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余計なものは一切使わない。あるがままの自然を尊重する農業経営の姿とは

余計なものは一切使わない。あるがままの自然を尊重する農業経営の姿とは

大阪湾・播磨灘・紀伊水道に囲まれた淡路島は、瀬戸内海最大の面積を誇る離島です。今回ご紹介する『タナットネイチャーLab』はそんな淡路島の北淡山地に約3haの圃場を構え、無農薬・無肥料の自然栽培でさまざまな野菜を育てています。取材に伺った盛夏の頃は玉ねぎのほか、なすやピーマン、キュウリなど夏野菜の収穫の真っ最中でした。代表の山岸暢(みつる)さんは起業家として成功を収めながら、突如として農業の世界に飛び込んだ異端児。山岸さんの農業スタイルから、自然を尊重しながら営農する意義や魅力が見えてきました。

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行きすぎた資本主義への違和感から農業へ

『タナットネイチャーLab』について語るうえで外せないのが、代表である山岸さんの人生訓です。農業とは無縁の世界にいた山岸さんが、なぜ農業に携わるようになったのか。まずはここからお話ししたいと思います。

京都で生まれ育った山岸さんが、「金持ちになる」という強い思いで東京での起業を決断したのは29歳の時。見知らぬ街で一生懸命働きながら取引先を増やし、売上を伸ばし、会社の規模を拡大していた山岸さんですが、他社との競い合いに明け暮れ、ひたすらに事業拡大を目指す経営の在り方に、次第に違和感を持つようになりました。

『タナットネイチャーLab』の圃場

そこで新規事業として考えたのが農業でした。「農業の経験は一切なかったのですが、小さな時から自然が大好きであったことに加え、採種した種から栽培し、販売まで、一貫して行う農業の工程が『分離、分断』されていないこと。そしてなにより人間の命の根源である食べ物を作る仕事であることから、農業にたどり着きました」と山岸さんは振り返ります。

企業経営という工業社会の最前線に身を置くなかで、環境に配慮せず、経済成長ばかりを重視する社会のあり方に疑問を感じていた山岸さん。新規事業として選んだ農業にも、私益を優先する経済価値観が深く根付いていることに気づきます。

山岸暢さん

「慣行農業を行う生産者の中には、自分たちが食べる分の野菜に農薬や化学肥料を使わない方もいます。農薬は良くないと思っているなら、出荷する野菜にも使わないのが道理ですが、虫が減り、雑草が生えなくなり、収穫量が増えるから使うんです。こうした私益を優先する農業の在り方に反感を覚え、みんなが幸せになれる農業をやろうと決めたのです」と山岸さんは語ります。

無農薬・無肥料の自然栽培は将来世代の利益も守る

『タナットネイチャーLab』が実践するのは、無農薬・無肥料の自然栽培。有機栽培と異なり、天然の有機物を用いた肥料も一切使いません。余計なものを足せば、土壌の栄養バランスが崩れ作物に悪影響を及ぼすことがあるからです。

取材時にちょうど収穫シーズンを迎えていた野菜たち

土も下手に耕し過ぎることはありません。「土中に残った有機物は、土壌中にいる微生物によって分解され、土の団粒化が進みます。もちろん時間はかかりますが、作物が育ちやすい理想の土壌環境は、人の手を加えなくても自然の生き物たちによって作り出すことができます」と山岸さん。

これから開墾する予定の圃場

あるがままの自然を尊重する姿勢には、将来世代の公共の幸福を追求する目的もあります。

「土壌は生命の土台になるものをつくる場所であり、次の世代へと受け継ぐもの。つまり、未来からの預かり物です。だからこそ、それを汚すようなことはしたくない。今を生きる私たちがすべきことは、7世代先の200年後の社会を見据え、将来世代の豊かさを守ることだと思っています」と、山岸さんは話します

続々と始まる新たな取り組み。インターンシップも受け入れ中

『タナットネイチャーLab』では年間数十種類の作物を栽培し、収穫した野菜をオンラインショップで販売しています。「販路を広げるために、ドライオニオンやドライトマトなどの加工にも挑戦しています。生のタマネギをカットしてそのまま乾燥させただけですが、すごくおいしいんですよ」と山岸さん。取材中に試作品を試食させてもらうと、その甘さに驚きました。

自家製ドライタマネギ

更には野菜を薬局で販売するという、ユニークな取り組みも構想中とのこと。海外には薬ではなくオーガニックの野菜を処方する「Pharmacy(薬局)」ならぬ「Farmacy」があるそうで、日本でもこうした販売チャネルを開拓すべく、着々と準備を進めているといいます。

2020年9月からは、より多くの人に自然栽培の魅力を知ってもらうためにインターンシップを提供中。4泊5日のプログラムでは圃場の開墾や日々の作業、収穫などを通じて山岸さんが一から築いた無農薬・無肥料の自然栽培を体験できることに加え、農業を通じて自身の生き方を見直す場も設けられています。農業技術の習得だけでなく、何のために農業をするのかを考えられるインターンシップは、きっと新たな気づきをもたらしてくれるでしょう。

播種ももちろん自分たちで行う

「自然栽培は決して楽ではありませんが、しんどい仕事をいかに楽しくやるかが私の流儀。インターン生にも一緒に楽しんでもらいたいと思っています。何かやってみたいことがあれば、どんどん共有してほしいし、できるだけ叶えたいと思っています」と山岸さん。

教科書では決して学べない農業を体験できる『タナットネイチャーLab』のインターンシップ。自然栽培や環境問題に関心がある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

インターンシップの詳細・応募はこちらから!

株式会社タナットネイチャーLab
(本社)〒105-0011 東京都港区芝公園1-1-11 興和芝公園ビル3階
(農場)〒656-1732 兵庫県淡路市小田1784-1
HP:https://tanut-nl.co.jp/
TEL:03-5404-1166
MAIL:info@tanut.co.jp

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