パプリカ栽培の難度は高いと言った方がよいでしょう。植物自体を育てるのはそこまで難しいものではないのですが、果実をならせて色をつけ、収穫に至るまでたどり着くのにはそれなりの管理が必要です。
パプリカよりもすこし小さめのカラーピーマンからはじめてみるとよいでしょう。最近では各社さまざまなカラーピーマンを販売し始めていて、選ぶのがとても楽しいです。存分に品種選びを楽しみましょう。
熟度によって徐々に色が変化していく品種が近年流行していて、一本の木からさまざまな色のカラーピーマンが栽培できるのでとても面白いです。
では実際の栽培について栽培カレンダーを見ながら解説していきましょう。基本的には普通のピーマンの栽培のやり方と変わりません。
なお、栽培難度が高めということもあり、種からではなく購入苗からの栽培をおすすめします。
パプリカ・カラーピーマンの土づくり
植え付け時期は5月に入ってからをおすすめします。耐寒性があまりないため、遅霜がおりると枯れてしまいます。
植え付け2週間前には1平方メートルあたり堆肥(たいひ)2キロ、苦土石灰50グラムを散布し、よく耕しておきます。
そして1週間前には化成肥料100グラムを投入して混和し、畝をたてておきましょう。長期間の栽培になるので、マルチビニールの使用をおすすめします。
パプリカ・カラーピーマンの植え付け
株間30センチをあけて、畝の中心に一列で植え付けます。
パプリカ・カラーピーマンの仕立て方
基本的に育て方はピーマンと同様に考えてもらって大丈夫なのですが、カラーピーマン、特にパプリカを栽培する場合は、放任栽培はおすすめしません。
2本仕立てに主枝を仕立てて、実をならせる数を調整できるようにしましょう。慣れてきたら、株間を50センチに広げて4本主枝にしてもよいでしょうが、最初は2本主枝が分かりやすいです。
最初の花が咲くまではまっすぐ真上に育てます。
わき芽がどんどん出てきますが、全部小さいうちにかきとってしまいましょう。
最初の花が咲いた場所から二手に分かれますので、その2本をぐんぐん伸ばしていきましょう。2番目の花、3番目の花までは実をならせずに花のうちに手でとってしまい、枝葉を大きくしましょう。
メインになる4番目の花から果実にして大きく太らせていきます。
2本の主枝に直接実る果実を収穫します。花が咲くたびに二手三手に枝が分かれようとしますが、1本だけを誘引していって、他の枝は全部2節残して切ってしまいます。
手が届かなくなるところまできたら、主枝の先端を止めてしまいます。
4番目以降の花も、すべて果実にして大きくするのではなく、1つ飛ばしにするなど、負担を軽くすることで大きなパプリカ・カラーピーマンになります。側枝(主枝として伸ばしている枝ではなく、花が咲いたところから伸長して2節で止めた枝)には原則果実をつけません。花が咲いても落としますが、主枝にあまり果実がなっていない場合はならしてもよいでしょう。
パプリカ・カラーピーマンの収穫適期
このように、収穫までには普通のピーマンの10倍近い値段で売られるだけの手間がかかります。大変ですが、それだけにカラフルな果実がたくさんなったときの喜びは大きいです。
収穫はハサミで行いますが、その時期は品種によってまちまちです。
着色する色が次々と変化する品種もあります。植えられている品種が、それぞれ開花後何日で何色に変化していくのか、書いてある紙は捨てずにとっておきましょう。
パプリカ・カラーピーマンの追肥
果実が大きくなり、1果目が着色し始めたら追肥を開始しましょう。大体1株にスプーン大さじ1杯の化成肥料を隔週で与えます。ただし、あまりにも草勢が強くなって花が減ったり実がつかずに落ち始めたりしたら追肥をやめて様子を見てください。
パプリカ・カラーピーマンの病害虫
病気に関しては、うどんこ病や灰色カビ病など、カビ系の病気が多くみられます。ホームセンターでも入手しやすいトリフミン水和剤や、トップジンMなどを用いて防除しましょう。
農薬を使わない場合は、できる限りの高畝にして、葉が茂りすぎないように気をつけます。どうしても発生することがあるので、その場合は病気に侵された葉はすべて切除し、畑の外に持ち出してください。
虫は、カメムシ、オオタバコガなど、大型の虫に苦しめられることが多いです。お手持ちの殺虫剤を駆使してもらう必要がありますが、パプリカなどの手間のかかる大きな野菜であれば、ネットで覆ってしまって物理的に虫が寄り付けないようにしてもよいでしょう。植物全体を囲ってもよいですし、果実一つ一つにネットをしてもよいかもしれません。
以上がパプリカ・カラーピーマンの栽培となります。緑のピーマンは未熟なので苦いですが、完熟したカラーピーマンはジューシーでとっても甘いです。ぜひ試してみてください。