メロンとは
メロン(英:Melon、漢:甜瓜)。果物売り場にあるメロン、実は植物分類学的には野菜で、ウリ科キュウリ属に属します。原産国は東アフリカか中近東と言われていますが、日本でもさまざまな品種やブランドのメロンが栽培されています。
国内の主な産地は茨城、北海道、熊本で、国外産の主な輸入先はメキシコやアメリカ、その6割以上がメキシコから輸入されています。
露地栽培のメロンは5~7月が旬ですが、ハウス栽培やトンネル栽培、ガラス温室で栽培される高級メロン等、通年栽培出荷されているので一年を通して食べることができます。
メロンの種類
メロンは網目のあるなしで「ネット系」「ノーネット系」に大きく分けられます。
また果肉の色によって「赤肉種」「青肉種」「白肉種」に分けられます。
赤肉種は「夕張メロン」「クインシーメロン」のようなオレンジ色の果肉をしたメロンのことで、青肉種は「マスクメロン(アールス系)」「アンデスメロン」のような淡いグリーンの果肉、メキシコなどから輸入される「ハネデューメロン」「ホームランメロン」のような果肉が白いものが白肉種になります。
ネット系:赤肉種
メロンの品種 | 特徴 |
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夕張メロン | 北海道夕張市のブランドメロンで全国的に有名です。 マスクメロンのようにびっしりと奇麗な網目があり、 果肉は赤みを帯びたオレンジ色で柔らかくジューシーです。 |
クインシーメロン | 名前の由来は女王「クイーン」とカロテンが豊富なことから 「ヘルシー」とを組み合わせた造語です。 オレンジ色のなめらかな果肉で深い甘みでジューシーなメロンです。 |
マルセイユメロン | 果皮に特徴があり網目に溝状の縦じまがあります。 果皮はカボチャのようなオレンジ色で、果汁が多く甘みも強いメロンです。 |
タカミレッド | 果皮が薄いため可食部が多く、あっさりとした甘みが特徴です。 外観だけだと緑色のタカミメロンと区別がつかないので 「タカミレッド」のシールが貼ってあります。 |
レノンメロン | 奇麗な網目で果肉はカボチャのような濃いオレンジ色をしています。 果肉はややしっかりとした食感があり、とても甘くてジューシーです。 |
ネット系:青肉種
メロンの品種 | 特徴 |
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マスクメロン(アールス系) | 温室で育てられた高級メロンです。マスクメロンと言う名は ムスク(じゃ香)の香りがするメロンの意味からきています。 正式名称は「アールスフェボリット」といい、 アールス系の高級メロンとして静岡クラウンメロンなどがあります。 果肉は黄緑色で果汁が多く非常に甘いのが特徴です。 |
アンデスメロン | マスクメロンより大きさも価格も手ごろです。 果肉は締まっていて甘くておいしいメロンです。 ネット系の中では大衆のメロンとして親しまれています。 ちなみに名前の由来は、作って安心、売って安心、買って安心の “アンシンデス”メロンと発案され、シンをとって「アンデス」となりました |
アムスメロン | 果皮の網目に縦じまがあり、果肉は緻密な薄い緑色で柔らかくジューシー、 芳醇な甘い香りがします。皮が薄いので果肉が厚く、食べごたえがあります。 |
肥後グリーン | 形は球形から長球形で果皮は深緑色です。 果肉は柔らかく、食感はシャキシャキとしていて甘くてジューシーです。 比較的日持ちのするメロンです。 |
タカミメロン | 果皮の網目は高さがなく細かいのが特徴です。 果肉がやや硬めで日持ちがします。 果汁が多く糖度は高めで赤肉種のタカミレッドもあります。 産地名が付く銚子タカミメロンや飯岡貴味(たかみ)メロンなどもあります。 |
ノーネット系
メロンの品種 | 特徴 |
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ハネデューメロン | 白肉種:果肉は白っぽい緑色で厚みがあり、濃厚な甘さがあります。 形は大きく楕円(だえん)形で果皮はつるっとして淡い緑色です。 アメリカやメキシコ産のものが一年を通して手に入ります。 |
ホームランメロン | 白肉種:果肉は白色で硬めで日持ちがします。 果皮は比較的つるっとしていて、乳白色からクリーム色です。 香りはあまり強くなく、果肉は若いうちはシャキシャキとした歯触りですが、 熟すとはちみつのような色合いになり、とても柔らかく口の中で溶ける感じになります。 |
プリンスメロン | 青肉種:果肉は緑色で種に近くなるほどオレンジ色になっています。 果皮は薄い緑色で表面はつるっとしていて甘みが強くジューシーです。 香りはあまり強くありません。 |
キンショウメロン | 白肉種:果肉は若めのうちに食べるとサクッとした食感で、 熟すと柔らかくジューシーです。 果皮は黄色で表面はすべすべしていて、形は縦長の楕円形です。 |
マクワウリ | 品種がいろいろとあり各地で栽培されてきました。 皮も黄色や、緑、白、縦じまが入っているものもあります。 果肉はサクサクした食感のものから柔らかいものまでさまざまで、 味はさっぱりとした甘さのものが多いです。 黄金まくわ、バナナマクワ、タイガーメロン等があります。 |
メロンの保存方法と食べごろ
メロンは硬いうちに収穫されるので追熟が必要です。また、収穫日が書いてあるものは5~7日後ぐらいが目安で食べごろになります。保存は風通しが良く、直射日光の当たらない冷暗所に置きます。切った後、保存する場合は種とワタを取り除き、空気にあたらないようにぴったりとラップをかけ冷蔵庫で保存し、早めに食べます。冷やしすぎると風味が損なわれるので注意してください。やや風味が落ちますが冷凍保存も可能です。その場合は1カ月を目安に食べ切るようにしてください。
メロンは食べごろになると香りが高くなってきます。そしてお尻の部分を軽く押したとき柔らかいと食べ時です。ツル付きのメロンの場合、ツルがしなびて(青くてみずみずしいものは未熟)、果皮が少し黄色みを帯びている(一部ネット系メロンの場合)と食べごろのサインです。
※ 購入してすぐに食べる予定の場合、上記のポイントを意識して選ぶといいでしょう。
追熟し過ぎには注意しましょう! うっかり常温に置き過ぎて食べごろを逃してしまったということにならないようにしてくださいね。また、冷蔵庫に入れてしまうと追熟が止まるので、追熟してから冷蔵庫に入れるようにしてください。そしていったん冷やすと追熟が進まなくなるのも覚えておいてくださいね。
メロンをおいしく食べる切り方
基本的な切り方
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【切り方】
1. ヘタを切り落とします。
2. 縦半分に切ります。
3. スプーンで種を取り除きます。
4. さらに縦半分に切っていき、8等分にします。
5. 果肉と皮の間に包丁を入れ、一口大に切ります。
家族や大勢で食べる時は……
(その1)
1. 基本の切り方の4までは同じようにします。
2. 8等分の一切れを半分に切ります。
3. 果肉と皮の間に包丁を入れ、一口大に切ります。
4. 皮を器にし、見た目よく盛り直します。
5. 3から4を繰り返すことで、16個に分けられます。
(その2)
半分に切って、フルーツボーラーで丸くくりぬき、皮を器にして他のフルーツも一緒に盛り付けます。大人数のパーティーなどで、テーブルが華やかになります。
メロンの甘さを味わう切り方
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【切り方】
1. ヘタを切り落とします。
2. 横半分に切ります。
3. 実や果汁を取り過ぎないよう、スプーンで丁寧に種を取り除きます。
4. 下半分を食べます。
メロンは上部のツル側の部分より、お尻側のほうが糖度が高くなる傾向にあると言われています。そのため横切りにした場合、下半分の方が甘くなります。また、種に近い内側のほうが甘みが強く、皮に近づくにしたがって糖度は低くなっていきます。
半分に切ってぜいたくに食べる場合、横に切ると甘みを存分に感じて食べることができます。そして余った上半分は1センチ角ほどに切り分けて、砂糖大さじ4、水1/2カップ、はちみつ大さじ1とともに5分ほど煮詰めてコンポートにすることもできます。やってみてくださいね。
メロンの栄養素
メロンはデザートのイメージが強く栄養面は注目されにくいですが、多くの栄養があるんですよ! おいしく食べて健康面も期待できるなんてうれしいですね。
メロンの甘みは果糖、ショ糖、ブドウ糖などですが、体に吸収されやすくエネルギーに変わりやすいため疲れをいやす効果も期待できます。
他にどんな栄養があるのか主なものを見てみましょう。
メロンは「カリウム」と「ビタミンA(β-カロテン)」が多く、果肉のオレンジが濃いものはβ-カロテンが特に多く含まれています。
カリウム
カリウムは余分なナトリウムを排出し、体内の水分のバランスを整える働きがあります。そのため、むくみの解消や高血圧予防に有効と言われています。
ビタミンA(β-カロテン)
体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンは、抗酸化作用により老化の予防に効果が期待できます。
また果肉のオレンジが濃いものほどβ-カロテンが多く含まれています。
品種ごとの違いを知ってメロンをおいしく食べましょう!
メロンの種類によって皮の形状、果肉の色の違いがあること、またおいしい見分け方や切り方、栄養についても紹介してきました。旬の時期にはいろいろな種類のメロンを目にすると思います。記事を参考にあなたのお気に入りを見つけてくださいね!
監修:日本野菜ソムリエ協会