戸田建設が地方創生を手掛ける理由~地方分散型社会の実現を目指して

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戸田建設が地方創生を手掛ける理由~地方分散型社会の実現を目指して

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戸田建設が地方創生を手掛ける理由~地方分散型社会の実現を目指して
最終更新日:2020年10月20日

戸田建設株式会社は、総合建設会社として長年育んできた土地集約や建築物活用、地域の自治体・ステークホルダーなどとの連携協力といったノウハウを生かし、地域課題解決に向けたソリューションを提供することで、地方創生をサポートしています。
建設会社がなぜ、事業として地方創生を手掛けるのか。
同社が各地で進める取り組みを概観しながら、その理由に迫ってみました。

戸田建設が地方創生ソリューションに取り組む理由

地域の持続的な発展のために、長いスパンで広がりのある貢献を

戸田建設株式会社 戦略事業推進室 投資開発事業部 地域価値創生部 部長 飯田 勝さん

戸田建設は、事業活動を通じて社会の課題解決に貢献し、持続的成長を続けていくためにESG経営の実践に努めています。重点的な取り組みとして、環境への配慮や地域社会貢献などが包括されています。
「例えば土地活用を考えた時、土地を集約・区画整理して産業団地を造成し、企業に売却したら完了、という従来のスキームでは、その土地に関わる一部の関係者には有益かもしれませんが、地域全体への広がりや将来にわたる発展にはつながりにくい。『点を打つように、ある一時期、特定の事業を実施して終了するのでなく、線や面を描くように、広く長い視点で事業を進めていくことが、真の地域貢献ではないのか』と考えると同時に、地域が長年にわたって発展していく取り組みこそ、私たちが目指す社会貢献であるとの思いから、地方創生事業への注力を始めました」(戦略事業推進室 投資開発事業部 地域価値創生部長 飯田勝さん)
 
また、従来の建設会社は、農地を工業団地に転用する取り組みを多く手掛けてきました。しかし、このような取り組みが日本の基盤を支える農業を衰退させることになっては意味がありません。農業を持続的に発展させながら、地元の産業も育て、地域全体が将来にわたって経済的に潤う仕組みづくりを目指すことこそが戸田建設の考える地方創生事業です。

独自の強みは、地域を思う使命感と、地方創生の実践的ノウハウ

近年、多種多様な業態が地方創生ソリューションを手掛けています。他社との競合も激しくなる中で、地方創生事業における同社の強みはどんな点にあるのでしょうか。
「一方的にコンサルティングを行うのではなく、身をもって自ら事業に取り組み、体感しながらノウハウを集積していく点が、当社の強みです。また、まちづくりと連携しながらの農地開発を重視してきましたので、自治体、JA、地域企業、地権者など、地域のステークホルダーから信頼を勝ち得る経験は豊富です。更に、事業資金を先行投資する点も、自治体の経済的な負担を考慮しながら事業遂行する私たちの大きな強みと考えています」(飯田さん)
 
何よりも地域のために貢献したいという使命感と、地域のメリットを最大化する実践的ノウハウの両面を兼ね備える同社のスタンスこそ、最大の強みと言えるのではないでしょうか。

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「アグリサイエンスバレー構想」を築き上げた核心とは

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「常総市アグリサイエンスバレー事業完成予想図」
常総IC周辺の約44haの広大な農地において、6 次産業化を軸に開発される「アグリサイエンスバレー」は、企業立地、道の駅、観光農園、大規模施設園芸など、複数のエリアで構成されます。戸田建設は、市、地権者と3者で結ぶPPP事業協力者として参画。更に土地区画整理事業の業務代行者として造成工事を担います。造成工事は2018年に始まり、2022年3月の工事完了を目指しています

農地を生かしつつ、生産性と地域発展性を向上させる地域構想

「アグリサイエンスバレー構想」は、圏央道常総インターチェンジ(以下IC)周辺約44haの土地を集約し、「農地エリア」と企業を誘致する「都市エリア」を整備することで、6次産業化を軸にしたまちづくりを目指すプロジェクトです。

常総市ではIC建設計画が持ち上がった平成初期から、工業用地に転換するのではなく、周辺の優良な農地を生かした地域開発事業を検討していました。プロポーザル方式での公募を実施し採択されたのは、戸田建設が提案した、農地を生かしながら農業収益を向上させる土地利用です。

同社は、現場をつぶさに調査した上で、この優良な農地を生かすことを前提にした提案を行いました。14haを生産性の高い施設園芸農地として、残る30haには、6次産業化を主とする企業を誘致し、産業団地や道の駅、商業施設といった加工・流通・販売を担うエリアとして整備する計画です。

PPP事業として実施し、官民連携のノウハウを蓄積

同事業は、常総市、地権者、戸田建設の3者が官民連携協定を締結するPPP方式の事業として実施されました。
「農地を集約し、産業団地を造り上げ、流通・販売網も構築するこの事業は、一つの町を作るのに等しい。一企業だけで推進できる規模ではありません。そのため当初から、官民連携協定締結の方向を考えていました。特に、国や県、農業委員会との、農地の集約における交渉では、自治体の協力なくしては乗り越えられなかったと思います。常総市の力は大きかったですね」(飯田さん)

更に、地権者や生産者との連携を円滑に進め、信頼を深める場として、推進協議会を設立。今回のプロジェクトを通して、自治体、地権者をはじめとする地域のさまざまなステークホルダーと連携するノウハウを蓄積してきました。
「アグリサイエンスバレー構想でも具体化してきたように、地元の農家、地域の企業が積極的に活躍できる素地を作ることが私たちの役割。そのために、地域に合わせた投資計画やスキーム構築などを中心にしたソリューションを通して、各地の地方創生に貢献していきたいと考えています」(飯田さん)

日本の農業の現状、地域が直面している課題を熟知する同社の地方創生は、全国の自治体の共感を呼ぶソリューションとなりうるのではないでしょうか。

官民連携による地域開発事業を実施した常総市の狙い

常総IC 周辺の地域開発事業を官民連携によって実施した狙い、そして、戸田建設を地方創生のパートナーとして選定した理由について、常総市のアグリサイエンスバレー推進チーム マネージャー 川沼一巳さんにうかがいました。

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常総市 アグリサイエンスバレー推進チーム マネージャー 川沼一巳さん

「常総市では、ICの周辺開発について物流拠点としての検討を重ねてきましたが、この全域はきわめて優良な農地でもあることから、市の基幹産業である農業振興に役立つ開発を求めて、プロポーザルを実施しました。

都市開発の発想を変えて、農業振興に役立つ開発を行い、農業の6次産業化や企業誘致による税収増などによって、地域活性化を図る狙いがありました。
プロポーザルを実施して民間企業との連携を図った理由は、事業を進めるにあたり市単独では土地区画整理に関するノウハウが不足している上、事業費の捻出にも課題を抱えていたからです。応募いただいた企業の中でも、戸田建設は区画整理後の企業誘致も含めてノウハウや経験が豊富であることから選定しました。

提案内容にPPP 事業の活用も含まれており、官民連携で進めていける点も評価しました。本事業はPPPを選択しましたが、民間企業との協働がなければ、とても成し得なかったと考えています。

また、常総市プロジェクトの専門部署を戸田建設社内に立ち上げ、ゼネコンとしての得意分野だけでなく、ICTを活用した施設園芸や、民間集客施設の誘致など、戸田建設として初めて手掛ける事業にも挑戦していただいています。

自治体が多様な施策に取り組むにあたり、民間のノウハウと資金を活用できる協働の手法は今後のスタンダードになっていくと考えています」

農業6次産業化に取り組む『TODA農房』
(茨城県 常総市)

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6次産業化を見据えた農業ノウハウ獲得と、地元理解に向け実証ハウスを開設

戸田建設は2017年3月、茨城県常総市で進められている「常総市圏央道常総IC周辺地域整備事業」(アグリサイエンスバレー構想)の事業地近隣に、施設園芸実証ハウス『TODA農房』を開設し、稼働を開始しました。
 
「アグリサイエンスバレー構想」の事業協力者でもある同社は、この事業で目指す6次産業化を軸とした地域社会づくりに向け、農業ノウハウの獲得や課題把握、施設園芸の優位性の検証などを目的として、実証ハウスを設立しました。同時に、稲作中心の農業に慣れ親しんできた地元住民に、施設園芸に対する理解や協力を深めてもらう役割も担っています。

『TODA農房』は、約2,500㎡の敷地にイチゴの高設養液栽培ハウスを設置。実際に農作物の栽培・出荷・販売を一貫して行うことで、農業経営に関するノウハウを蓄積してきています。ジャムの商品化や販路開拓など6次産業化に向けた動きが具体化している他、栽培技術の蓄積も進展しています。

また、農産物の安全性確保や環境保全に関する国際規格「ASIAGAP(アジアギャップ)」の第三者認証を取得しました。同社が取り組んできた品質管理の手法や周辺環境保全への取り組み等が認められたものです。ASIAGAP取得や維持に関するノウハウの蓄積は、今後、農業経営上の重要事項になると予想されます。

こうして得られた技術の実証成果や農業経営・農地活用ノウハウは、「アグリサイエンスバレー構想」に活用されると同時に、同様の課題を抱える全国の自治体に向けた地方創生ソリューションへと進展していきます。

地方連携型ワーケーション『ON/OFFice ZUSHI』
(神奈川県 逗子市)

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地域一体で、地方創生・働き方改革を促進するワーケーション事業モデルの検証

働き方改革が広く認知されるにつれ、働く人の意識は大きく変化しており、多様性と柔軟性に対するニーズは増大しています。リゾート地などで仕事・休暇を行う「ワーケーション」というワードが急速に知名度を上げる中、戸田建設は、「産官民連携」でのワーケーションという新しい事業の在り方に取り組んでいます。

2020年7月、同社は神奈川県逗子市と共同で、ワーケーションの実証実験を開始しました。逗子市所有の遊休不動産の一部を、ワーケーション施設『ON/OFFice ZUSHI』として運営し、地元商店街、レジャー事業者などと連携し、地域一体で作り上げる事業モデル確立を目指します。

『PRE活用事業』(徳島県 鳴門市)

全国の自治体に共通する課題として、PRE(公的不動産)の利活用という問題があり、所有不動産をより戦略的に管理・運用することが求められています。徳島県鳴門市では、廃校となった小学校を活用する計画を進めています。思い出深い学校を、住民がいつでも立ち寄れる場所に転化するため、教室などはそのまま残しながら、一部をイチゴ観光農園などにリノベーションするプロジェクトとして展開する方向です。

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[問い合わせ先]

戸田建設株式会社 戦略事業推進室

https://www.toda.co.jp

〒104-0031 東京都中央区京橋1-18-1 八重洲宝町ビル8階
E-Mail info@toda-noubou.com
TEL 03-3535-6311

■TODA 農房合同会社 
■ ON/OFFiceZUSHI 

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