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農家が教えるビーツの育て方 石灰でしっかり酸度矯正を!

鶴田 祐一郎

ライター:

連載企画:農家が教える栽培方法

農家が教えるビーツの育て方 石灰でしっかり酸度矯正を!

ビーツ(ビート)といえば、冷涼地域で栽培されている砂糖大根(テンサイ)を思い浮かべる人が多いでしょう。ここで紹介する「ビーツ」は根をそのまま食用とする、いわゆるテーブルビートです。まだまだ日本では浸透していない作物ではありますが、生食に向いているビーツの育て方を見てみましょう。根は甘くてジューシーで、とてもおいしい野菜です。

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ビーツを育てようと思ったあなたは、よほどの園芸ファンか、もしくはどうしても食べたいという目的が明確な人でしょう。
まだまだ日本ではマイナーな作物です。有名どころではロシア料理のボルシチに欠かせない食材のようですが、筆者はオーストラリアで食べていた大手ハンバーガーチェーンのご当地メニューであるビーツバーガー(日本でいう「てりやきバーガー」のような、現地でしか食べられない人気のご当地メニューです)の味に忘れられない思い出があります。
あの真っ赤で大きな分厚いビーツのピクルスが挟まれたハンバーガーをどうしても日本で食べたくて、学生時代に畑で育てたのが初めての栽培でした。
日本でももちろん栽培は可能ですので、順を追って見ていきましょう。

ビーツの土づくり

基本的に畑に直接種をまきますが、時期と土作りが栽培の肝になります。
カブのように見えますし、実際「赤カブ」と呼ばれることもあるため、アブラナ科と勘違いしてしまう人もいますが、ホウレンソウなどと同じヒユ科の植物です。
ホウレンソウはしっかり土づくりされた畑でないとなかなか大きく育たないため、ビーツも同様に初めての園芸では失敗することも多い作物です。
ただし、ほとんどの場合は酸性土壌のためにうまく根が肥料を吸収できていないというのが原因です。
プランターで植え付ける場合は、既に酸度調整済みの園芸培土を利用すると間違いありません。長く耕されている畑は、常々石灰を施用されているので問題ないですが、初めてホウレンソウやビーツなどを栽培する時には特にしっかり石灰を施用しましょう。
普段筆者は苦土石灰をおすすめするのですが、初めての畑であれば、消石灰を利用してもよいでしょう。とにかく酸度矯正を必ずしましょう。
植え付け2週間前には、1平方メートルあたり石灰100グラムと堆肥(たいひ)2キロを畑に散布し、よく耕します。1週間前には化成肥料を50グラム混和し、畝をたてておきましょう。

ビーツの種まき

ビーツの種まき時期は、年に2回あると言われます。春まきと秋まきです。
基本的には冷涼な気候を好みますので、最初はだんだん寒くなってくる秋まきから挑戦するのがよいでしょう。春まきは、トウ立ちの危険性も高いですし、収穫時期が梅雨~盛夏期にあたるため、病害虫も多くなってきます。
20センチ程度間隔をあけて筋まきしましょう。種と種の間は1~2センチにして、後から間引きをします。

ビーツの間引き

ビーツの芽が出てくると、他の野菜ではなかなか見ることのできない鮮やかな赤色を発見することができるでしょう。
本葉が2~3枚ほどに成長した頃、間引きを行います。一回で終わらせる場合は、この時点で株と株の間が15センチ以上になるように間引きをします。
保険をかけて2回に分けて間引きしたい場合は、最初は成長の悪い芽や奇形のものだけ外し、本葉5~6枚になった頃にもう一度最終的な間隔に空けて成長するスペースを確保してあげましょう。

ビーツの追肥

追肥は本葉5枚頃に1回、植えてある場所の間にパラパラと1平方メートルあたり一握り程度散布しましょう。その頃には雑草も生えていると思いますので、除草を終わらせてから追肥しましょう。

ビーツの収穫

収穫時期は、根の肥大部分が5センチを超えた頃です。10センチくらいまでは大きくなりますので、食べたいサイズになったものから順次引き抜いて収穫しましょう。大きさと甘さは直接比例はしないのですが、寒くなってくるほど糖度が高くなるので、大きい方が甘くておいしいと感じることが多いです。
種まき時期が遅すぎると、真冬になって成長が止まることで肥大しなくなり、春に暖かくなると再度肥大はしますがすぐに割れてしまいますので注意しましょう。

以上がビーツの栽培になります。他では得られない、真っ赤な甘みを求めて、頑張りましょう!

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