室内で植物を育ててみたが、うまくいかない。その原因は?
窓際で野菜を育ててみよう!と思い立って始めた「窓際菜園」ですが、前回の記事で衝撃を受けました。
前回は観葉植物や野菜の苗を扱うお店に取材しました。
その理由の一つは(常時入り口を開放しているとはいえ)室内で植物を育てているということ。
話を聞いてみると、「開店当時は昼間に日が差し込むところにしか植物を置けなかった」と言うではありませんか。
そして、今は「室内に置いてある植物は『耐陰性』のあるものが多く、かつ植物用のライトを使っている」ということでした。
ということは、西向きでかつ1階の我が家って、いくら窓際に置いたとしても
日照量が足りないのでは?
日照量が足りないと、植物は徒長します。ひょろひょろになります。
実は僕、現実から目を背けていました。
だって、毎日窓際菜園の野菜を見ているんですよ?
このミントは……
徒長してるやん!!!
一方で、バジルやバニラはすくすくと育っています。
これは、耐陰性があるからでしょうか。
せっかくやるなら、徒長させずにしっかり育てたい!(植物もかわいそうだし)
室内で育てると徒長する? 徒長の原因は?
まず、徒長の原因を探ります。
日光不足でしょ、と勝手に決めてかかっていましたが徒長の原因は以下の6パターンもあり、これらが複合することもあるようです。
- 水やり
→やりすぎNG - 肥料
→やりすぎNG - 風通し
→風が通らないとNG - 日当たり
→日が当たらないとNG - 冬
→「冬場」は徒長しちゃう植物も多い - 密度
→植える密度が高いとNG
徒長ってこんなに原因があるんですね。
ですが僕の場合は
- 水やりは土が乾くまでやらない
- 肥料あげてない、もしくはとても少ない
- たまに外に出したり、窓を開けたりしている
- 夏に植えて、現時点(2020年10月)で冬じゃない
- 一鉢に一つしか植えていない
以上から、今回の徒長の主要因は「日当たり」であると仮定しました。
ここからは、窓際や室内でも植物を育てるための「光」について考えてみます。
室内で植物を育てる時に気をつけたい「光補償点」と「光飽和点」とは?
植物が成長する上で、「光補償点」と「光飽和点」というものがあるそうです。
まずはこの2つの内容を確認します。
光補償点
光補償点は、その植物が成長するために最低限必要な光の強さです。
単位はルクスで表されます。
植物は二酸化炭素を取り込み、光を受け、「光合成」によって栄養分を作って成長します。
一方で人間と同じように「呼吸」もします。
光補償点はこの「光合成」と「呼吸」のスピードがちょうど釣りあってゼロになる点のことのようです。
光補償点は植物によって異なり、その補償点を下回ると成長が止まってしまいます。
光飽和点
光の強さに応じて、植物が行う光合成の量も増えていきます。
が、どこかの点で「これ以上光を強くしても光合成の量が増えない」という現象が起こります。
このこれ以上強めても光合成の量が増えない光の強さを光飽和点と言います。
野菜はどのくらい光があれば育てられる? 野菜の光補償点と光飽和点は?
室内で植物を育てる場合には、「光補償点」が低く、かつ「光飽和点も低い」ものを選ぶ必要があるようです。
野菜で見てみると、例えばトウモロコシは
・光補償点:1,800ルクス
・光飽和点:100,000ルクス
です。
室内で育てる人はあまりいないと思いますが、光補償点が低いので一見育てられそうです。ところが光飽和点は非常に高いですね。
光飽和点が高い、ということは光が弱いと光合成速度が遅く、成長も遅くなります。
結果、十分な成長ができない、実をつけられない、ということになりそうです。
逆に、耐陰性のあるミツバは
・光補償点:1,000ルクス
・光飽和点:30,000ルクス
と両点とも低く、窓際菜園向きの野菜と言えます。
以下が、主な野菜の光補償点、光飽和点の目安です。
光補償点(ルクス) 光飽和点(ルクス) レタス 1,500 40,000 キャベツ 2,000 40,000 ハクサイ 2,000 40,000 イチゴ 2,000 25,000 ミツバ 1,000 30,000 トウモロコシ 1,800 100,000 引用元:自給ラボ
以上のように、例え窓際菜園であっても、その植物に必要な光の量はどのくらいかを把握して育てる野菜を選定する必要があるようです。
先に知っておきたかった……
植物の成長に必要な日照の時間は?
光の補償点、飽和点は分かりましたが、では「日照時間」はどの程度が必要なのでしょうか。
植物は、光をどの程度好むかによって3つに分類されるようです。
陽生植物
一日中(おおよそ6時間ほど)光が当たっている必要がある植物。
半陰生植物
半日は光が当たるか、弱い光が一日中当たっている状態で育つ植物。
陰生植物
半日陰や日陰を好み、一日に1〜2時間の日照でも育つ植物。
我が家は、西向きです。
一日の日照時間は、季節によって変動しますが12時から16時ごろです。おおよそ半日は光が当たります。
一方、窓際菜園は「室内」でフィルム越しに光が当たるため光は弱くなります。
つまり、窓際菜園の日照は「半日ほどは弱い光が当たる」と言えそうです。
以上から、窓際菜園では「陰生植物」しか育たないのでは?という仮説が立ちます。
先に知っておきたかった………
窓際菜園の光の量は? 実際に測ってみた。
どうやら光の量、時間が全て足りていないらしい、という仮説は立ちました。
本当に足りていないのか、まずは測ってみることにしました。
時は午後2時、天気は晴天。西向きの我が家では最も光が差す時間帯です。
その数値は、衝撃の3,622ルクス
直後にベランダで計測してみると、24,290ルクスでした。
3,622ルクスあればたいていの野菜の光補償点は上回りますが、光飽和点の高い野菜はとても育てられません。
やはり、「陰生植物」が栽培対象になりそうです。
窓際でも、植物を栽培するなら育てる野菜を考え、かつ光を補う必要がある
窓際菜園を作った当時、カーテンを取ったことで「植物栽培に必要な光量が得られるのではないか」と仮定しました。
しかし、今回の計測で「不足している可能性が高い」ことがわかりました。
どうやら、このままだと陰生植物しか育たなそうです。
また、半陰生植物を育てるにはガーデンショップさんがやっていたように「ライト」で光を補ってあげる必要がありそう。
ここでくじける僕ではありません!
今度はライトを購入して、「どのくらい成長に違いがあるか」を確認しようではありませんか!!
成長には少し時間がかかります。
結果はまた別の記事で!
アラフォー主夫の窓際菜園、次回をお楽しみに!