疲れがとれないまま次の日も農作業をしていませんか? 疲れが残ったまま同じ作業を続けると、腰痛やケガにつながることも……。
そこで、日々の疲れを自分でとるセルフストレッチについて、プロのマッサージ師に教えてもらいました。
今回は主に、農家さんなどが酷使しがちな肩・腰・脚のストレッチについてご紹介します。
セルフマッサージにおける注意点
次の4つの注意点は、どのストレッチ・マッサージにも共通します。
- ゆっくりと大きく動かす
- やりすぎない
- 呼吸を止めない
- 骨に当たらないように
肩のストレッチ
農作業のように同じ姿勢で繰り返し同じ動きをしていると、どうしても肩が凝ってしまいます。
忙しくて整体に通えない、家族が肩をもんでくれない!という人にもおすすめのセルフケアです。
- まず右肩に右手を置きます。左側も同様にします
- 両ヒジをできるだけ、くっつけるようにします
- ヒジを意識して、大きくまわします
下から上に回すパターンと上から下に回すパターンを10回ずつ交互に繰り返してください。
ポイント:肩甲骨を意識して大きく回しましょう
また、首からくる肩こりもあります。これは、頭の重心を中心からずらしていると、首の骨ではなく首の筋肉が頭を支えるため起こります。農作業で前傾姿勢などの作業が多い日は首をゆっくり大きく回しましょう。
他にも首の筋肉の疲れをとるには、首をかしげる動作で筋肉を伸ばしてストレッチする方法があります。しかし、この方法では肩から下の重心も傾いてしまうケースが多くみられます。そんなときは、イスを使うと防ぐことができます。
首を傾ける方向と反対側の手でイスの下を持つと、腕でロックできるため肩から下の重心がずれません。
横にかしげるのも効果的ですが、首の後ろの筋肉が凝っていることもよくあります。斜め前の方向に首をうなずくように倒すと後ろの部分が伸びますよ。
肩をぎゅっとすくめてストンと落とす動作を繰り返すと、肩甲骨から首の内側にかけてつながっている筋肉「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」がゆるみ、首肩まわりが楽になります。
実は、肩が凝っている人は脇の下も凝っている人が多いのです。さっそく脇もほぐしましょう。
- 右の肩に右手を置きます
- 左手で右の脇下を挟みます
このとき、親指は脇のかたいところに、残りの4本の指で挟むようにします - 右腕を大きく回します
反対の脇も同様に。
時計回りと反時計回りを数回ずつ交互に繰り返します。
腰のストレッチ
腰の疲れをしっかりとると、腰痛の予防になります。
- 脚を組みます
- 組んでいる上の脚のヒザに、反対側のヒジを引っ掛けます
- 2の状態で、腰をひねります
あまり強くひねらず、心地よい痛みを感じるぐらいのところで止めます
このとき、ヒジでヒザを押すようにひねりましょう - 空いている方の腕はなるべく大きく同じ方向にひねります
顔もできるだけ同じ方向にひねりましょう
この姿勢を3秒ほど保ちます。数回ずつ左右交互に行いましょう。
全体的に体がひねられることでお尻、背中、腰が伸びます。
ポイント:ゆっくりと呼吸しましょう
腰を伸ばせるストレッチをもうひとつ!
- 足首をヒザの上にのせます
- 前に上半身を倒します
このとき、頭からではなく、腰から倒すようにしましょう
腰やお尻に心地よい痛みを感じるくらいまで伸ばします - 2の体制のまま2秒ほどとまります
反対側も同様に行います。
脚のマッサージ
なんとマッサージ業界では、ふくらはぎは第2の心臓と言われているのだとか。
血は全身に循環していますが、脚の血が心臓に戻ってくるためにはふくらはぎの筋肉がポンプ機能を果たしているのです。ふくらはぎの凝りをほぐして、体の血行を良くしましょう。
- 片脚のふくらはぎを手で挟みます
- 手首を回すようにしてもみます
- 片脚のふくらはぎを両手の付け根で挟みます
- 上下に位置をずらしながらもみます
テニスボールを使ったセルフマッサージもオススメです。テニスボールがマッサージチェアのもみ玉のような働きをしてくれます。
座った状態でお尻の下にテニスボールを置いたり、寝た状態で肩付近や背中の辺りに入れるのも良いでしょう。足の裏に置いて、ツボを刺激することもできます。このとき、テニスボールが骨に当たらないように注意してください。家族や友達からマッサージをしてもらう場合にも、テニスボールを使用してもらえば手でするよりも筋肉を傷つけにくく、安全です。
ストレッチもマッサージも血行を良くすることで、凝りや痛みを緩和させています。血行は、体を温めると良くなります。そのため、40度くらいのお風呂にゆっくり入るのも効果的です。タオルに湯船のお湯をふくませ、肩回りにのせれば、全体的に温まることができますよ。
セルフストレッチでケガを防止して、疲労回復させましょう!