180度転身!? 工学系大学院生が林業に就業した理由。気になる山の仕事、やりがいとは?

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180度転身!? 工学系大学院生が林業に就業した理由。気になる山の仕事、やりがいとは?

180度転身!? 工学系大学院生が林業に就業した理由。気になる山の仕事、やりがいとは?
最終更新日:2020年09月02日

世界最大級のカルデラを有する熊本県阿蘇地域は、小国杉や阿蘇南郷檜(アソナンゴウヒ)で知られる有数の林業地です。工学系の大学院を経て、この春から”あその山モン”の一員になった山田雅之さんに、林業の世界に入ったきっかけや仕事のやりがいなどを聞きました。阿蘇地域ならではの就業サポート制度などもご紹介します。

きっかけは就業ガイダンス。森林を守るプロフェッショナルになるまで

山田雅之さん(26)は、熊本県益城町出身。山口県の大学の工学部で建築を学んだ後、情報系の大学院に進みました。子どもの頃から自然が好きだったため、卒業後は自然の中で働ける仕事に就きたいと考えていましたが、まだ迷いがあったといいます。そんな時、新聞で見つけた「森林の仕事ガイダンス」に興味を持ち、参加。たまたま訪れたブースがきっかけで、阿蘇地域林業担い手対策協議会(※1)が実施する3日間の「トライアル雇用事業」に参加することにしました。
 3日間のトライアルでは、生まれて初めて1本の木を倒したことも。「チェーンソーにエンジンをかけた時は、ブルブル震えてしまいました。緊張しすぎて、倒した時のことはあまり覚えていません。それでもその時の体験が楽しくて、林業に進もうと思いました」。その後、半年間の林業アルバイトを経て、くまもと林業大学校に入学。1年間のカリキュラムで林業の基礎や必要な資格を取得して卒業。この春、阿蘇市の株式会社虎屋林業に入社しました。

(※1)阿蘇地域林業担い手対策協議会は阿蘇地域の市町村と林業事業体が運営する団体で、”あその山モン”(※2)の交流促進や新たな担い手の確保・育成のための取り組みを行っています。
(※2)阿蘇地域の林業にたずさわる者を”あその山モン”と呼んでいます。

間伐を終えた虎屋林業所有の杉林

 入社して4カ月、日々の仕事に達成感や充実感を感じているという山田さん。「森に手を入れると景色がガラリと変わるので、頑張って良かったと思えます。自分にこの仕事は合っていると思いますし、次の世代のための仕事をしていることもやりがいです。今後は早く1人前になれるよう頑張りたいですね」と笑顔を見せます。

シゴト場は森。“木を育て森を守る”林業のやりがいや魅力とは?

そんな山田さんを社員として迎え入れたのが、株式会社虎屋林業の代表・菅晃大朗さん(33歳)です。代々林業を家業とする家に育ち、一度は故郷を離れましたが、大学卒業後に林業の道に入って9年になります。働く仲間を増やしたいと、この春、法人化。林業大学校のインターンシップで山田さんを指導したことが、採用のきっかけになりました。

「1本1本の木と向き合い、どうしたら安全にできるのかを考えます」と話す菅さん

株式会社虎屋林業は、阿蘇に200haほどの山林を所有。自社の山の手入れをするだけでなく、森林組合やNPO法人からの依頼も受けています。山から山へ、植栽や下草刈り、枝打ち、伐採など森の仕事は1年間を通じて続きます。林業の仕事の魅力について菅さんは、「自然の中で、のびのびと仕事ができることですね。危険は伴いますが、安全のルールに従って作業をするので、命を賭けるような危ないことはしません。最近は林業機械もありますし、道具の使い方のコツが分かると無駄な力を使わずに楽に丸太を動かすことができるようになります」。とはいえ林業は、木を植えてから伐採するのは50年、60年後という長いスパンの仕事。今手入れしている木が伐採されるのを自分の目で見られないことも。

伐採作業の様子。1本1本に自然のありがたみを感じながら作業しているという

「木は自分達だけのものではなく、贈り物なんです。植えた人、草を刈った人、枝を打った人など、時間をかけてたくさんの人が関わってきたかと思うと、自分もまた次の世代に渡さなければいけないと思いますね」。

若手新規就業者が増加中! 林業するなら阿蘇がおすすめのワケ

20代、30代の新規就業者が増えているという阿蘇地域の林業。全く違う分野や県外から、阿蘇に魅力を感じて参入してくる人も少なくないといいます。そんな新規就業を支えているのがさまざまなサポート制度です。山田さんも参加した3日間のトライアル雇用事業は、阿蘇地域で林業への就業を考えている人を対象とした体験プログラムで、年間を通じて随時受け入れているのが大きな特長です。日当はもちろん、旅費も支給してくれます。

チェーンソーで作業する姿もすっかり板についてきた山田さん

 このほか、林業に興味がある人向けの「森林の仕事ガイダンス」や、林業就業の意思を固めた人向けの「林業就業支援講習」、給付金を受けながら林業のプロを目指したい人向けの「くまもと林業大学校」など、段階に応じた支援が用意されています。農業と違って土地(森林)を所有する必要がなく、就業したその日から仕事があり収入を得られることから、まず林業に就業して安定した収入を得てから自分のフィールドを作り、農業と両立していく方法もあるとのこと。何より心強いのが、この地域の林業従事者の横のつながりの強さ。定期的な研修会や懇親会などを通してみんなが知り合いになり、同年代の仲間や友人を作りやすいといいます。

「真面目でやる気のある人と一緒に仕事がしたいですね」と菅さん。山田さんと2人ペアで山に入ることが多いそう

 ちなみに、株式会社虎屋林業は菅さん、山田さん含め3人の社員がいますが、もう1人の男性社員は2カ月間の育休を取得。残業はほとんどないという山田さんも17時までの仕事を終えると、好きな音楽を楽しむなど自分の時間を満喫しているそうです。森をシゴト場に、ワークとライフのバランスを大切にした生き方も実現できる林業という仕事。自然が好きで、体を動かすのが好きな人なら、達成感ややりがいも大きい仕事です。まずはトライアル体験から始めてみてはいかがでしょうか?

世界最大級のカルデラを有する阿蘇は観光地としても人気のエリアです


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