農家が教えるインゲンの育て方 実がならない原因は「肥料の効き過ぎ」?

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農家が教えるインゲンの育て方 実がならない原因は「肥料の効き過ぎ」?

連載企画:農家が教える栽培方法

農家が教えるインゲンの育て方 実がならない原因は「肥料の効き過ぎ」?
最終更新日:2020年05月11日

インゲンは比較的冷涼な気侯を好みますが、10℃以下になる日本の冬では生きていけず、かといって真夏ほどの高温に強いという訳でもありません。慣れるまでは栽培期間は春~初夏に限られますが、季節を感じられて、栄養価も高い野菜です。ぜひ自分で育てて、新鮮なインゲンを手に入れましょう。
マメ栽培は、工程も少なく、比較的易しい品目です。慣れてくればさらに栽培期間を延ばして長く収穫することもできるので、簡単ですが奥が深い作物です。

インゲンには主につるあり種とつるなし種の2種類が存在します。どちらの育て方も紹介しますが、自分が買った種がどちらであるのかは、種袋を確認するなどして分かるようにしておきましょう。つるあり種の方が草勢が強く、長い期間収穫することができます。
つるなし種の場合、収穫開始時期が早いので、苗で買う場合は両方揃えておくと長く楽しむことができます。また、つるなし種は放任でも簡易な仕立てでも十分栽培できるので労力や資材費もあまりかかりません。

以下栽培カレンダーに沿って見ていきましょう。

インゲン畑の準備、土づくり

インゲンは比較的土壌を選ばない作目です。できる限り連作(昨年同じマメ科の作物を植えた場所にインゲンを植えること)を控えましょう。病害が増えたり、収量が下がったりしてしまいます。過去2~3年マメ科を作付けしていない場所を選びましょう。
植え付け2週間前に苦土石灰を100グラム投入し、土とよく混和しておきます。
石灰と肥料を同時に与えると化学反応を起こす可能性があるため、化成肥料は1週間前に50グラムを混ぜて、畝を立てておきましょう。

インゲンの種まき・植え付け

ポットで育苗する場合でも、畑に直接まく場合でもやり方は同じです。
一カ所に3粒ずつまき、種と土を密着させるためにもしっかりと土をかぶせてたっぷり水をやりましょう。芽が出てくるまでは、よほど乾燥しないかぎりは水やりを控えます。あまり水を与えすぎると土の中で腐ることがあります。

基本的には畝の真ん中に1列、30センチ間隔で植え付けます。後述する仕立て方を参考に、2列植えにする場合は、列の間を90センチは確保しましょう。つるなし種の場合は列の間は40センチ離れていれば十分です。

ポットにまいた苗を植え付ける場合は、本葉が2枚のころに植え付けましょう。

インゲンの仕立て方・誘引

冒頭で書いてある通り、つるなし種の場合は仕立てることなく放任で、もしくは簡易な仕立てで十分に栽培を楽しむことができます。
植えてある畝の周囲に支柱を立てて、ひもで倒れないように押さえてしまえば十分と言えるでしょう。
一方つるあり種の場合、1.5メートル程度の支柱をそれぞれの株に設置してはわせるか、キュウリネットを利用してはわせる必要があります。支柱にはわせる場合、交差する位置を低めにすることで作業がやりやすくなるのでオススメです。

ネットのてっぺんに届いたら先端部分を摘心しましょう。

インゲンの収穫

インゲンは花が咲き始めて2週間程度で収穫適期になります。
サヤの中にある豆のふくらみが確認できたら順次収穫していきましょう。はさみを用いてひとつずつ収穫します。

つるなし種の場合は、ある程度収穫適期を過ぎても品質はあまり落ちませんが、つるあり種の場合は適期を逃すことで著しく食味が低下していくので、収穫時期が始まったらできるだけ収穫作業に入りましょう。

インゲンの追肥、実がならない原因

収穫開始と同時に追肥のタイミングになります。
第1果の収穫と一緒に、1株あたりスプーン1杯程度の化成肥料を与えます。
ただし、マメ科に共通することですが、肥料が効きすぎると葉ばかり強くなり、花があまりつかなかったり、花が咲いても実が全然とれない、という状態になってしまいます。
土にいったん混ぜてしまった肥料を取り出すことはできないので、インゲンの株元から30センチほど離れた位置にスコップをザクっと突き刺し、根を切ってしまいましょう。根を切ることで物理的に肥料を吸えなくなり、花や実の量が目に見えて増加します。
根を切っても増加しなかった場合は肥料以外のなにかしらの原因だと判断できます。

インゲンの病害虫

インゲンは比較的害虫被害の少ない作物です。
ここでは特に相談の多い病害虫について説明しましょう。

根腐れ病

突然葉が黄色くなって枯れていく……。そんなときは1本引き抜いて根を見てみましょう。腐っている場合はこの病気です。土壌病害なので、具体的な対処方法はあまりないのですが、連作(マメ科植物を毎年同じ場所に植えること)をしている場合は、それが原因です。また、一度出ると今後もその畑では出る確率が非常に高いので、しばらくはマメ科の栽培をあきらめましょう。
大量の稲わらをすき込む、イネ科植物を栽培するなどして土の回復に努めましょう。

ハダニ

梅雨明け以降、乾燥が続き、インゲンの様子が徐々におかしくなってきて葉色があせて元気がなくなってしまいませんか? 家庭菜園の場合は、ハダニが発生したことに気付かず、そのまま作型を終わらせてしまうことも多いですが、ハダニをしっかり防除しておけば長期間栽培を続けることも可能です。専門的なダニ剤はなかなか手に入らないという場合(普通の殺虫剤ではなかなか死にません)、ホームセンターに売っている殺虫スプレーで、対象害虫にダニと記載してあるものを利用しましょう。

以上がインゲンの栽培になります。
無農薬での栽培も比較的容易な部類になりますので、気軽に挑戦してみましょう。

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