ニラは多年草と言って、冬を越えて何年も同じ株で育てることができます。
なので、今年植え付けても来年までは収穫に至りません。無理やり年内に収穫できないこともないのですが、2年目、3年目としっかり収穫するためにも、1年目は準備期間と思って育てましょう。
4年、5年とそのままでも成長はしますが、5年目はさすがに、いくら追肥してもこれまでのような旺盛な生育は望めませんので、3年ごとに株分けして植え替えるとよいでしょう。プランターでも栽培できます。
ニラの種まき・育苗
苗が売られていることもありますが、一般的には3月頃、種から栽培されることが多いです。
あらかじめ畝をたてておき、そこに1センチ間隔で種をまいて、5ミリ程度に薄く覆土します。
種がたくさんある場合は、列と列の間を15センチは空けておきましょう。
ニラの土づくり
ニラは葉物野菜の中では比較的肥料を多めに必要としますので、植え付け2週間前には1平方メートルあたり、堆肥(たいひ)を3キロ、苦土石灰を150グラム施用して土とよく混ぜておきます。
植え付けの1週間前には化成肥料100グラムを更に投入してよく混ぜ、畝をたてておきましょう。特別水はけの悪い畑でなければ、畝の高さは10センチほどで十分です。
ニラの植え付け
ニラの植え付けは、草丈が20センチくらいになった5月頃おこないます。
できるだけ根を残すようにスコップで掘り上げます。かといって多少根を切ってしまっても問題なく育ちますので気にせず植え替えましょう。
ニラは他の野菜とは違い、1カ所に1本だけだと逆に生育が悪くなる寂しがりやの野菜です。1カ所に3~5本を、30センチ間隔で植え付けましょう。
植え付ける場所に穴を10センチ深さくらい掘っておき、底に根を置いて土を浅く被せます。完全に土を戻さずに、植えてある部分だけがへこんでいる状態にしておくと、後の作業が楽になります。
ニラの土寄せ
植え替えで一度根を切られてくたびれていたニラが、新しく根を張ってくると、またシャキッと起き上がって成長をはじめます。そうなったら植えてある穴に土を少しずつ戻して(成長点が埋まらないように何度かに分けておこないます)最終的に畝を平らにしてあげましょう。
成長のたびに土をかぶせていく方法もあるのですが、最初はへこませておいて、徐々に埋め戻す方が楽で奇麗に仕上がります。ただし、水はけの悪い畑では、穴に水がたまってしまうので、上から土をかぶせる従来の土寄せをおこないましょう。
ニラの追肥
ニラ栽培で意外と重要なのが9月の追肥です。
ニラは、9月以降に来年のための養分を蓄えようとしますので、9月から追肥を開始して、隔週で計3回ほど、1株に小さじ1杯でよいので化成肥料を株元に追肥しましょう。来年の収穫量に大きく影響します。
ニラの収穫
冬を越して2年目以降から収穫が始まります。最初は捨て刈りといって、春の時点で伸びている分の葉を刈り取ります。すると切り株からイキイキとした若い葉がぐんぐん伸びてくるので、草丈30センチになったら刈り取る。そしたらまたすぐに生えてくるので刈り取る、と何度も何度も収穫できます。
ただし、収穫のたびに小さじ1杯の追肥をしていくことを忘れないでください。収穫した分、追肥するという分かりやすいサイクルです。
来年もまた同じ株で栽培を続けるのであれば、収穫は9月に切り上げて、お疲れ様の意を込めてしっかりお礼肥(おれいごえ、おれいひ)をあげておけば、来年もまたたくさん収穫できます。
筆者はニラ畑にはもみ殻を10センチくらいの厚さで敷いています。もみ殻の中で刈り取っているので、収穫後は何も見えなくなりますが、また生えてきます。暑い中の雑草管理から解放されるので家庭菜園ではおすすめです。
ニラの株分け
ニラは年数を重ねるごとにどんどん弱っていきます。本当は弱っているのではなくて、分げつ(分けつ)といって自ら株を分裂させて増殖しているので、株数が多くなりすぎて窮屈になっているのです。
3年ごとに掘り上げ、バラバラに株分けして、また3~5株ずつ植えつけるのが理想です。
同じ場所に植えると病気が出やすくなるため、場所をずらしていくことをおすすめします。
ニラの病害虫
ニラは独特の匂いがあるため、病害虫は比較的つきにくい作物です。
害虫は、アブラムシやアザミウマなどの小さな虫しかつきませんので、家庭菜園では大きな問題になりにくいでしょう。大量発生してしまった場合は、スプレータイプの殺虫剤等を利用すれば用は足りるでしょう。
病害についてはさび病他の低温時に発生する病気と、夏場に発生する葉腐(はぐされ)病などありますが、根本的な対処をするためには専門的な薬剤が必要になります。家庭菜園においては、収穫終わりの秋にZボルドー銅水和剤、春にトップジンM水和剤などの殺菌剤を振っておくことで予防できます。
植えてさえいればどんどん収穫できるうれしい野菜のニラ、ぜひ植えてみましょう!
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