販路開拓を独自の物流網で支援。安定収入に貢献する株式会社ルートの取り組み

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販路開拓を独自の物流網で支援。安定収入に貢献する株式会社ルートの取り組み

販路開拓を独自の物流網で支援。安定収入に貢献する株式会社ルートの取り組み
最終更新日:2020年09月30日

生産者が手塩にかけて質の高い農産物を生産しても、販路を確保できず、物流網が整っていなければ、農作物が消費者のもとに届くことはありません。農協に持ち込めば引き取ってはくれますが、こだわりの栽培法で生産したものも、他の一般的な農産物と十把一絡げになってしまうことが多く、収入の安定化がまた遠のいてしまいます。そんな課題を抱える生産者を支援するべく、千葉県八街市を拠点に農産物の卸売業を営む株式会社ルートは、過去に輸入農産物の取り扱いを通じて培った人脈やノウハウを生かした青果物の物流改革に取り組んでいます。

輸入農産物の卸売で得たノウハウを日本の生産者に還元したい

千葉県北東部に位置する八街市に拠点を置く株式会社ルート代表取締役の金井峻亮さんは、輸入農産物の卸売業で得た取引先やノウハウを生かして、物流面から国内の生産者を支援しています。金井さんは、元々農業とはかかわりがあったわけではなく、八街には縁も所縁もなかったといいます。そんな金井さんはどのような経緯で農業生産者を支援することになったのでしょうか。金井さんがこう説明してくれました。

株式会社ルート

社名は八街でも良く採れる根菜(root)のほか、農産物を運ぶ道(route)にも由来します

「大学卒業後の進路は金融業界を志望していて、幸い大手証券会社に入社することができました。金融の知識は社会人として、必ず強みになると考えていました。最初に配属された新宿支店では営業回りの毎日だったのですが、営業先の経営者から『輸入農産物の卸売りを手伝わないか』と持ち掛けられたのが農業に関わるきっかけでした」

それまで特別農業に関心があったわけではありませんでしたが、いつかは自分の会社を興したいという思いがあったことから、その誘いに応じて3年7カ月務めた証券会社を2011年に退職。農産物の卸売業に転じることになりました。

その際、拠点を置くことになったのが八街市だったのですが、主たる業務は輸入農産物の卸売りでした。日々、海外から運ばれてくる野菜を仕分け、一次加工してスーパーマーケット、外食産業などの取引先に納品しており、当初、国産の農産物はあまり取り扱っておりませんでした。

ある時、街を歩いていた金井さんは落花生を扱う店が多いことに気が付きます。「ここが産地のど真ん中だということを認識した瞬間でした」と、金井さんは振り返ります。

株式会社ルート

農産物の物流について熱く語る株式会社ルート代表取締役の金井峻亮さん

「八街市は日本一の落花生の産地であるとともに、基幹産業として近郊農業が非常に盛んな地域です。特にスイカに関しては、名産地として知られる隣町の富里市に並ぶ生産高なんです。これほど農業が盛んな街にいるのですから、輸入農産物だけでなく、八街産、千葉県産はもちろんのこと、日本全国で生産された質の高い農産物を取り扱いたいと考えるようになりました」

物流網・自社設備をフル活用。鮮度保持にも一工夫

国産農作物への思いが高まってきたところに、諸事情で会社が解散することになり、金井さんは新たに株式会社ルートを設立。輸入農産物の卸売業を引き継ぎつつ、それまでの業務で関係を築いた取引先、培ってきたノウハウを生かして、国内の生産者の支援に取り組むことにしました。

「生産者に悩みを聞いたところ、多くの方が安定した収益の確保に課題を感じていました。価格相場が崩れているタイミングでは、出荷してもタダ同然の価格になることもあり、収益を安定させることが難しいのです」と、金井さんは語ります。

株式会社ルート

日々現場に足を運び、生産者との意見交換を行っています

そこで同社では生産者から野菜を仕入れ、皮むきや芯取り等の一次加工からパッケージングまで行い、業者に卸しています。
「加工野菜や業務用野菜は青果と異なり、安定的に需要があるため、野菜の取引価格が市場に左右されることがありません。そのため生産者にとっては、収穫した農作物を無駄にすることなく、安定した収益を確保することができます」と金井さんは話します。

生産者にとってもう一つ課題なのが、収穫した農産物の鮮度保持の難しさです。自分の野菜を新鮮なまま店頭に並べるには、自前の物流網を整備することが一番ですが、多忙な生産者にとって日々の栽培管理の傍らで販路を開拓していくことは非現実的です。その点、株式会社ルートに任せれば、生産に専念しながら速やかに小売店に納入できます。

さらに同社には農産物を約200トン保管できる大型冷蔵庫があり、農産物それぞれに適した温度帯で十分に予冷した後、冷蔵トラックで運ぶため、一般的な物流よりも鮮度を保持できるといいます。

「核家族化が進んだことで、キャベツのような野菜は丸ごと買ってもらいにくくなっています。そのため2分の1にカットして売られるのですが、一般的なラップ包装では鮮度保持が難しいんです。そこで私たちは真空包装を取り入れ、カット野菜でも鮮度を保てるようにしています」と、金井さんが続けます。

株式会社ルート

株式会社ルート

カットされたキャベツでも真空包装することで鮮度を保てるようになります

真空包装により空気を抜くことで、酸化による劣化を抑えられます。その結果、高値で取引されるようになれば、生産者の収入の安定にもつながるはずです。こうしたパッケージングの工夫でも鮮度を保ったまま消費者に届けられることも、同社の強みと言えるでしょう。

パッケージにもこだわり、付加価値の向上を目指す

パッケージの工夫で得られるメリットは鮮度保持だけではありません。こだわりの栽培法で生産された農産物に関しては、質の高さを消費者に訴求できるデザインにすることで、高値で取引されるようになるといいます。その一例を金井さんが紹介してくれました。

「落花生は乾燥させたものが広く流通していますが、日本一の産地である八街では、秋の収穫期だけ生の落花生が出回ります。乾燥させたものとは違って、塩茹でするとホクホクした食感で食べ応えがあります。リピーターも多く、近頃は首都圏の主要市場に出荷されるようになっています。他県産のものも流通していますが、他県産の卸値と比べ、私たちが扱っている八街産は2~3割高く値が付きます。味や品質に定評がある八街ブランドだからこその高値ですが、同時にパッケージの良さも関わっていると思います」

株式会社ルート

八街産というだけでなく、パッケージデザインも他県産よりも高値で取引される一因になっています

ここに紹介する落花生のパッケージは、シンプルながら必要な情報を伝えるデザインが受けて、店頭での売れ行きも好調です。情報発信の機能も兼ね備えたパッケージの好例ということができます。今後、株式会社ルートでは生産者とも話し合い農産物のパッケージ制作に力を入れて、より付加価値を高めて取引をされるように仕掛けていくといいます。

さらに農産物に関する情報発信に関しては、関連会社にウェブ制作、Eコマース事業に取り組む株式会社J&Iがあり、インターネットを通じて情報発信していけます。また、こだわりの農産物を取り扱う株式会社Earth to Tableも関連会社になっており、例えば、無農薬、減農薬で生産された農産物を、食の安全・安心を求める消費者が利用する小売店へ納入することも可能です。金井さんがこう付け加えます。

「首都圏で人気の飲食店とも取引があるので、質の高い農産物を訴求してメニューに加えてもらえれば、飲食店を通じて消費者に知ってもらうこともできるでしょう。一般的な農作物からこだわりの農作物まで、多様な取引先に販売していくことができますから、生産者の皆さんには満足していただけると思います。是非、気軽にご連絡ください」

新たな販路を開拓しようとしていたり、これまでの物流を改善したいと考えていたりする方は、一度、株式会社ルートの金井さんに連絡をとってみてはいかがでしょうか。

株式会社ルート

1℃に保たれた冷蔵庫で、笑顔で写真撮影に応じてくれた金井さん(前列右)と株式会社ルートの皆さん

問い合わせ

株式会社ルート
〒289-1115 千葉県八街市八街ほ208
TEL:043-308-9501
FAX:043-308-9502
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