秋田県農業法人インターンシップとは
秋田県農業公社では、農業の将来を担う若手のさらなる就農を促進すべく、「農業法人インターンシップ」を実施し、秋田県の農業に興味がある就農希望者を就農定着に向け、サポートしています。
秋田県農業法人インターンシップの概要
インターンシップ先は秋田県内の受け入れ農業法人から本人の希望する作付け品目、地域などを考慮して選び、農業公社がマッチングを行います。
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■実施期間
最短2日間から最長15日間で希望する時期に実施することができます。
■滞在費の助成
インターンシップ期間中の宿泊費及び宿泊先から農業法人までの交通費は農業公社が負担します。
■応募資格
1、「秋田県の農業法人で働きたい」、「秋田県で農業を始めたい」、「秋田県の農業に興味がある」のいずれかに該当する方
2、農業ができる健康状態の方
3、学生、社会人は問いません(未成年者の場合は保護者の同意を得られる方)
就農前にインターンシップ制度を利用することで、目指す農業のビジョンを明確にすることができます。就農後のミスマッチを防ぐためにも、インターンシップは効果的な制度と言えます。
次では、実際にインターンシップ制度を活用し、雇用就農と独立就農のそれぞれで活躍する2名の新人ファーマーの声をご紹介。彼らが就農までに辿った道を探り、農業県・秋田の魅力をひも解いてみましょう。
インターンシップに参加することで見えた、目指す農業のカタチ
東京都出身の鈴木雄太(すずき・ゆうた)さんが秋田県農業法人インターンシップに参加したのは2019年のこと。会社の有給休暇を利用し、約2週間にわたって4つの農業法人でインターンシップを体験しました。終了後、鈴木さんが希望したのは『ベジリンクあきた男鹿』での雇用就農です。
「少人数で大規模経営を実現している『ベジリンクあきた男鹿』なら、栽培技術だけでなく経営管理まで習得できると考え、就職を希望しました。その決意を支えてくれたのが妻の応援とインターンシップの窓口となった農業公社の方々の熱心な対応です」。
『ベジリンクあきた男鹿』では40haのほ場と1000坪のハウスでメロン、小玉スイカ、キャベツ、タマネギ等の野菜や、水稲、大豆など年間を通して作付けを行っています。代表の三浦利通(みうら・としみち)社長は鈴木さんのような若い世代に託す思いを次のように話します。
「男鹿市内でも高齢化や担い手不足から離農する人が増えています。そういう中で田畑を耕してほしいという動きが大きくなり、当社はそれを請け負うかたちで耕作をしています。個人では限界はありますが、会社経営にすることで雇用が生まれ、担い手育成にもつながります。私たち生産者が長年培ってきた技術や知識と、若い人の感性を融合することで、地域農業の発展につなげていけたらと考えています」。
三浦社長の熱い思いに感銘を受けた鈴木さんは、インターンシップ終了後も勤務先の岩手県盛岡市から時間を見つけては男鹿市に通い、農業のノウハウを学んでいたそうです。
「今、『ベジリンクあきた男鹿』の一員になったことで、初めて人間らしく働いているという実感があります。確かに作業はキツい面もありますが社長を始め、スタッフは惜しみなく技術や知識を教えてくれます。サラリーマン時代よりも自分らしい生き方ができていると自信を持って言えます」。
日に焼けた笑顔で話す鈴木さんの目標は、個人で農業を営む奥様の実家を『ベジリンクあきた男鹿』の支社として法人化すること。夢の実現に向けた鈴木さんの挑戦は、始まったばかりです。
地域の「リンゴの木」を守る。それが農業へと導いてくれた人たちへの恩返し
秋田市東部に位置する河辺地区で『りんごや 一休農園』を経営する島田雄一郎(しまだ・ゆういちろう)さんもまた、秋田の自然に魅せられ、移住した一人です。秋田県上小阿仁村出身の奥様と共に2017年、同市に移住。2019年に念願の農業経営を開始しました。
移住前は東京都でサラリーマン、宮城県で漁師という一風変わった経歴を持つ島田さんですが、父が急死し、秋田出身の母に老後は故郷で過ごしてほしいという思いから秋田での営農を決意します。
「農業の相談会に参加した際、秋田は米以外にもさまざまな作物を栽培していることを知りました。そうした中、以前から興味があった果樹栽培「リンゴ」を自分の手で作りたいと思い、農業公社に就農相談をしました。すぐにでも就農したいと考えていたのですが、まずは研修期間を設け、生産者の実際の声を聞いたり、技術を身につけたりすることを強く勧められたことを今でもはっきり覚えています。そのアドバイスを受け、県や秋田市の協力を得て「地域で学べ!農業技術研修」など実践的な研修を重ねたおかげで就農に必要な技術やお金、活用できる支援制度を知ることができました」。
研修終了後も栽培技術や農業経営に関するアドバイスを継続して受けながら、研修先のリンゴ農家近くのほ場で新植地70a、成園20aでリンゴ栽培に取り組んでいます。
「厳しさも含め、果樹農家の現実を知ることで考える時間をしっかり持つことができました。また、移住者支援制度や中年層の新規就農者を支える県独自の給付金、ほ場整備や新植地の未収穫期間に対する補助など、活用できる支援を農業公社がワンストップ窓口となって各機関に紹介くださったのもありがたかったです。1日も早く一人前の果樹農家となり、お世話になった方々に恩返しがしたいですね」。
研修先の果樹農家からは今でもアドバイスをもらうことも多く、近隣の農家や若手就農者など、研修を通して知り合った方たちとの円滑な関係を継続していけるのも研修・体験制度の魅力の一つです。
このように、新たな担い手を地域一丸となってサポートする河辺地区ですが、リンゴ農家の中には、高齢や継承者がいないことから廃園を余儀なくされ、まだ元気な木を切ることもあるとのこと。
「木を切るのは本当につらい」と話す島田さんは、地域のリンゴの木を守り、次世代につなげていきたいと今後の抱負を語ってくださいました。
秋田の農業のことは「秋田県農業公社」に相談を!
2人の新たな人生をサポートした秋田県農業公社は、就農希望者が目指す農業をヒアリングし、インターンシップの受け入れ先や、就農後の経営計画や各種相談までを、県、市町村、JA等の「移住定住支援チーム」と連携してサポートしています。そんな公社を「プロデューサー」と表現した島田さん。その言葉を裏付けるように、就農後もさまざまなアプローチで支援しています。
現在、同公社では面談、電話、メール、手紙での相談のほか、WEBでのオンライン相談を実施。秋田で農業を始めたい方はぜひ、あなたの夢を後押しするプロデューサー、秋田県農業公社にお気軽に相談を!
お問い合わせ先
公益社団法人 秋田県農業公社 農業振興部
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Fax:018-895-7210