求人募集を行う福島県の酪農情勢をご紹介
東京から約200km圏内に位置する東北地方の一番南、「福島県」。
全国では北海道、岩手県に次いで3番目の広さを持つ県です。
酪農においては福島県全域で乳牛11,500頭を飼養しており、畜産全体での産出額は495億円と農業全体の約24%を占めています。
(福島県ホームページ「福島県畜産のすがた」参照)
こうした情勢のなか、『福島県酪農業協同組合 酪農ヘルパー利用組合』には現在116戸の酪農家をサポートしています。
「乳牛は給餌等の世話の他、搾乳も毎日行わないと病気になってしまいますので、酪農家が年中無休であるというのは本当です。ただ、酪農家も人間なので、プライベートで休日が欲しかったり、冠婚葬祭で家を空けなければならなかったり、突然ケガや病気に見舞われたりすることもあります。そんな時、酪農家に代わって活躍するのが酪農ヘルパーです。酪農ヘルパーは酪農家の依頼に応じてシフト制で各牧場に派遣され、酪農家の代わりに搾乳など日々の作業を代行する仕事です。酪農という産業に従事している点は酪農家と同じですが、酪農ヘルパーは例えばベビーシッターのようなサービス業と言う方が近いかもしれません。『福島県酪農業協同組合 酪農ヘルパー利用組合』では、酪農家が定期的に休日をとってゆとりがある経営を実現してもらうことを目的として、酪農ヘルパー事業を運営しています。福島県の酪農は、1戸あたりの平均飼養頭数が他県と比較して少ないのが特徴ですが、地域ごとに経営形態が様々で、10頭前後のごく小規模なところもあれば、100頭を超える大規模なところもあります。色々な形態の牧場を見て回ることができるので、将来就農を希望したいが具体的にイメージすることが難しいという方にもうってつけの環境だと思います」と、語ってくれたのは『福島県酪農業協同組合 生産部 生産指導課』の甲斐響(かい・ひびき)さん
現在、『福島県酪農業協同組合 酪農ヘルパー利用組合』では嘱託雇用と臨時雇用を含め、16名の酪農ヘルパーが活躍中。
そこで今回は、2名の現役ヘルパーに日々の仕事内容、やりがいなどについてお話を伺いました。
そこから見えてきたのは、自由度の高い生きがいにあふれたワークスタイルでした。
40代 酪農ヘルパー歴19年:現役で活躍できる秘訣は精神的な負担がなく働けるから
「自分の時間を確保しながら生きがいを持って働ける、それが酪農ヘルパーの醍醐味」と、語るのは福島県二本松市出身の喜古 林尚(きこ・よしひさ:41歳)さんは酪農ヘルパー歴19年のベテラン。
両親の酪農を手伝う傍ら、酪農ヘルパーとして福島県内の酪農家をサポートしてきました。
「父が倒れ、家業は2年前に廃業を余儀なくされたのですが、幼い頃から牛と共に生きていた自分にとって、酪農家との関係が近い酪農ヘルパーに専念することは当たり前の流れだったのかもしれません」。
年間を通して休みなく働く家族や周囲の酪農家の姿を見てきた喜古さんは、酪農ヘルパーとして働くことの素晴らしさや、充実した労働環境を実感しています。
1日の流れを見ながらその魅力を紐解いてみましょう。
ある日の喜古さんの1日
- 6時:朝の仕事開始 畜舎の清掃、給餌、搾乳を行う
- 9時:終了後、帰宅
- 17時:夕方の仕事開始 畜舎清掃、給餌、搾乳を行う
- 20時:終了後、帰宅
このように、酪農ヘルパーは朝夕の清掃、給餌と搾乳が主な仕事になります。
驚くべきはそれ以外の時間の使い方は自由ということ。
喜古さんが体を休めたり趣味に充てたりとストレスフリーに働いている様子は次の言葉からもうかがえます。
「家業を手伝いながら家畜商でアルバイトをしていた時期もあるのですが当時は休みがほとんどありませんでした。今は自分の時間をしっかりキープしながら働くことができるので、精神的な負担はほとんどありません」。
酪農家は、酪農ヘルパーに仕事を依頼することで酪農家は冠婚葬祭や旅行などにも出かけることができ、万が一の、病気や怪我の場合も治療に専念することができます。
双方に大きなメリットをもたらす酪農ヘルパーの仕事は、生きがいと働きがいを兼ね備えた理想の仕事と喜古さんは言葉を続けます。
「酪農ヘルパーはいわば、サポートに徹する仕事です。各酪農家さんそれぞれの要望にしっかり応えることを大切にしています。酪農ヘルパーになったことで自分らしい生き方を見つけることができました」。
実直な喜古さんの表情から時折こぼれる笑顔に、充実した人生を垣間見ることができました。
30代 酪農ヘルパー歴4年:経験がなくても研修制度があるので安心して働けます。
「さまざまな酪農家と出会い、牛と共にきることで自己成長を実感できる」と、語ってくれたのは若手のホープとして活躍する後藤和弥(ごとう・かずや:30歳)さんです。
県内の農業短期大学卒業後、観光牧場に就職。乳牛や小動物の管理や乗馬体験などに約6年間携わった後、酪農ヘルパーに転身しました。
「前職で搾乳経験はあったものの、よその設備での搾乳の経験はなく自分にできるか不安な面もありました。しかし、しっかりとした研修制度のおかげで技術はもとより、酪農ヘルパーとしての心得やマナーなどを学ぶことができたので安心して仕事に取り組むことができました」。
そんな後藤さんが酪農ヘルパーとして心掛けているのは、コミュニケーションを積極的に取ること。
留守を預かる際は乳牛の体調や性格、機械の操作などを酪農家さんと丁寧に申し送りをし、些細なことも必ず報告するようにしているそうです。
「酪農家さんにとって大切な財産である乳牛をお預かりしていることを常に意識し、仕事に向き合っています。もともと動物と触れ合うことが好きな自分にとって酪農ヘルパーは天職と実感する日々です」。
朝夕の仕事以外の時間は、プライベートの他、家業の野菜農家の手伝いなどに充てているという後藤さん。
酪農ヘルパーの仕事を通し、県内の酪農家さんとのつながりが強くなり、自分自身の成長を実感していると語ります。
「農業という大きなくくりで見ると、野菜も酪農も“ものづくり”という意味では同じだと感じます。お互いが助け合い、情報を共有しながら福島の農業を盛り上げて行けたら嬉しいですね」。
南北に連なる阿武隈高地と奥羽山脈を境に西から「会津」、「中通り」、「浜通り」に分けられた福島県。
それぞれの地域で発展してきた同県をフィールドに活躍する酪農ヘルパーは、酪農家にとって頼もしい「助っ人」であると同時に、福島の農業を盛り上げる重要な役割を担っていることがわかりました。
あの人気商品の製造も支える『福島県酪農業協同組合』の酪農ヘルパー
美しい山々と豊かな水脈、恵まれた気候で古くから酪農が盛ん行われてきた福島。
酪農家たちはこの自然豊かな大地と徹底した飼養管理や衛生管理のなかで、ストレスをかけずのびやかに乳牛を育てています。
そんな環境で、『福島県酪農業協同組合』の酪農家が生産した原乳で製造・販売されるのが『酪王カフェオレ』。
その美味しさから各種メディアで紹介されるほどの人気商品です。
今回、取材に協力して頂いた喜古さんに伺うと「酪王カフェオレを見つけると自分が搾乳した原乳も使用されているんだなと思い、つい手に取ってしまいますね」と、笑顔で答えてくれました。
生き物を相手とする酪農は経験や知識がないと難しいと思われがちですが、研修を積むことで未経験者も安心して働くことができる「酪農ヘルパー」という生き方。
『福島県酪農業協同組合 酪農ヘルパー利用組合』では酪農ヘルパーを募集しています。
ストレスフリーな環境の中で、自分らしい生き方を見つけてみませんか?
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■福島県酪農業協同組合
〒969-1103 福島県本宮市仁井田字一里壇17
TEL:0243-33-1101
公式ホームページはコチラ
※取材・撮影について:取材時は全員がマスクを装着。3密の回避、換気など新型コロナに配慮を行い取材・撮影を執り行いました。