農業イベントもやりたい! 畑のトイレ、どうする?
本格的に農家になったら、農業体験など人を呼ぶイベントもやってみたいと夢想するちだ。
でも、初対面かもしれない参加者に「トイレはその辺でどうぞ」とは言えません。女性ならなおさら。やっぱりトイレをちゃんと用意することも想定せねば!と思い立ちました。
ちだと同様に畑でイベントやりたいな、と思っている人もいるのでは。また、夏に向けて農業体験やキャンプに行こうと考えている人もぜひ参考にしてみてください。もしかしたら災害の際にも役立つかもしれません。
まず、普段の畑仕事の時のトイレについて考えてみます。
自分だけ、または家族だけなどであれば簡単ですね。
- その辺ですましちゃう
- 車でさっと家へ
- 車でさっとコンビニへ
あたりが有力でしょうか。
ちだの場合、畑と家が遠いのでコンビニにお世話になっています!
とはいえ、5歳のムスメが畑に来るとまた難しくなります。
その辺で、ともなかなか言えない。
コンビニ行って「私は出ない」と言ってたのに、畑に戻ってくるやいなや「おトイレ行きたい」というパターンもあります。
農業体験イベントとなると、子どもの参加者もいる可能性があります。それに遠くまで行かせるのは申し訳ない! だったら畑に簡易的なトイレがあった方がいいですよね。
畑のトイレについて考えてみた
ということで、畑のトイレについて考えてみます。
まず、前提として以下の点を踏まえることにします。
- イベント等で第三者が「これなら使ってもいいか」と思えるレベルのトイレであること
- 安価なこと
- 設置、撤去が簡単なこと
こうなると、今回は数十万円する農業用の「仮設トイレ」や常設が前提となる「コンポストトイレ」は除外することになります。
ですが、将来的に人の雇用を考えている人は「仮設トイレ」を、排せつ物を堆肥(たいひ)に!といった考えを持つ人はコンポストトイレを、それぞれ検討してみるのもいいでしょう。
簡易にトイレを設置するならテント+折りたたみ式便座の組み合わせが楽そう
トイレを考える時、まず優先されるのは空間の確保です。
となると、テントを使うことが今回のニーズを満たしてくれそうです。

「着替え用」や「着替えテント」などの名で売られている縦長のテント
また、便座はこういった折りたたみ式のものを発見しました。

「簡易トイレ」「簡易便座」などとも呼ばれる折りたたみ式便座
テントの中に便座を設置してみると
あれ
もはや
トイレじゃない?
ちなみに価格ですがテントは2000円程度、折りたたみ式便座は3000円くらいでした。
また、便器は段ボール製のものもあります。一度使ったら破棄できるので、清潔さはこちらが上かな? 単発イベントにもいいですね。
畑のトイレには災害用携帯トイレが使える? 種類や価格を比較してみる
テントと便器でトイレの「空間」はなんとかできましたが、問題は排せつ物の処理方法です。
そのまままき散らすわけにはいかないので、今回は災害用の携帯トイレを使うことにします。
災害用携帯トイレとは? 使い方は?
災害用(非常用)携帯トイレは、主に家庭のトイレが使えなくなった際に便器に設置して使う物です。
排せつ物を入れる袋と、吸水シートや凝固剤などをセットで使用します。
先ほどの折りたたみ式便座に携帯トイレを設置するとこんな感じになります。
吸水シートであれば袋の中にセットしてから用を足し、凝固剤であれば用を足した後に凝固剤を振りかけて排せつ物をセリー状に固めます。使用後は袋を閉じて、自治体のゴミ処理方法に応じて処分します。
なお、トイレットペーパーを使った場合も一緒に袋に入れて処分します。
使い方はイメージできたでしょうか。
では、災害用携帯トイレ、価格と種類などを比較してみます。
災害用携帯トイレは排せつ物の処理方法が異なる
災害用携帯トイレは排せつ物の処理方法によって主に2つの種類があります。
- ポリマーシートなどの吸水シートタイプ
- 凝固剤タイプ
- 前の人が捨てたものが見える
- ニオイがだだ漏れしそう
- 自分が処理する時に抵抗がある
-
それでは、見ていきましょう。
1. 吸水シートタイプ
紙おむつなどにも使われている「ポリマーシート」という素材が使われている商品が多いようです。
【特徴】
・凝固剤タイプと比較すると1回あたりの吸水力が大きい。
・排せつ後に凝固剤をかける、といったことが不要なため、排せつ物を見る、という精神的負担が少ない。
【値段】
やや高い(1回あたり150円前後)
大人の1回あたりの小便排出量は200ミリリットルと言われています。
ポリマーシートを使った災害用携帯トイレは、シートの大きさによって1000ミリリットル吸水できるものもあります。
2. 凝固剤タイプ
排せつ後、粉末やタブレット型の凝固剤を入れるタイプ。
【特徴】
・凝固剤が1回分ごとに梱包されているので、排出量が多い場合には追加する必要がある。
・自分の排せつ物に振りかけるってなんかなぁ、という精神的負担がある。
【値段】
安い(1回あたり100円以下のものが多い)
※ 一般的なポリマーシートタイプと凝固剤タイプを比較した場合です。値段は商品によって違いますのでご注意ください。
畑のトイレを実際に設置してみた
畑のトイレ、が具体的にイメージできてきました。
ので
試しに設置してみました。
実際にやってみると、これまたいろいろ見えてくるものです。
畑のトイレ:準備と設置
まずは、設置予定場所を決めて、草を刈っておきます。
地面がボコボコしていると設置しにくいので、ざっくりならします。
テントを設置します。購入したテントはワンタッチテントなのでポールの組み立てなどは不要です。
そして便器をセットします。2分ほどで設置が終わりました。
あ
あちゃー
とりあえず、本番ではコンテナの上とかにトイレットペーパーを置くなどして対応しましょうかね。
続いて、手洗い場所を作ります。
コンテナの上に水タンクとハンドソープを置きます。
最後にトイレセットを配置します。
「トイレを使う時は、袋一枚と凝固剤一つを持っていってください」
と簡単なPOPがあればより良いでしょう。
これで設置は終了です。
全体でも10分くらいでしょうか。
畑のトイレ:利用時の流れ
では、トイレの利用者になりきって使ってみます。
まず、袋と凝固剤を持ってテントへin!!
続いて、袋を便座にセッティングします。
用を足しましょう。
やってて気づいたんですが、毎回新しい袋を使ってその上に座るので案外清潔感があります。
実験も兼ねて、200ミリリットルほどの水を入れ、凝固剤を投入しました。

凝固剤を入れてから固まるまでは1分ほどでした。
ちなみに、ちだは一番お安い粉末タイプの凝固剤を選びました。1回あたり60円ほどです。
このテストでは忘れていますが、必要に応じてトイレットペーパーを使いましょう。使用済みのトイレットペーパーは袋の中へin!
使用後、袋の口を縛ったらテント内にあるゴミ箱へ。
ちなみに、便座は5歳児でも使える高さです。
終わったら手を洗いましょう。
こんな感じで、実際に設置して使ってみました。
ちなみに、畑のトイレを作るのにかかった費用は以下の通りでした。
テント:2,000円
便座:3,000円
携帯トイレ:6,000円(100回分。袋付き。1回あたり60円)
合計:11,000円
(水タンク、コンテナなどは含まず)
畑のトイレを実際に設置してわかった改善点
畑のトイレを実際に設置してみたところ、いくつか改善点が出てきました。
これから設置を検討する人には参考になるかと思いますので共有します。
1. テントが風で飛ぶ
設置当日、風速3メートルほどの風が吹いていました。テントが動いて大変でした。
使う時にはペグなどでテントを確実に固定しなければならないでしょう。
2. テントの生地が薄いとシルエットが透ける
もし、この方法でテント購入を考える場合、シルエットが透けない生地でできているものを選んだ方がいいです。
3. 凝固剤が風で飛ぶ
今回は、利用者が気軽に使えるよう凝固剤を外に並べておきましたが、風で飛ばされそうでした。
外に出す場合には風に飛ばされない工夫をするか、イベント主催者が持っておいて利用希望者へ都度渡すといったことが必要かもしれません。
4. ゴミ箱
段ボールの箱でいいっしょ、と軽く考えていましたがいくつかの不備がありました。
ということで、こういったふた付きのゴミ箱にあらかじめ自治体指定のゴミ袋を入れておくのが良さそうですね。
畑のトイレは簡易的なものでもあった方がいい!
実際に設置してみた簡易トイレですが、妻いわく
「これならギリギリ使ってもいいかなと思う」
だそうです。
全部で1万円ほどでできて、設置・撤去も10分ほどでできます。
テントも便器も携帯トイレも、災害時には必要なものですので、畑のトイレ問題に困っている人に限らず、一度試してみてはいかがでしょうか。