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【カゴメも実践】黄色い葉は要注意?トマトの高品質・高収量を目指す光合成のコツとは

【カゴメも実践】黄色い葉は要注意?トマトの高品質・高収量を目指す光合成のコツとは

光合成は植物が自ら育つエネルギーをつくる働きです。作物の品質・収量アップも、植物の光合成にかかっています。どうすれば植物の光合成を促進させることができるのか、日々試行錯誤している生産者も多いのではないでしょうか。そのヒントを求めて、「高リコピントマト」をはじめとする高付加価値な生鮮トマトを1年を通して安定生産するカゴメに話を聞いてみることに。契約菜園とともに高品質・高収量の実現に取り組んできた経験とノウハウをもとに、作物の光合成を促進させるコツと、そのカギとなる葉緑素の生成に関わる「鉄」の与え方を伝授してもらいました。

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高品質・安定収量を目指す基本はやっぱり光合成

いわき小名浜菜園で採れた高リコピントマト

カゴメといえば、トマト加工品はもとより生鮮トマトの栽培・販売でもブランド力を発揮する農業界でも注目の企業。1998年に農業事業に再参入し以来、高品質・高収量を実現する栽培方法を研究し続け、野菜の会社として農業の現場に密着しています。

現在、全国14カ所に大型施設の契約菜園を展開して「高リコピントマト」などの高付加価値な生鮮トマトを1年を通して安定生産。その年間出荷量は17000トンにのぼります。

今回、トマト栽培の高品質・高収量のポイントを教えてくれたのは、カゴメアグリフレッシュ株式会社・生産技術グループ部長の原田聰(はらだ・さとし)さん。そして、いわき小名浜菜園で環境・肥料制御を担当する馬目恵太郎(まのめ・けいたろう)さんです。

カゴメアグリフレッシュ株式会社の原田聰さん

いわき小名浜菜園(福島県いわき市)は、カゴメの契約菜園の中でも最大規模。東京ドーム2個分にあたる10.2haの施設で35万株の生鮮トマトを栽培しています。ハウスの中は圧巻。コンピュータ制御された大温室の一面に、トマトの並木が緑のカーテンのように連なり、房もたわわに実をつけています。ここから、主力の高リコピントマト、ラウンドトマト中玉2品種、ミニトマト3品種が通年出荷されています。

2003年の設立時から、いわき小名浜菜園はカゴメの技術指導を受けて高品質・安定生産に取り組んできました。カゴメの研究所(栃木県那須塩原市)に最も近い子会社菜園ということもあり、さまざまな栽培テストもここで行われています。研究所出身で那須塩原市に住む原田さんは、栽培現場へ足しげく通い、現場の課題を一緒に解決してきました。

天窓は自動で開閉。生育環境制御システムにより生育に最適な環境を整えています

「植物の状態がよければ、収量がとれて味もよくなるというのが私たちの考え方です」と原田さんは話します。
「光合成は、高品質・高収量の基本です。しっかり光合成をさせるには、日々変化する気象や植物の状態に合わせた肥料、水、CO2の管理が肝心です」と馬目さん。特に高リコピントマトは反応が早い品種なので、季節の変わり目や温度の変化に対して制御が遅れるとすぐに光合成に影響してしまうのだそうです。

いわき小名浜菜園の馬目恵太郎さん

黄色い葉は光合成不足の目印。収量ダウンにもつながる「鉄欠乏」の恐ろしさ

いわき小名浜菜園の設立時から栽培に携わり、現職で10年になる馬目さんが、最も悩まされた課題の一つが「鉄欠乏」でした。

「鉄欠乏が起こると樹の上方の新葉がレモンのような黄色になります。鉄欠乏のサインは見分けやすいのですが、見つけてからでは遅いんです。早めに管理を変えておけばよかったと後悔します」と馬目さん。

植物は活性が落ちると栄養の吸収が悪くなります。日射の悪い日が続いたとき、日射量が少ない冬場、収穫期は成り疲れで活性が落ち、鉄欠乏が起こりやすくなります。鉄は葉緑素の生成に重要な成分です。鉄が吸収されなければ葉の葉緑素がつくられず、光合成能力が見る見る低下していくのです。

鉄欠乏を発症した葉。全体的に黄色っぽく変色します

光合成が十分にできなければ、トマトの玉は小さくなり、弱くなって花が飛んでしまうこともあります。鉄欠乏が進んだ樹は活力が落ちて果実をつける余裕などありません。そうなると、着果にかかるエネルギー負担を軽減するために、実がなる前に房を1段摘花する処置をしなければなりません。1段でもカットすると1株あたり2~3%の収量ダウンです。馬目さんは、一房全体を摘花するという経験もしたそうです。

「植物はすべてのエネルギーを光合成でつくります。光合成は葉の葉緑素で行われますが、鉄が不足すると葉緑素が十分に形成されません。葉が黄白化するのはそのためです。光合成をさせるためには、葉に葉緑素がある健全な状態をつくっておくことが前提になります」と原田さんは核心に迫ります。

弱った樹に鉄が効く! 鉄欠乏のリスクを『鉄力®』で低減

『鉄力®』シリーズには固形タイプの『鉄力あぐり®』と液体タイプの『鉄力あくあ®』の2タイプがあります

鉄欠乏に直面する馬目さんに、原田さんが勧めたのは『鉄力』でした。

『鉄力』は、愛知製鋼株式会社が開発した植物用のサプリメントです。一般的に施用されているキレート鉄は3価鉄であるため、植物は自らが持つ酵素の力で2価鉄に変換しなければ吸収することができません。それに対して、『鉄力』シリーズは、最初から2価鉄なので吸収されやすいことが特長です。

「葉の色が薄い時は、すぐに『鉄力』を与えます」と馬目さん。『鉄力』は、活性が落ちた植物でも負担なく吸収できるため、鉄欠乏からのリカバリーに効果を発揮します。

左が鉄欠乏を発症した葉。右が『鉄力』施用後の葉。葉色が改善したのが分かります

当初は、吸収しやすさに着目して活性が落ちた株にスポット的に施用していた『鉄力』ですが、いわき小名浜菜園では2014年から培養液に添加して常に一定して使用するようになりました。それまでは、一般的なキレート鉄を施用していましたが、それよりも『鉄力』の性質がカゴメの施設園芸に適していたからです。

「鉄欠乏は養液中の鉄の濃度を高くすれば回避できますが、いわき小名浜菜園のように廃液を紫外線殺菌でリサイクルしている施設ではそれができません。なぜなら、鉄が最も紫外線殺菌の効率を妨げる物質だからです。けれども、『鉄力』は一般的なキレート鉄よりも紫外線殺菌への影響が小さく、濃度を高くできることがわかったのです」と原田さん。

ココヤシ殼を培地とした養液栽培を行っています

鉄はできるだけ与えたい。けれども、培養液の鉄量を上げるとリサイクル率が下がって、その結果、栽培コストが上がってしまいます。そんな鉄施用量のせめぎ合いも、これで決着。培養液に『鉄力』を配合して常に与えることで、鉄欠乏を未然に防ぐことができるようになりました。

「この4、5年は鉄欠乏の黄色い葉をほとんど見ることがなくなりました」と馬目さん。
「できればもっと『鉄力』を与えたいです」と原田さんも、その有用性を認めます。鉄欠乏のリスクが大きく軽減されたことで、高品質・安定生産の水準をさらに上げることができました。

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濃い緑色の葉が健康の証です

まだまだできる、トマト栽培は奥深い

「鉄欠乏は回避できるようになりましたが、まだまだ課題があります。何年やっていても合格点には達しません。季節の変わり目などは気温が前日と10℃以上も違うことがあり、施肥管理は本当に難しいです」と馬目さん。現場に来てアドバイスをしてくれる原田さんに助けられているそうです。

「植物の状態は常に変わり、環境も絶えず変化するので、しっかり対応しなければなりませんね。生鮮トマトの栽培は奥が深く、私たちもこれで掴めたという実感はありません。まだできることがありますね」と原田さん。

養液栽培や水耕栽培には、肥料として鉄の施用が欠かせません。『鉄力』を使うようになって、鉄欠乏がほとんどなくなったカゴメといわき小名浜菜園。以前のように、鉄欠乏の対応に時間を費やすことも、収量を大きく減らすこともなくなり、安心して栽培に打ち込めるようになりました。これで、高品質・安定生産のために「まだできること」に注力できます。

トマトだけではありません。光合成でエネルギーをつくるすべての作物とその生産者に、『鉄力』がパワーを与えてくれることでしょう。

【取材協力】
いわき小名浜菜園
〒971-8124 福島県いわき市小名浜住吉字入海3-1
カゴメの生鮮トマトについてはこちら

【『鉄力』に関するお問い合わせ】
愛知製鋼株式会社
〒476-8666 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地
TEL:0120-603-937
『鉄力』の特設サイトはこちら

『鉄力』『鉄力あぐり』『鉄力あくあ』は愛知製鋼株式会社の登録商標です

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