農業の高収益化のカギは潅水にあり。プロに聞く、最適な潅水方法と資材の選び方

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農業の高収益化のカギは潅水にあり。プロに聞く、最適な潅水方法と資材の選び方

農業の高収益化のカギは潅水にあり。プロに聞く、最適な潅水方法と資材の選び方
最終更新日:2021年03月16日

作物に品質や生育のムラが出ているなら、その原因は潅水にあるかもしれません。潅水は農業生産にさまざまなメリットをもたらす重要なファクター。単に作物に水を与えればいいというわけではなく、圃場の規模や立地、栽培品目、農法に適した潅水方法で行うことが重要です。自身の営農スタイルにマッチした潅水方法と資材選びのポイントを、潅水資材の専門商社『株式会社イリテック・プラス』の蛯原さんに伺いました。

潅水の種類は大きく分けて3つ

植物の生育に欠かせない水。どう与えるかによって、農業の生産性は大きく変わります。水やりの作業時間や労力を削減し、作物の品質・収量を安定させ、水や肥料をムダなく確実に与えるために、さまざまな潅水方法が編み出されてきました。現在、農業で用いられている潅水方法は、大きく分けて3つあります。

◆地表潅水

作物が植えられた畝間の表面に潅水チューブやスプリンクラーを設置して水を撒く方法です。一般的な潅水方法として普及しており、ビニールハウス等の施設園芸や野菜の露地栽培などで行われています。

◆頭上潅水

ビニールハウス等の施設園芸で用いられ、ハウス内の天井部分に這わせたポリエチレンパイプ等にマイクロスプリンクラーや潅水ノズル等を取り付けて、施設全体に散水する方法です。配管が地表部にないので邪魔にならず水稲育苗、葉物野菜、果樹棚等で利用されています。

◆点滴潅水

点滴チューブやパイプを使って作物の株元に点滴のようにゆっくりと水を与える方法です。厳密に水や液肥を管理でき、潅水と施肥を同時にできるなど省力化が見込めるため、施設園芸のみならず様々な培地、作物、施設でも導入が増えている最新の潅水方法です。

潅水資材は方法によって異なる

潅水方法によって使用する資材は異なります。主に使用されるのは以下の3点ですが、それぞれの仕組みや構造、特性を知って、圃場の条件や栽培方法に合った資材を適切に選ぶことが、効率的かつ効果的な潅水のポイントです。

◆スプリンクラー

用途:地表潅水、頭上潅水

広い範囲に一気に水を撒くことができる潅水資材。設置や増設が容易で、ハウス、露地両方に使えます。設置場所や規模に合わせて吊り下げ式や立ち上がり式、移動式等があり、散水パターンも選べ、育苗、軟弱野菜、花卉、果樹、植木等、用途に応じた資材を選択できます。

◆潅水チューブ

用途:地表潅水

小さい孔から水が飛び出す仕組みで、広範囲に水を撒くことができます。孔のサイズや形状、間隔など、さまざまな仕様があるので、作物に応じて選んで使用します。潅水チューブは、主に地表潅水に用いられ、スプリンクラーと比べて低コストで導入できます。水圧の加減などの影響で潅水の均等性が低くなったり、計算どおりの水量を与えられない場合もあります。

◆点滴チューブ/パイプ/ドリッパー

用途:点滴潅水

点滴潅水には地表に敷設して使用するチューブ/パイプタイプと、ポリエチレンパイプに取り付けて使用するドリッパータイプの2種類があります。

エミッターの迷路構造になっている水路を通ることで水量が調整され、点滴のようにポタポタと水が落とされます。少ない水量で効果的に潅水することができ、大型ポンプの設置はいらないため、設備投資を抑えて広い範囲を潅水することができます。
よくある間違いとしては、点滴潅水の際に潅水チューブやその他の資材を代用することが挙げられます。
一見、均一の水量が与えられているように視認できますが、実は与える水量に差が生じてしまう場合がほとんど。水と一緒に液肥を投入している場合には特に、生育のムラが顕著になります。繰り返しになりますが、それぞれの潅水方法に準じた資材を使うことが何よりも重要です。

省力化、高収益化を目指すなら、点滴潅水がおススメ

点滴潅水は、肥料を水に溶かして与える養液栽培の普及によって、施設栽培はもとより露地栽培でも効率的かつ効果的な自動潅水として導入が進んでいます。点滴潅水を行う上でも、栽培品目や栽培方法に適した資材を選ぶ必要があります。

◆ドリッパー

栽培品目:イチゴ、トマト、花き(ポット栽培)など

ポリエチレンパイプに直接とりつけるほかに、チューブやドリップスパイクなどを組み合わせて使用することもできます。畝や栽培槽などに沿って這わせたポリエチレンパイプに、任意で穴をあけてドリッパーを取り付けます。また、ドリッパーからチューブを分岐させて先端のスパイクを点滴潅水したい場所に刺して水を滴下させることもできます。

◆ドリップチューブ

栽培品目:イチゴ(高設栽培)、キュウリ、トマト(施設栽培)、アスパラガス(露地栽培)など

エミッター(点滴ノズル)が内蔵された薄型で平たい点滴チューブで、マルチシートの下に入れるなどして使います。

◆ドリップパイプ

栽培品目:果樹、お茶、野菜(露地栽培)など

エミッター(点滴ノズル)が内蔵されたポリエチレンパイプです。自動圧力補正システムにより圧力の変化にかかわらず一定の水量が点滴されます。高低差がある圃場や長距離にわたってパイプを敷設する必要のある場所に使います。
また、ドリップパイプには埋設に適したドリップストッパー(水垂れ防止)機能が付いたタイプもあります。

潅水の課題は、導入実績が豊富なプロに相談

点滴潅水の効果を最大限得るためには、具体的にどのような資材を選べばいいのでしょうか。株式会社イリテック・プラス専務取締役の蛯原亮太さんに聞きました。

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潅水の最適化の方法を語る蛯原さん

■ハウス面積1700㎡でイチゴ4品種を栽培している場合(関東エリア)

イチゴの高設栽培では、点滴チューブをマルチシートの下に入れて使う「P1ドリッププチューブ」が適しています。イチゴの株の間隔に合わせて、ドリッパー間隔は10cmがおすすめです。各株元に確実に液肥を与えることができます。

■ミカンの露地栽培をしている場合(東海エリア)

果樹栽培には、広大かつ傾斜地でも一定の水量を送ることができる「マルチバードリップパイプ」が適しています。株の間隔に合わせドリッパー間隔を選びます。
また、パイプを埋設する場合は、ドリップストッパー(水垂れ防止)機能が付いた「マルチドリップパイプDS」がおすすめ。圧力がないときは水垂れしないため、点滴口の根詰まりを防ぎます。

「潅水にはさまざまな方法があります。見よう見まねで同じ資材を同じように設置しても、地域や栽培品目、圃場面積、ポンプの性能などそれぞれ条件が違うので、計算どおりにはいかないこともあります。当社では実績と経験をもとに適した潅水方法を提案することができます」と蛯原さん。

新規就農で潅水資材の選び方がわからない、作物の品質や生育のムラを解消したい、潅水の自動化を考えているなど、同社では生産者から潅水に関するさまざまな相談に応えています。

農業の高収益化を目指すなら、潅水の最適化は重要なテーマ。全国各地のさまざまな圃場に導入実績のあるイリテック・プラスに相談してみてはいかがでしょう。

【問い合わせ】
株式会社イリテック・プラス
https://www.irritecplus.jp/

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