農家が教えるサトイモの育て方 水はけの悪い畑でこそ栽培したい

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農家が教えるサトイモの育て方 水はけの悪い畑でこそ栽培したい

連載企画:農家が教える栽培方法

農家が教えるサトイモの育て方 水はけの悪い畑でこそ栽培したい
最終更新日:2020年06月26日

サトイモは比較的栽培のしやすい作物です。特に水はけが悪い畑があって困っている人にとっては、その土地を最大限に活用できるうってつけの作物で、一回種イモを買えば、品種によっては毎年自家増殖して繰り返し育てることができます。
暑い夏に働いた分、冬にホクホクのサトイモを楽しめますので頑張って育てましょう!

“畑の際は水が染みていて常に水はけが悪く他の作物が育たない、など日本では比較的よくある悩みなのですが、サトイモこそそういった場所に適しています。
水はけが良かったとしても、サトイモは用水路の隣の水やりがしやすい場所に植え付けるなど、植え付ける場所を限定してしまいましょう。

とにかく栽培をはじめる前に、梅雨明け以降水やりができる環境であるかどうかを確認することが大変重要な作物です。

サトイモ

サトイモの土づくり

サトイモは堆肥(たいひ)でつくれ、という格言があります。言葉の通り堆肥だけで育てる必要はありませんが、やはり堆肥をたくさん投入している畑の方がより良いサトイモが収穫できます。
植え付け予定の畑に1平方メートルあたり5キロの堆肥(牛ふんや豚ふんなど)を投入し、苦土石灰50グラムと一緒に耕しておきます。
植え付け1週間前には化成肥料100グラムをよく混和して畝を立てておきましょう。1メートル幅程度の大きな畝の方が生育が良いです。

サトイモ

サトイモの植え付け

購入した種イモであれば選択の余地はありませんが、去年収穫して保存していた種イモ(最後に保存方法を説明します)を使用する際には、親イモを利用すると、より立派なサトイモが収穫できます。ただし、親イモは一株に一個しかとれないので、たくさん植えたい場合は購入種イモと同様に子イモを利用します。

サトイモ

サトイモ上部が地表面から10~15センチほどの深さになるようにして、芽を上に向けて植えこみます。中生(なかて)品種であれば株間は40センチ間隔、晩生(おくて)品種の場合は50センチ間隔で一列に植え付けてください。
初期生育を旺盛にして、草取り作業をなくすためにはマルチを上から張っておくことをおすすめします。
より良いサトイモを収穫しようと思うならば、6月中旬には剥がしてしまうことになるのですが、小さくても構わないのであれば、そのままマルチをし続けても構いません。
しばらくすると芽がマルチを突き上げてきますので、手でマルチを破ってあげましょう。

サトイモ

サトイモの芽かき

サトイモ

植え付けてすぐ~6月上旬くらいまでに芽が2つ以上出てきている場合は、勢いの良い方を残して根元から抜き取ってしまいます。地面に手を添えて、種イモごと引き抜かないように気をつけましょう。

6月中旬、土寄せ時期以降に根元から出てくる小さな芽は、新しく生まれた子イモの芽なのでそのまま置いておきましょう。

サトイモ

サトイモの追肥と土寄せ

この作業が、できあがるサトイモの品質を大きく変えます。
省力してつくりたい人は、マルチをしたまま追肥だけでもおこないましょう。

サトイモ

最初の追肥と土寄せの時期は6月中旬。マルチを外して通路や畝の肩の土を削ってサトイモの根元に土を被せます。ちょっと大変ですが、10センチ被せられれば上出来です。大きなサトイモをとりたいからとあまり大量に土寄せしても意味がありませんので、10センチを目安にしましょう。
2回目の土寄せと追肥のタイミングは8月中旬です。今度は前回の約半分、6センチほど土寄せすれば十分です。とても暑いので大変ですが、冬に食べられるおいしいホクホクのサトイモを思い浮かべて頑張ってください。
2回目の土寄せは、タイミングが遅くなりすぎると、逆に生育が悪くなることがありますので注意してください。

サトイモの水やり

サトイモはとにかく乾燥を嫌います。梅雨明け以降の乾燥には十分注意してください。
用水路から水をひける人や、井戸水をふんだんに使用できる人は半日程度、畝の周りに水をためておくとよいでしょう。4~5日晴れが続くようなら、積極的に水やりをしてあげてください。

サトイモ

サトイモの収穫と保存

収穫適期は品種によっても変わりますが、10~11月です。
初霜が降りる前に収穫してしまい、保存しておきましょう。

サトイモ

このように堀った土の中にもみ殻を詰めて(もみ殻は近所に精米所があれば無料で大量に手に入ります)、光が入らないようにシートをかぶせておきましょう。こうすることで翌年の植え付け時期まで保存することができます。

サトイモの病害虫

サトイモは病害虫の非常に少ない、無農薬でも栽培しやすい作物です。しかし、連作(毎年同じ場所に植え付けること)を繰り返していると、土壌中のセンチュウが多くなり栽培困難になってしまいます。
最もよいのは作付けしない間は水を張って田んぼにしてしまうこと。一夏水を張っておけばセンチュウはいなくなります。
そうなんです。実はサトイモは農家の人が田んぼの一区画を利用して栽培するのに大変適していて、田んぼ文化の中で生き残ってきた農作物なんですね。

なのでサトイモ栽培の難易度は、あなたがお米の季節にふんだんな水分が確保できる農業地帯にいるのかどうかで大きく変化するのです。
プランターで栽培するのは難しいですが、水を確保できる人はぜひ試してみてください!

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