熊本市の郊外ながらも人口増加中!
魅力あふれる合志市の秘密とは?
熊本県熊本市のすぐ隣、北東部に位置する都市が合志市です。熊本市中心部から私鉄が伸びていることや、九州自動車道からのアクセスの良さが移住を後押し。快適な居住環境と豊かな自然に恵まれたベッドタウンとして、人気が高まっている人口増加エリアです。また、この辺一帯の土地は、阿蘇山の火山灰が降り積もった「黒ボク」と呼ばれる火山灰性腐植土に覆われているため、豊かな農産地としても有名。中でもスイカやイチゴ、マンゴーは初出荷を待ちわびるファンがいるほど有名です。
ところが、合志市商工振興課農商工連携班主幹の幸恵知浩さんからは「肥沃な土地が悩みのタネの一つ」という意外な言葉が出てきました。
「何を作ってもおいしくできるため、県内屈指の農業・畜産業都市として知られていますが、コレという突き抜けた特産品ができづらいという側面もあります。そこで、行政と関係機関が一丸となり合志市ならではのブランディングを実行し、生産者と消費者を盛り上げています」。
そんな地道な活動の一つひとつが、街の魅力アップにつながっているようです。
自慢の商品をもっと気軽に楽しんでほしい―生産者、企業、消費者―「三方よし」の取り組みに注目
例えば合志市で生産または加工された商品の中で、一定の基準をクリアしたものに「合志ブランド認証品」のマークをつけて売り出したり、同様の基準をクリアした飲食店を「合志のうまかもん店」として認定。2016年には、合志市の自慢の逸品を誰でも気軽に買うことができるアンテナショップとして『クラッシーノ・マルシェ』(ネット通販もあり)がオープンしました。マルシェに足を運ぶと、平日昼間なのに市内外からお客さんがひっきりなしに訪れるほどの盛況ぶりです。午前中には売り切れてしまう人気商品も多々あるらしく、あちらこちらから「安くて新鮮!」「これも美味しそう」と、喜びの声が聞こえてきます。
「生産者の方が愛情込めて作った野菜やお惣菜を毎朝持ってきて、売れ残りは引き上げていきますから、味と新鮮さには自信があります。ショップができたことで地域の方が気軽に購入できるようになりましたし、安心・安全な食の提供を通して、市民の健康な暮らしにも一役買っていると思います」と『クラッシーノ・マルシェ』総務企画部マネージャーの安武俊輔さん。
しかも同店は“売る場所”を提供するだけではなく、2年前から出荷組合の協力のもと、土壌分析を毎年実施。畑の状態を数値化することで、収量アップや品質向上につなげているそうです。他にも、栄養価は高いものの栽培が難しいことで知られる赤大豆の栽培にも着手。さまざまな知恵を出しながら、これからも合志市らしい新商品の開発を目指します。そして、これらの試みが経済の活性化にも繋がっているところが、地方創生に取り組む合志市の凄さなんです。
オメガ3プロジェクトに取り組む―世界が認めた2人の生産者を訪問
もう一つ、合志市をご紹介する上で欠かせないキーワードに「フランスのBBC協会と提携したオメガ3プロジェクトのモデル都市」があります。今から8年前、九州地域バイオクラスター推進協議会と⼀緒に立ち上げたプロジェクトで、「健康な家畜から生まれた物を食べることで、人も健康になる。さらに循環型農業・酪農を行うことで地球も健康になる」という考えに基づいた国際連携事業です。手始めに、合志市で「選ばれる商品づくり」に情熱を傾けていた2人の生産者に白羽の矢があたり、想像を絶する試行錯誤を経て、世界から注目を集める逸品を生み出すまでになりました。
その2人とは、熊本で初めて6次産業の認可を取得し、2018年に農林水産大臣賞を受賞した『ミルコロエイジングヨーグルト』の生産者であるオオヤブデイリーファームの大薮裕介さんと、BBC協会から日本で初めて認定された卵『オメガ3ナチュラルエッグ』の生産者である緒方エッグファームの緒方克也さんです。おふたりを訪ねてまず驚かされたのは、酪農場や養鶏場につきものの独特の臭いがないことです。
緒方エッグファーム
「養鶏家の本来の目的は、家畜を健康に育てることだと思うんです。鶏を健康に育てるには、鶏舎の環境、食べ物、水、すべてが高め合わなければいけません。これらがうまくいくと、鶏のフンはほとんど臭わず、そのまま発酵して分解され、平飼い鶏舎の床や飼料米の有機肥料として循環させることができます。この好循環の先に、本当に美味しい卵があると思います」と緒方さん。
緒方克也さん
緒方幸代さん
ショップでは定期的にイベントや料理教室を開催し、地域住民のコミュニティスペースになっています。
オオヤブデイリーファーム
大薮さんも「無化学肥料で作るトウモロコシと無農薬の牧草に、地元でとれる稲を発酵させて混ぜて与えています。牛が出したフンは堆肥として農家に戻すんですが、これらの地域、生産者、農家を結びつける試みがこれからは必要になってくると思います」と熱く語ってくれました。
レアチーズケーキのようにクリーミーな味わいと、スッキリ爽やかな風味の2層になった『ミルコロエイジングヨーグルト』。乳白色のガラス瓶はアフターユースしても可愛い商品です。看板は大薮さんが中学生の時に描いた絵が元になっており、ミルコロのデザインも手掛けています。
大薮裕介さん
『ミルコロエイジングヨーグルト』は、商品生産だけでなく、原料のジャージ牛から飼料まで自家製造にこだわっています。
先駆者ならではの葛藤、そして未来への思い
それにしても、プロジェクトがスタートした8年前は、まだまだ「オメガ3って何?」という時代。「何がどういいのかわからないまま、半信半疑でスタートした(笑)」と振り返るのは大薮さんです。では何が背中を押したのか?
「自分が作るものに『選ばれる理由はあるか?』と問いかけてみたとき、何もなくて。ちょうど『このままじゃまずい』と思っていた時だったんです。うまくいくまで生活が苦しくて30歳すぎて月給は5万円……。でも、市場の情勢に左右されて、せっかく産んでくれたミルクを生産調整で捨てることはもうしたくなかった。作ったものに胸を張り、喜んで買ってもらいたいという一心で突き進んできました」と振り返ります。
また緒方さんは「餌の変化の影響で鶏が卵を産まなくなり、焦ったこともありました。行政の手厚いサポートがあったから挑戦心を忘れずここまで来られたんでしょうね」と感謝しきりです。
地域との連携を大切にする2人は、命の温かさや食の循環を肌で感じてもらうために、食育や体験活動を続けています。そこから若手育成にもつながり、「年に1度は1カ月くらい休んで、海外旅行をできるようになるといいですね」と、夢は膨らみます。そんな活動の積み重ねが、合志市の未来を支えていくのでしょう。
地元クリエイターの養成で合志市のよかもんをアピール
他にも、本当にいいものを作っている生産者のPRをお手伝いできる人材育成を目指し、クリエイター塾や企業とタッグを組んだリーダーカンファレンスを行政が主催。若手を育成し、我が街を自分たちでPRできる環境を整えたことで、合志市のよかもんをアピールしています。『クラッシーノ・マルシェ』のサイトには、今や店頭では入手困難となった『ミルコロエイジングヨーグルト』をはじめ旬の野菜や果物など魅力的なラインナップの数々がズラリそろうので、ぜひ一度チェックしてみてください
また、ネット販売はもちろんのこと、ふるさと納税の返礼品にもセレクトされています!合志市のふるさと納税もぜひ、覗いてみてくださいね。
■問い合わせ先■
合志市役所 産業振興部商工振興課
〒861-1195 熊本県合志市竹迫2140番地
TEL:096-248-1115
合志市ホームページはこちら
『クラッシーノ・マルシェ』公式サイトはこちら
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