「相乗り」でご近所さんと一緒に出品できる
生産者が一般消費者に直接販売ができるECサイト、食べチョクが新しい機能をリリースしました。ご近所さんと一緒に生産物を出品できる、「ご近所出品」です。
これまで食べチョクはサイトに登録している1つのアカウントに対して、1つの生産法人からの出品でなければなりませんでした。ですが、既に利用している生産者から「インターネットを使っていない高齢の方と一緒に出品したい」「自分では育てていない作物を栽培している方と一緒に出品したい」などの声があり、エリアが同じ複数の生産者の食材を1つの商品として出品できる「ご近所出品」機能のリリースにまで至りました。ネットで販売したいと思っているけれど、なかなか手を出せないと生産者が出品できる機会となります。
また、豊富なレパートリーの食材を組み合わせたセット販売ができるようになりました。単品栽培している生産者が、複数の生産者と合わせて野菜セットを出品するのはもちろん、他ジャンルとの組み合わせが可能になります。卵と鶏肉で親子丼セットや、魚と野菜をあわせたヘルシー和食セットなど選択の幅が広がります。選ぶ楽しみから、購入者も増加する見込みです。
株式会社ビビッドガーデン代表の秋元里奈(あきもと・りな)さんは、この機能のリリースによって一定の地域の中でしか流通していなかった食材が注目されることも期待します。
「”品質は高い”けれど、売る側がネットが苦手という理由だけで”全国に出回っていない”食材はたくさんあると思っています。食べチョクはネット販売をしたことがない生産者さんでも売りやすい仕組みやサポート体制を強化し、素晴らしい食材が正当に評価されるプラットフォームを目指します」
「ご近所出品」機能により、これまで私たちが出会うことのできなかった食材が届けられます。
使用してみた感想は?
「ご近所出品」機能を使っている徳島県でサツマイモを栽培する山川さんと、今回初めてネット販売に挑戦したという、90歳でタマネギ農家の前田さんにお話しを伺いました。
食べチョクを2年間使用している山川さんは「ご近所出品」によって地域全体の活性化を期待しています。
「これまでの販路は、50%が手土産などを扱う地元の直売店での販売、10%がネット販売、残りがスーパーなどでした。新型コロナ感染拡大からその割合が逆になったんです。50%がネット販売、10%が地元の直売店での販売になりました。価格についても、直売店で500円で売っていたものがネットでは1500円で売れることもあります。収穫量が多い時は廃棄しなければならない現状もあり、ネット販売を同じ集落に住む方と共有したいと思っていました。
けれど、普段インターネットを利用していないご高齢の方がネット販売を始めるのはハードルが高いですよね。そんな時に出会ったのが「ご近所出品」です。この機能を使えば、一緒に出品した生産者にも利益がでるうえにフードロス削減にも繋がるので地域全体が活性できると考えています」
山川さんと一緒に出品している前田さんは、
「皆さんの手元に食べチョクを通じて、育てた野菜が届くのはとても嬉しいですね。これからも新しいことに挑戦していきたいです」と話します。
有事の際にも強い販路として多くの人に利用されたネット販売。なかでも、これまで食べチョクはコロナ渦に送料の一部を負担するキャンペーンを実施するなど、生産者に寄り添ったサービスを提供してきました。今回の「ご近所出品」機能も新たな地域のコミュニケーションツールとして生産者同士の交流を盛り上げてくれることでしょう。
食べチョクでは、登録いただいたいる生産者の中でご近所出品への参加希望がある生産者に向け、毎週説明会を実施しています。(2020年8月時点)登録前の生産者への 質問の受付も行っているようですので、興味があればお問い合わせしてみてください。