熱中症で牛が死ぬ? 牧場主を悩ませる夏の日射対策
神奈川県茅ヶ崎市で成牛・育成牛合わせておよそ40頭を飼育する長谷川牧場。3代目の長谷川勇輔(はせがわ・ゆうすけ)さんは、牛の体格の良さを競う全国各地の品評会で毎年のように上位入賞を果たすなど、新進気鋭の若手酪農家です。
そんな長谷川さんも、夏場の乳牛の体調管理に頭を抱えていた生産者の一人でした。
「牛は気温が25度を越えると、熱中症のリスクが高まります。ここ数年は猛暑が続き、熱中症気味の牛たちが餌を食べなくなって1日200ℓほど乳量が落ちました」と長谷川さんは振り返ります。
「出産直後の牛など、免疫力が低下した牛が熱中症にかかると、重病を発症しがちです。手術しても乳が出なくなることもあり、廃用牛にせざるを得ず、経営に深刻な影響が出ます。もっと恐ろしいのは牛が死んでしまうこと。周辺の牧場では、暑さが原因で10頭も死んでしまった所がありました」(長谷川さん)
牛の熱中症を防ぐために、長谷川さんはこれまで、あらゆる遮熱対策を検討しました。畜舎の遮熱対策として一般的なのは遮熱塗料を屋根に塗ることですが、屋根に上っての作業は時間と手間がかかります。また、ミストを撒いて畜舎内の温度を下げる細霧システムの導入は、資金面やメンテナンス面でのハードルが高く、なかなか踏み切ることができませんでした。
「結局、日が落ちてから牛を畜舎から出して、一頭一頭水浴びさせる方法をとりました。手間と時間がかかりますが、牛の健康管理のためには仕方がないと諦めていました」(長谷川さん)
軽くて丈夫で安い! 畜舎の遮断熱シート『SDN-SEET SDN-W』
そんな長谷川さんに転機が訪れたのは2019年の秋。猛暑に苦しんだ夏が過ぎ、翌年に向け遮熱対策を見直そうとしていたところ、畜産用農機を取り扱う東邦貿易株式会社の営業担当から、エフケイティーラボ有限会社の畜舎用遮断熱シート『SDN-SEET SDN-W』を紹介されたのです。
「『張るだけで遮熱できる』と聞いた時は、そんなもので解決したら苦労しないよ!と半信半疑でした。でも、従来の遮熱対策と比べ安価で効果が高いと聞いて、『これなら失敗してもダメージが少ない』と、お試しで導入したんです」(長谷川さん)
まずは屋根の半分側だけ張ってみた長谷川さん。すると暑さでリラックスできず立ちっぱなしだった牛たちが、腰を下ろしてくつろぎ始めたのです。『SDN-SEET SDN-W』の遮断熱効果がはっきりと表れた瞬間でした。
「『SDN-SEET SDN-W』のおかげで、2020年の夏は牛の水浴びを行わなくても、熱中症になる牛が出ませんでした。以前は畜舎に熱がこもり、天井のファンを回しても熱風しか出てこなかったのですが、シートを張った後はその風が涼しく感じられました。人間も作業がしやすくなってよかったです」と、長谷川さんは喜びの声を聞かせてくれました。
暑さ7mmのシート状の製品は非常に軽く、DIY感覚で取り付けができるのも『SDN-SEET SDN-W』の魅力です。
「屋根にタッカーやビス・釘などで留めるだけなので、大掛かりな工事がいらなかったのも決め手になりましたね。これなら、部分的に剥がれてきても自分で簡単に張りなおしができます」と長谷川さん。
シートには、畜舎での使用に耐えられるよう特殊なコーティングが施してあり、耐久性も抜群です。長谷川さんの牧場では、天井のシートがLEDを反射し、牛舎全体が明るくなったという意外な効果もあったそうです。
「莫大な資金を投入して細霧システムを導入した牧場は、『SDN-SEET SDN-W』の効果を見て『もっと早く知りたかった』と悔しがっていますよ」と、長谷川さんは話します。
建築資材生まれだから高品質で耐久性抜群
「『SDN-SEET SDN-W』は元々人間が生活をする建物用に開発した遮断熱材なので、遮断熱効果と耐久性には自信があります」と話すのは、エフケイティーラボ有限会社の研究開発部・部長、小林芳浩(こばやし・よしひろ)さん。
高い遮断熱効果の秘密は、シートの構造にありました。表面のアルミ箔が屋根から伝わる熱をブロック。さらに、アルミ箔で挟んだ気泡シートの空気層が断熱材の役割を果たし、熱が外側に漏れるのを防ぎます。
アルミ箔は、JIS(日本工業規格)による純度99.3%以上のみを使用。純度が高いものを使うことで、酸化しにくく長持ちするそう。そのため、建築用資材の条件である「10年保証」もクリアできる耐久性です。畜産用に改良する際は、特殊なコーティングを施して、耐久性と防菌性を更に高めました。
「他社でもこうした遮断熱シートを扱っていますが、ほとんどが海外製で、輸入コストなどがかさんでどうしても価格が高くなりがちです。『SDN-SEET SDN-W』は100%国産なので、高品質な製品を低価格で提供できています」と小林さん。
「ここ数年の猛暑で、全国的に『SDN-SEET SDN-W』の発注が増えています。みなさん、長谷川さんのように半信半疑で使い始めますが、1枚張ってみると、すぐに追加発注がかかります。それほどすぐに効果を実感される方が多いのだと思います」と笑顔を見せます。
牛の健康被害を減らして収益向上を目指す
「いい骨格をしている牛は、出産を繰り返しても体型が崩れず、乳の出が良い。こういう牛をたくさん育てるために、未経産時の発育不良をいかに減らせるかを重視しています」と長谷川さんは話します。
牛乳の価格が上がらない一方で、牧草などの生産コストは年々高騰しているからこそ、暑さによる牛の健康被害を少しでも減らすことが収益向上において重要なのです。
「遮熱対策に苦労している酪農・畜産農家の方に、低コストで高い遮断熱効果がある『SDN-SEET SDN-W』がもっと広まって欲しいですね」と小林さん。
今年の猛暑で畜舎の環境改善をお考えの方は、暑い夏が過ぎた今のタイミングで、『SDN-SEET SDN-W』の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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