書かれていない「管理機の選び方」
カタログには書かれていない「管理機の選び方」
前回の記事では、メーカーのカタログなどに書いてある「管理機を選ぶ方法」の基本をお伝えしました。 管理機を選ぶコツは、基本的に種類と規模、用途、動力。「ロータリーの位置はどこにある種類なのか?」「使う畑の広さはどのくらい…
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