ニンニク2万個栽培で感じた4つのこと
石灰は大量購入すべし!
まずはニンニクを植える前に、下準備として石灰を土に混ぜる必要があります。これはニンニク以外の野菜を育てる場合でも必要な工程で、野菜の成長に欠かせないカルシウムの補給と中和の役割を果たしてくれます。僕はカキやホタテなどの殻を砕いたものを購入しました。
石灰は1袋に10キロ入ったものが500円ほどで販売されていて、1万円分くらい大量に購入しましたね。畑の広さは15アールほど。石灰は土の表面にあっても意味がないので、トラクターを使ってよく混ぜます。3日くらい経って土によくなじんだら、ニンニクを植えるための畝を作ります。
植え付けは2人がかりで1週間!
畝ができたら、いよいよニンニクを植えていく作業に取り掛かります。ニンニクは栽培用の種があるわけではないので、1片ずつに分けた種球(たねきゅう)をそのまま土に植えていきます。このときに尖ってる方を上にして植えていくことがポイント。
ニンニクは比較的小さい野菜で、なおかつ土の中で育つので、15センチ程度の間隔で植えることができます。例えばサツマイモであれば30センチ間隔で植えるのが一般的です。植える間隔が狭いので、その分少ない面積でも他の野菜と比べてたくさん植えることができるわけですね。
当時の僕は農業の他にやることもなく、時間があるからたくさん育てられるだろうと思い2万個のニンニクを植えました。その結果、2人で1日8時間ほど作業しても、植え付けに1週間ほどかかりました。めちゃくちゃ大変でしたね。
保湿や雑草対策で被せるマルチ(黒いビニール)は、穴が開いているタイプを選ぶのがおすすめ。自分で一つずつ穴を開けていたら、とんでもなく大変です。できるところは手間を省いて、効率化していきましょう。
栽培自体は初心者でも比較的簡単
ニンニクの栽培自体は初心者でも比較的簡単です。ニンニクに限らずですが、大変なのは雑草の除去。マルチを被せていても、開いている穴から雑草がどんどん生えてきます。2万個分の雑草を除去するのにも1週間かかってしまいます。やっと終わったと思っても、最初の方に抜いたところからまた雑草が生えてきますからね。とはいえ雑草を抜かないと栄養が取られてニンニクが育たなくなってしまうので、ひたすら根気よく作業。
収穫作業は大変だけど、よく売れる!
3月下旬になるとニンニクの芽が生えてくるので、ひたすら収穫します。1時間作業するだけで段ボール箱がいっぱいになるくらい大量にとれますね。収穫したニンニクの芽は、農業用のテープで巻いて袋詰めして販売。手間がかかるので、他の農家ではやる人がほとんどいません。そのためスーパーで売られているニンニクの芽はほとんど中国産。国産のものは珍しいので、すぐ売れましたね。
4月頃にはニンニクも収穫。簡単に抜けるので収穫自体はそこまで苦ではありませんでした。しかし、販売するには根っこと茎を切らなければなりません。この作業が非常に辛い。朝から晩まで、ひたすらニンニクの根っこと茎を切る作業。1日1000個ほど切っていたので、だんだんと手が痛くなって握力がなくなってきます。ニンニク自体の値段は、地域の他の人が出してくるまでは1つ100円のモノと4つで300円のモノを売っていました。地域の人がニンニクを出してくる4月下旬頃には3つで200円などで販売。ゴールデンウイークになるとものすごい人が道の駅を訪れるので1つ100円で出しても500個ほど毎日売れていました。
根っこと茎を切る作業が終わり、袋詰めまで終わることでやっと販売。スーパーなどで売られているニンニクは、保存が利くように熱風などを当てて100%乾燥させてあります。ですが僕が販売するのは乾燥させない生ニンニク。めちゃくちゃ水分が含まれているので、2週間ほどしか持ちません(冷蔵保存すれば1カ月)。そしてニンニクの最大の特徴である香りが、乾燥ニンニクの比じゃないほど食欲を刺激します。通常のニンニクを使用するレシピに生ニンニクを使うと、超絶おいしく仕上がりますよ。
まとめ
今回は就農1年目でニンニクを2万個植えて感じた4つのことをお伝えしました。ニンニクは冬でも育てられますし、栽培や収穫も比較的楽です。
そして少ない面積でもたくさん育てることができるので、植える数が超重要になります。これを間違えると僕みたいに大変なことになります。2万個は確実に間違いでしたね。多すぎました。手軽に農業を体験してみたい人は、まずシェア畑を使って少ない面積から始めてみるのもおすすめです。