農業系ポッドキャストとして唯一ファイナリストに
ポッドキャストとは、企業・個人問わず誰でもが気軽に発信できるインターネットラジオ。スマートフォンのアプリなどを通して無料ダウンロードし、好きなときに聞ける手軽さと番組テーマの幅広さが魅力の音声コンテンツです。農作業をしながら自分の興味関心に合った番組が楽しめるとして、最近は農業界でも愛好者が増えつつあります。
「今、絶対に聴くべきPodcastを見つけよう」をテーマに優良なオリジナル音声コンテンツを発掘すべく、ラジオキー局のニッポン放送が「JAPAN PODCAST AWARDS 2019」を開催しました。
エントリーした821作品のなかから、20組のファイナリストに選ばれたのは、なかでもファンが番組は、福岡県の若手農家・鶴田祐一郎さん、久保田夕夏さん、毛利哲也さんの3人が農業について気ままに語る「ノウカノタネ」です。
農業系ポッドキャストとして唯一、ファイナリストに残るという快挙を成し遂げます。10日に開催された授賞式当日に、大賞受賞番組を発表されました。新型コロナウイルス拡散防止のため、YouTubeのライブ配信を通してオンラインで実施し、1次選考を通過した19組のポッドキャスター(運営者)たちが、それぞれ自宅などからオンラインでファイナリストに残った喜びをコメントしました。
ノウカノタネからは鶴田さんが「まったく農業に関係が無い人が聞いても、普段食べている農作物(生産)の裏側を垣間見られて、食べることを奥深く感じてもらえればいいなと考えて配信しています」と話しました。
司会の荘口彰久アナウンサーが「ところどころ、わからない用語があるんですけれど、いちいち解説せずに進んでいくところが、逆に本当に農家さんの寄合所に参加させてもらっているような感じがして楽しかったです」と番組の感想をコメント。鶴田さんは「視聴者に合わせ過ぎてしまうと、テレビでタレントが畑で『あま~い!』と言うだけの情報と同じになってしまうので、ある程度農業が分かっている前提でより深い情報も話している」と答えました。
選考委員「素人でも農業を好きにならざるを得ない」
大賞発表に先立ち檜原麻希社長は、「2020年はラジオの公共放送が始まって100周年。デジタルが可能にしたポッドキャストというツールを使い、こんなに幅広い分野で作品が存在することが、これからますますオーディオコンテンツが栄えていくなか、これだけ仲間がいて心強いなと思いました。また、こんなときだからこそ、皆さんの作品がもっと聞かれるんじゃないかなと思います」と、新型コロナウイルスで在宅者が増えている情勢にも触れながら話しました。
初代大賞には、人類史に登場する偉人たちのエピソードを歴史愛好家が語る「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」が選出。リスナーの満足度の高さや、明快なトークを聞きながら歴史を知れるというエンターテインメントとしての完成度が評価されていました。
選考委員7人からは大賞番組以外にも講評が送られました。ノウカノタネには「本当にその分野で真剣にやっている人からしか聞けないトークの“面白い版”」(テレビ東京プロデューサーの佐久間宜行さん)、「仲良し3人が博多弁で農家についてゆるく、でも深く農家について愛を持って語っていて、素人でも農業を好きにならざるを得ない。時々リスナーをほったらかしで、専門的な話に夢中になっているのも逆に楽しい。こういう感覚はポッドキャストならではですね。「農協と農家は仲悪い?」「直売所あるある」とか、中の人だからこその分析が面白すぎる」(ジャーナリスト/メディアコンサルタントの古田大輔さん)など高評価が集まりました。
ノウカノタネでは、大賞に選ばれたコテンラジオのパーソナリティを迎えて4月11・12日に配信。過去の配信回も、下記リンクより無料で聞くことができます。農作業やリモートワークのお供として3人の愉快な語りに耳を傾けてみてください。