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日本のインターネットを切り開いたIIJが、農業の課題解決に新提案。「水田水管理IoTシステム」を導入しやすいパックで提供

日本のインターネットを切り開いたIIJが、農業の課題解決に新提案。「水田水管理IoTシステム」を導入しやすいパックで提供

日々の見回りを伴う水田の水管理は、農家にとって負担の大きい作業です。これを省力化する対策で注目されているのが、水位・水温をセンサーで測り、スマートフォンで遠隔監視する「水田水管理IoTシステム」です。インターネットインフラを支える通信事業者の株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は、2017年から3カ年にわたり、静岡県の水田で同システムを用いた実証実験を展開。そこで生み出されたシステムを、住友商事株式会社が2020年3月からIoTセンサー、通信機器、アプリ、通信料を一体化したスターターキット『水管理パックS』として販売。今回の取材では、プロジェクトの担当者に実証実験の成果やシステムの特徴などについて話を伺いました。

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水管理コストの50%削減と農家の負担軽減を目指し、静岡県で実証実験を展開

株式会社インターネットイニシアティブ(以下 IIJ)は、「国内初のインターネット商用接続サービス」を1993年に提供するなど、IT課題や環境の変化を先取りし、高い技術力でいち早くサービス化する通信関連分野のリーディングカンパニーです。近年ではIoT(Internet of Things)技術による社会課題の解消を目指し、さまざまな取り組みを展開。そのひとつとして農作業の効率化や省力化にむけた取り組みをスタートしました。

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

水稲を営む農家は、早朝から水田を見回り、水回りのチェックを行わなければなりません。とりわけ離農者から田んぼを引き継ぐことで大規模化した農家では、水田が遠方に点在していることが多く、見回りだけでも数時間を取られ、肉体的にも精神的にも負担がかかっています。

この課題を解決に導くため、IIJと富山県の農業ITベンチャー 株式会社笑農和(えのわ)、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)などにより「水田水管理ICT活用コンソーシアム」を結成。2016年度の農林水産省公募事業「革新的技術開発・緊急展開事業(その中の経営体強化プロジェクト)」の採択を受け、静岡県袋井市と磐田市で2017年4月から2020年3月まで3カ年度にわたる実証実験を開始しました。

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

実証実験では両市の5軒の大規模農家(約74ha)の水田に、IIJが協力会社と開発した300台の水田センサーを設置。

センサーで計測した水位・水温データを最新の無線通信技術・LoRaWAN®を使って基地局(ルーター)に飛ばし、そのデータをLTE回線でIoTプラットフォームに集約します。農家はどこにいても、確認したい田んぼの水位や水温をスマートフォンのアプリ画面からいつでも遠隔監視することができます。

同時に笑農和が開発した自動給水弁100台も設置し、水位・水温の変化を検知した水田に対して給水弁の自動開閉制御が行えるようにしました。こうした機器とネットワーク技術により、水管理コストの50%削減と農家の負担軽減に取り組みました。

負担なく導入・運用ができ、コストメリットも高いシステムを開発

「機器を安価で提供し、通信インフラも低コストで利用できる環境整備が課題となりました。コストを下げながらセンサーの精度を上げなければなりませんし、センサーは野外に長期間設置するわけですから耐久性も重要でした」と、実証実験で直面した課題を話すのはIoTビジネス事業部で副事業部長とプロダクト本部 製品開発部長を務める齋藤透さん。

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

それに加えて機器の設置やメンテナンスのしやすさも重要な仕事になったと、同部 新規事業推進課の花屋誠さんは振り返ります。

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

「農家の方が自分たちで設置・メンテナンスができるように、機器の構造を簡単にしています。乾電池駆動で工具なしで電池交換ができるうえ、シーズン中の電池交換は基本的に不要です。実験が始まってからは、農家の方々の意見を聞きながら改良。水中で±1cmの精度を保つように工夫するのが難しかったですね。耐久性の面でも、2019年秋の複数台風の襲来時に倒れることがなかったので、問題がないことに自信を得られました」

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

ICTを本業とする事業者として本領を発揮した部分は、やはり通信面。齋藤さんはこう話します。

「既存の農業センサーは1台ごとに携帯電話回線のSIMが挿入されているのが一般的ですが、それぞれに通信料金がかかり、仮に1台1000円とすると100台設置すれば月に10万円もかかってしまいます。その点、当社のセンサーであれば基地局との通信はLoRaWAN®で行うため、その部分は通信料金がかかりません。費用が発生するのは基地局からプラットフォームにアップロードするところだけですから、とくに大規模な農家にとってはコストメリットが大きくなります」

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

LoRaWAN®を採用した理由は、通信距離の長さです。既存のWi-Fiは100m程度しか電波が飛びませんが、LoRaWAN®は1km、農業施設の屋上など高い場所に設置すれば5~10kmはカバーすることができます。

また、LoRaWAN®はIoT向け無線方式・LPWAの中でも標準化が進んでいるため、将来的に水田以外の畑作や獣害・盗難防止等のセンサーを設置した場合も一つの基地局で通信を束ねることができ、コストを大幅削減できる点もメリットです。

「基地局は屋内型に加え、電柱などに設置できる防水タイプの屋外型も用意しています。今後は、低コスト化をさらに図りつつソーラーパネルとバッテリーで駆動する基地局も提案していきたいですね」と齋藤さん。

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

水管理アプリ(試作版のため、画面内容は変更になる可能性があります)

システムの詳細はこちらから

テストユーザーの声を受け、いよいよ販売のフェーズへ

実証実験に参加した農家の方々からは「早朝に起床して見回りに出る頻度が減り、体力面や精神的な不安も解消された」「適正な水位管理が負荷なく実現できた」「メンテナンスに気を使わず安心して利用できた」「水管理に費やしていた時間を他の作業に充てられ、効率化が進んだ」といった声が聞かれます。

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

齋藤さんは、当初の目的だった水管理コストの半減を概ね達成できたと胸をなで下ろしています。静岡県では実証実験の終了後の継続採用が決まり、他の地域からも導入に向けた要望がきていると話します。

今後は事業として本格的に販売するフェーズで、まずは水田センサー10本と通信機器(屋内型基地局)、水管理アプリなどを合わせたパック販売で進めていくといいます。

スターターキット『水管理パックS』の販売を担当する住友商事株式会社 アグリサイエンス部の田中克憲さんは、こう語ります。

「農業者支援の観点で最も大きいのは、簡単かつ低コストで始められることです。平野部の規模の大きな農家だけでなく、見回りの負担がより大きい中山間地域での需要が高くなるのではと考えています。また用途も水稲に限定しているわけではなく、アイデア次第で他の作物でも利用が可能な仕組みです。将来的には農業以外の用途、たとえば気象や防災といったシーンでも可能性が広がるソリューションだと考えています」

IIJでは、システムが普及することで蓄積される定量データを活用し、農業ノウハウの継承や変化する自然環境への対応などにも役立てたいと、大きな展望を抱いています。

課題山積の農業界。日本のインターネットを切り開いてきたIIJの課題解決力に今後も注目です。

スターターキット『水管理パックS』 39万8000円(税抜)

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

水田センサー×10台
水位と水温が30分間隔で測定でき、単三電池2本で1シーズン(約半年間)稼働します。
※単三電池2本は製品に付属しますが、設置用のパイプについてはお客様ご自身でご用意ください。

屋内設置型無線基地局×1台
LoRaWAN®対応屋内型基地局 Kiwi Technology製「TLG-3901BLV2」
※屋外に設置を希望される場合は、設置方法によって別途費用が発生します。また、電源(AC100V)の確保が必要です。

クラウドにデータを集積するための通信料×利用期間3年
無線基地局に装着するSIMカードと、クラウドへデータをアップロードするための3年分の通信料が含まれます。

アプリケーション利用料×利用期間3年
スマートフォンにインストールするアプリケーションの利用料です。データの履歴を蓄積することで、翌年の生育管理にも活用できます。

カタログはこちらから

お問い合わせ

株式会社インターネットイニシアティブ
TEL:03-5205-6802
E-mail:agri-info@iij.ad.jp

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