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「気軽に始めて、合わなかったらやめる」。異業種参入企業が提案する、農業振興の新しい戦略とは

「気軽に始めて、合わなかったらやめる」。異業種参入企業が提案する、農業振興の新しい戦略とは

提供:グリーンリバーホールディングス株式会社

グリーンリバーホールディングス(福岡県福岡市)は2015年、建設業から農業に本格参入しました。縦型の水耕栽培装置『BI GROW(バイグロウ)』を開発し、バジルのハウス栽培で通常の30倍超という高い収量を達成しています。バイグロウと、ハウスの統合制御システムの製造・販売を事業の中核に据えてきました。2021年から、埼玉県深谷市で植物工場のレンタル事業を始めます。副業として気軽に農業を始められるこのサービスは、一定の利用期間に対して料金を支払うサブスクリプションサービス(サブスク)の農業版。代表取締役の長瀬勝義さん(45)はサービスを通じて「農業にチャレンジする人を応援したい」といいます。

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新規参入の苦労がサービス開発に生きる

縦型の水耕栽培装置『BI GROW(バイグロウ)』を始め、ハウスの統合制御システムの製造・販売を中心に事業を展開するグリーンリバーホールディングス。より多くの人が気軽に農業参入できるよう、2021年からは移動式植物工場のレンタル事業を開始する予定です。

農業に関心がある。ただ、初期投資が大きすぎて二の足を踏んでしまう。同社 代表取締役の長瀬勝義さん(45)は、これまでそんな数多くの声を聞いてきました。

「今、農業をやろうとなると、いきなり本格的な農業が目の前に現れて、借金を背負って始めることになります。やってみて、農業はやっぱり良かったという人もいれば、合わなかったという人もいます。気軽にチャレンジできて、合わなかったらやめるという選択肢もあるべきだと思うんです」(長瀬さん)

グリーンリバーホールディングス 代表取締役の長瀬勝義さん

植物工場をレンタルする――。これは、異業種からの農業参入組であり、今は新規参入希望者に農業資材を販売する立場にあるグリーンリバーホールディングスだからこそ、生み出せた発想です。

「地域を豊かにしたい」
長瀬さんはこう考えて03年に建設会社を創業し、再生可能エネルギー関連の施工を全国各地で請け負ってきました。20代のころから農業の事業化を模索しており、太陽光パネルの設置工事を数多く手がけ、事業が安定してきたタイミングで農業参入を決めます。地域課題の解決に、よりダイレクトに関われる事業をしたいと考えたのです。14年に同社を設立し、翌15年、本格的に農業参入しました。

最初に手掛けたのはミニトマト。農業の展示会などを見て回り、情報収集する中で、需要があると考えました。福岡県久留米市のハウスで養液栽培をし、農研機構の研究成果を基にカツオ節の粉末を与えることで、アミノ酸の含有量を高めることに成功します。うま味の強いミニトマトとして注目され、百貨店に並びました。ところが。

当時販売していたトマト

「通常の2倍くらいの価格で売っていたんですけど、『あ、こんなに儲からないんだ』と思いました。設備投資が大きく、高単価で売っても採算が取れなかったんです。『どうしたらハウスの中の空間をうまく使って収量を増やせるようになるだろう』と、考えるようになりました」

縦型の栽培装置と統合制御システムを全国へ

長瀬さんは、さまざまな水耕栽培の設備を見る中で、通常の地面と水平になっている装置とは異なる、縦型の栽培を思いつきます。
「ハウス内の空間を温めたり冷やしたりするのに、かなりのエネルギーを使います。体積で見たときのハウスの利用率を高めなければと、『BI GROW(バイグロウ)』を開発しました」

『バイグロウ』は1.5メートルの長さで、苗を培地となるフェルトに挟み込みます。両側に定植でき、場所をとらず、単位面積当たりの収穫量は一般的な露地栽培の30倍を超えます。

縦型耕栽培装置『BI GROW(バイグロウ)』

まず栽培の対象に選んだのはバジルでした。有名な大産地がないこと、季節によって供給量の変動が大きく、安定した周年供給のニーズがあること、加えて、栄養繁殖するので挿し木(茎などを挿して増やす手法)で増やせ、作付けの度に種や苗を購入する必要がないことが決め手になりました。

生産するバジルは、価格競争力が高く、安定した供給ができるため、外食チェーンや中食のベンダー、加工業者などから引き合いがあります。『バイグロウ』を使うハウス内のデータをセンサーで取得し、養液やドライミスト、換気扇などを自動で制御する独自の統合環境制御システムも開発。『バイグロウ』とシステムをパッケージにした『SMART AGRI FACTORY(以下、SAF)』を、農業への新規参入者に販売しています。

『バイグロウ』を使ったバジル栽培の様子

『SAF』でハウス内の環境や養液の設定を同社が行い、現場の管理者は養液の補充や定植、収穫を担うという分業制をとります。単位面積当たりの収量が高いので、加工・業務といった価格帯の安い用途向けの生産が可能です。福岡県久留米市の自社農場でスタートした栽培は、北海道から沖縄まで全国に広がりました。

加工・業務向けの葉物野菜は、国産は海外産に比べ割高で、安定供給に課題を抱えるため、海外産の比率が高くなっています。長瀬さんは、『バイグロウ』を使った栽培対象をバジルから他の葉物野菜に広げようとしており、今までさまざまな野菜を小規模にて試験栽培しており、50種類以上の葉物野菜やハーブ、花きの生産および販売を行ってきました。

植物工場のレンタルでアグリワーケーションを提案

品目の拡大に加え、もっと気軽に農業への新規参入ができるようにしたいと、冒頭で紹介した深谷市での植物工場のレンタルを始めます。16年に開発した『VEGGIE(ベジー)』というトレーラーに積んで移動できる移動型植物工場に、机や椅子を設置したワーキングスペースを併設。植物工場の脇には土耕栽培のエリアも設け、土耕と水耕を同時に試すことができます。

移動型植物工場『VEGGIE(ベジー)』

コロナにより働き方の多様化が加速した現在、休暇(バケーション)を楽しみながら仕事(ワーク)をするという意味の「ワーケーション」が注目されています。これに農業「アグリ」を足した「アグリワーケーション」という言葉を、同社は打ち出しました。

「農業を副業にできるかもしれない体験をしながら、既存の仕事もできる場所を作って、新しい働き方を提案します。コロナ禍でリモートワークが進む中、空いた時間で農業をやってみたい若い人が、挑戦できる場にしたいですね」

長瀬さん自身、農業参入の初期に数千万円の投資をしてトマトを作ったものの、投資が回収できるほど儲からなかったという失敗を経験しています。挑戦を続け今に至りますが、同様に新規参入し、撤退した例も多く見聞きしてきました。
「参入して、失敗で心が折れた人は、もう二度と農業に進もうとは思わないですよ。そういう人を作っても仕方がありません」



植物工場をレンタルすることで、初期投資を抑えます。本格的な参入のためのステップアップに使うことができ、農業が合わないと分かれば、やめることもできます。
「農業人口はかつてなく減っています。専業農家を作るか、新たな兼業農家を作るかという選択肢があって、後者の方に可能性があるんじゃないと思うんです。リモートワークの頻度が上がる環境下で、新たな兼業農家が誕生するんじゃないかと」

「農業は甘くない」。長瀬さんは専業農家からよく発されるこの言葉を重く受け止めつつ、農業を副業として、楽しむ人が多くいてもいいのではと考えます。副業だと四六時中、作物を相手にできない分、同社がIoTやシステムでバックアップします。また、『SAF』は管理が容易なため、農福連携にも適しているといいます。

新しい兼業農家の呼び込みと、農福連携で農業に携わる人口を増やし、農業生産を下支えする――。長瀬さん率いるグリーンリバーホールディングスは、そんな未来図を描いているのです。

ラジオ出演のお知らせ

文化放送『アグリのじかん』(毎週日曜日 午前6時45分~7時00分)に長瀬さんが出演し、同社の取り組みを紹介しました。
9月27日の放送はこちらから!
10月4日の放送はこちらから!

お問い合わせ

グリーンリバーホールディングス株式会社
〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前1-4-4 JPR 博多8階
TEL:092-409-1393
お問い合わせはこちらから

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