「地域の農業を守りたい」若手が奮闘する栗山町日出地区
株式会社グラフィックファームは、経営する約40㏊の農地で米や麦、大豆、業務用トマト、アスパラガス、スイートコーンを育てています。
共同代表の須郷章生さん(40歳)は8年前に札幌から栗山町に移住。就農当時は地域の中で一番の若手でした。町内で高齢化が最も進んでいるという日出地区の現状を目の当たりにした須郷さん。「地域の農業は、若手である自分たちが守っていかなければ…」と決意し、同じく若手農業者の一人であった谷内智隆さん(44歳)と共に、2020年4月に同社を立ち上げました。今では地域の農地引受先となり、面積も順調に増えています。
わずか10日間! 近所の人も驚いた短納期
同社は主力である米の栽培に加え、中山間地域にあり朝晩の寒暖差が大きいという地域特性を生かして、甘味と味が濃い野菜を育てています。また「新価値~多彩な連携で、今までにない価値を生む」というビジョンのもと、飲食店への新鮮野菜の提供や農福連携を進めています。
元々敷地内にあった築5~60年の倉庫を、野菜の選果場として使っていましたが、取引先や取引量が増えるにつれ手狭に。また、年間を通じて安定して出荷するためには湿度や品質管理を徹底する必要がありました。
新しい倉庫を建てるため、須郷さんがまず相談したのは地元の農機具メーカーでした。しかし提示された納期は1年以上先と、あまりに先の長い話に途方にくれたそうです。
「そんな中、たまたま見たマイナビ農業の記事で、他の生産者が『イナバ倉庫・ガレージ』を利用しているのを知りました。コストの安さや工期の短さに興味を持ち、すぐにカタログを取り寄せました」と当時を振り返ります。
イナバから紹介された業者より提示された納期は、基礎工事1週間+倉庫の組立2日ほどで、完成までなんと約10日。すぐに野菜の選果場や米の保管場として利用することを望んでいた同社にとって、納期の短さは特に魅力的に映り、発注へと踏み切りました。
「何もなかったところにわずか数日で真新しい倉庫が建っているのを見て、近所の人はみんな驚いていましたね。建設にかかったコストも、『なんだい、その値段!?』とびっくりされました(笑)」と須郷さん。これまでの農業倉庫の常識を覆すほどのインパクトがあるのが、『イナバ倉庫・ガレージ』と言えるのかもしれません。
フォークリフトでの出し入れも楽々。作業性の向上に貢献
新築した倉庫は4連棟タイプで、間口約12m、奥行約8.6m、高さ約3.6m。左側2棟分を作業場に、右側2棟分の前面を壁に変更し、保管庫として使えるよう設計しました。
「以前はトラクターや軽トラックを使って野菜などの収穫物を倉庫やビニールハウスの中へ運搬していましたが、入り口が狭く手作業だったため、かなり大変な作業でした。『イナバ倉庫・ガレージ』にしてからは、倉庫の中までフォークリフトで入っていけるので、フレコンバッグや鉄コンテナで運べたり、動線がスムーズになったりするなど、作業性がずいぶん良くなりましたね」と須郷さん。
大量の収穫物を運ぶにはフォークリフトは欠かせません、倉庫内で自在に動かせる天井の高さも気に入っているそうです。
「新しく倉庫を建てるにあたっては、米だけでなく他の作物の栽培もあるので、それに合わせた機能や利便性を求めていました」と、谷内さん。「アスパラガスやスイートコーンなど、栽培する野菜の多くは春から秋にかけて収穫最盛期を迎えます。選果場としてもフル稼働する日を楽しみにしています」と、期待を寄せます。
規格品と豊富なオプションで、理想の倉庫が低コストで実現
木造・鉄骨造の倉庫と比べ、圧倒的に低価格・短工期で提供できる秘密は「設計要らずの規格品」にありました。
「木造・鉄骨造で建築する場合、設計士、基礎業者、大工、外壁業者、サッシ業者、板金業者、シャッター業者など、多くの専門業者が関わるため、コストも納期もかかってしまいます。打合せから完成まではおおむね6カ月から10カ月ほどかかります。一方、『イナバ倉庫・ガレージ』の場合は、個別の設計を行わない規格品であり、工場から現場へ部材を運んで組み立てます。基礎業者と組み立て業者という二つの専門業者のみで設置できるため、コストを下げ、なおかつご発注から完成まで30日程度という短納期が実現できます」と、株式会社稲葉製作所・札幌営業所の青木さんは話します。
規格品というとカスタマイズができないような印象を受けますが、そんなことはありません。用途に合わせた機能をつけることが可能です。「グラフィックファームさんに対しても、どのように倉庫を利用したいのかといった要望をヒアリングした上で、最適な間取やオプションを提案しました。また、後付けの倉庫内シャッターや米保管スペースへの断熱材の吹き付けなど、自社で対応できない部分は協力業者を紹介するなど、お手伝いさせていただきました」(青木さん)
「お金をかければいくらでも良いものは建てられますが、会社としてやっているので設備投資のコストは抑える必要があります。その点『イナバ倉庫・ガレージ』のように低コストで用途に合わせた倉庫を導入できることは、経営的にとても大きな魅力でした」と須郷さん。「今後農機具などが増えてきた際は、それらを格納する倉庫の増築も視野に入れている」と続けます。
栗山町の日出という地域に根差し、次世代へ農業をつないでいく存在を目指す同社。その経営規模が大きくなっていく時、そこにはまた新しい『イナバ倉庫・ガレージ』が2棟、3棟と建っている景色が自然と目に浮かんできます。
【『イナバ倉庫・ガレージ』に関するお問い合わせ】
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【取材協力】
株式会社グラフィックファーム
北海道夕張郡栗山町字日出36番
設置機種:『イナバ倉庫・ガレージ SGN-386GUB-4』