『岩瀬きゅうり担い手育成事業』は産地維持だけじゃない! きゅうりで“稼ぐ”メソッドを学び、真の農業人へと育成する取り組みとは

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『岩瀬きゅうり担い手育成事業』は産地維持だけじゃない! きゅうりで“稼ぐ”メソッドを学び、真の農業人へと育成する取り組みとは

『岩瀬きゅうり担い手育成事業』は産地維持だけじゃない! きゅうりで“稼ぐ”メソッドを学び、真の農業人へと育成する取り組みとは
最終更新日:2020年09月28日

安定経営を実現する生産者の声を聞くと、そこには綿密な経営計画と、確かな農業技術があります。そんなベテラン生産者のもとで技術を学び、農業のノウハウを学べるのが福島県須賀川市の『岩瀬きゅうり担い手育成事業』。産地維持を主な目的とするこの事業は、農業で成功するためのメソッドを「賃金」を受けながら学ぶことができる、画期的な制度です。

夏秋キュウリの最高峰『岩瀬きゅうり』を絶やさぬために

福島県の中央に位置する須賀川市。東部に福島空港、中央部には東北自動車道があり、県内でも交通条件に恵まれた地域として知られています。また、阿武隈山系と奥羽山脈に囲まれた中央部は平坦な地形で、阿武隈川と釈迦堂川を有する緑豊かな土地ではきゅうりのほか、トマト、ナスなどの作物が栽培され、全国でも有数の夏秋野菜の産地となっています。

須賀川市伝統のお祭り『松明あかし』

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管内には、風情溢れる名所がずらり

中でも1966年に産地指定された『岩瀬きゅうり』は、比較的高温で梅雨時期を挟んだ7~8月の夏の天候と、北西からの冷たい風による影響が比較的少ない秋の天候により、パリっとみずみずしい美味しさを生み出しています。毎年7月にはキュウリのお祭り「きうり天王祭」が開催され、須賀川市はまさに“きゅうりの街”として発展してきました。

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きうり天王祭の一幕

そんな『岩瀬きゅうり』ですが、近年は農家数、農業就業人口ともに減少を続け、後継者不足も深刻化しています。この危機的状況を打破するべく、須賀川市では、2019年に『岩瀬きゅうり担い手育成事業』を創設しました。

賃金を受け取りながら研修を積み、独立就農をサポート! 『岩瀬きゅうり担い手育成事業』とは

「妻の実家で作る野菜の美味しさに感動し、自分もこんな野菜を作りたい、そう思ったことが育成事業に応募したきっかけです」。
こう話すのは『岩瀬きゅうり担い手育成事業』の研修生第1号の吉田 祐大さん。公益財団法人須賀川市農業公社の臨時職員として2020年5月より雇用され、賃金を受け取りながら『岩瀬きゅうり』の栽培技術を学んでいます。

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研修へ応募した経緯を語る吉田さん

「農業研修中は賃金が発生しないのが一般的です。『岩瀬きゅうり担い手育成事業』は働きながら栽培技術や経営について学ぶことができるので、生活の不安を感じることなく研修を積むことができます」。

吉田さんは約1ヶ月間、農業公社で農業の基礎を学び、6月からは『岩瀬きゅうり』の生産者である認定農業者の斎藤 敏夫さんのもとで実践的な実習を行っています。吉田さんが「師匠」と慕う斎藤さんは2020年7月まで農地利用最適化推進委員として地元である滑川地区及び須賀川市の農業振興に尽力。研修生を受け入れるにあたり、ベテラン生産者はどのような指導を行なっているのでしょう。

「農業未経験の研修生を教える難しさはありますが、だからこそ教えがいがあると感じています。教えたことを吸収してくれる素直さを前にすると、自分もまだまだ負けていられないという気持ちにもなります。栽培技術はもちろんですが、自然と共に生きる農業の素晴らしさ、そして安定経営のためのノウハウを伝えることができたらと考え、指導にあたっています」。

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吉田さんの成長ぶりに目を細める斎藤さん

そう話す斎藤さんが作物を栽培する上で常に心がけているのは「いち早く作物の状態に気付いてあげること」。灌水・土壌灌注のタイミングなど、作物が何を必要としているかを見極めることが大切だと言葉を続けます。
「露地栽培である『岩瀬きゅうり』は気候条件に大きく左右されます。長雨や台風に対応する技術を身につけるためには経験が必要ですが、どんな状況であっても最後の1本まで収穫する。そんな生産者としての意地や誇りも伝えることができたら嬉しいですね。また、価格が高値の時期に合わせて出荷する栽培計画も農業経営の安定化に必要な要素。経営感覚を身につけ、励んでいってほしいと願っています」。

『岩瀬きゅうり』の一般的な栽培方法は、従来から露地栽培が採用されてきました。気象条件に大きく影響されるものの、ハウスなどの設備投資が少ないため、資金面から見ても新規就農者に向いている作物と言えます。

取材に訪れた9月上旬、『岩瀬きゅうり』はまもなく収穫時期を終えようとしていました。苗の手入れから始まった吉田さんの実習は定植、肥培管理、収穫、出荷と一連の経験を積んだのち、福島県など関係機関が実施する研修に参加。2021年春の独立就農を目指しています。

地域の「宝」を次世代へ。

農業公社の臨時職員として賃金を受け取りながら、目指す農業の道へと進むことができる『岩瀬きゅうり担い手育成事業』。この粋な計らいにあるのは生産者と行政が一丸となって産地維持と農業振興に取り組む姿勢です。それに応えるかのように日々、汗を流す吉田さんは、「就農後は地域の担い手として美味しい『岩瀬きゅうり』を作り、地域、そして斎藤さんに恩返しがしたいと思っています」と、意気込みを語ります。

「就農後も困ったことがあったらいつでも訪ねてくればいい」と優しく声をかける斎藤さんの言葉が表すように、須賀川市は次世代の担い手を全力でサポート。『岩瀬きゅうり担い手育成事業』は研修終了後、本市に居住し、きゅうり農家として就農する意欲のある人を対象としています。

詳しくはこちら

ぜひ、この事業を活用し、『岩瀬きゅうり』の担い手として羽ばたいてみませんか?

【問い合わせ】
須賀川市役所 経済環境部
農政課 農業政策係
〒962-8601 福島県須賀川市八幡町135
TEL:0248-88-9138 FAX:0248-72-9845
https://www.city.sukagawa.fukushima.jp/

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