農系Podcastって何?
Podcastはスマホで聴ける、いわば現代版ラジオ。農業界の今のブームは、なんといっても「農系Podcast」でしょう! 全国の農家が発信する番組はなんと25以上もあり、栽培、経営のみならず論文読解から趣味、エンタメまで非常に幅広いジャンルがそろいます。
農家のお友達と言えば土と太陽と作物……というのは非農家が考えるイメージであって、心の友は「ラジオ」という農家は意外と多いのです。一人で黙々とする作業は音声メディアとの相性が抜群。毎月1日は「農系Podcastの日」として全国の農家が一斉に配信しています。月初めにたくさんの農家仲間の声を聞けば、やる気がみなぎること間違いなし! 全てを紹介できず残念ですが、その中から私・コッティのおすすめ番組をご紹介します。
1. 女ひとり。新規就農radio(ラジオ)
新規就農者である田島さんが自身の経験談をもとに、就農前に必要な準備や、本人の実際の収支まで包み隠さず紹介してくれる番組。新規就農希望者は役所に行く前にこれを聴くべし! お金で買えない貴重な情報が詰まった永久保存版Podcast。
■パーソナリティプロフィール
田島友里子(たじま・ゆりこ)さん:1986年三重県生まれ。北海道での農業研修や農業法人での就職を経て、2016年にさいたま市で「こばと農園」として独立。約1.5ヘクタールhaの畑で年間20種類程度の野菜を有機無肥料で栽培する。「自分が就農したときに体験した、たくさんのハードルの越え方をリアルな声として伝えたい」との思いで、2020年にポッドキャスト配信を開始。 |
コッティの推しポイント
コッティ
2. よるののうか
農業イコール地味でどこか暗いというイメージを覆す、異色の農業エンターテインメント番組。大喜利やネタなどの人気コーナーでは深夜ラジオ好きのパーソナリティーによる農業愛が爆発。聴くと農作業が楽しくなっちゃうラジオです。
■パーソナリティプロフィール
山本康平(やまもと・こうへい)さん:1991年和歌山県の果樹農家に生まれる。高校教員を経て親元就農。特に高糖度果実栽培にかける情熱がすさまじく、桃の糖度は30度を超えギネスレベルに達する実力派。自身が落ち込んだときにバカバカしいラジオなら聴けたという体験をもとに「聴くときのハードルが低い、聴いたらちょっぴり明るくなれるラジオ」を目指している。 |
コッティの推しポイント
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3. はぶかん
ハーブにもっと興味を持ってほしい!という生産者の思いが詰まったハーブの紹介番組。初心者向けの基本から「ミント味の食品に使われているのは、ミントじゃない」などのマメ知識まで、定期的にハーブ講座を行っている農家が親しみやすく解説してくれます。
■パーソナリティプロフィール
赤石英二(あかし・えいじ)さん: 青森県在住のハーブ生産者。デザイン業などのサラリーマン時代を経て2014年に脱サラ就農。ハーブという日本の農業ではマイナーな栽培品目ながら着実に事業を軌道に乗せ、自社加工場で6次産業化にも取り組む。2021年にはハーブ専門店「FiND(ファインド)」をオープン。#歌うハーブ農家 としてTwitterでも発信している。 |
コッティの推しポイント
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4. おみそしるラジオ
番組内で企画を練り、実行すれば報告、反省会まで全部見せちゃう挑戦ドキュメンタリー。農家2人、会社員1人が食育や地域活動、コーヒー店の開業などそれぞれの目標に向かって動き続ける姿に刺激されること必至です。
■パーソナリティプロフィール
阿部俊樹(あべ・としき)さん:三重県四日市市のキュウリ専門農園しなやかファーム代表。地域にキュウリ農家がいなかったことから栽培品目をキュウリに絞って就農したという戦略家。Twitterのフォロワー数が5000人を超すインフルエンサー農家でもある。「リスナーがやりたいことに挑戦するキッカケになれるような番組を目指しています」 |
コッティの推しポイント
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5. 農業 タノしきラジオ
時代の最先端をいく環境制御技術を駆使する農家がおだやかな宮崎弁で古事記や旅を語る、独特なバランス感をもつ番組。新しいことを取り入れるからこそ振り返りたくなる自分たちのルーツを、神話のふるさとから地元トークを交えて発信します。
■パーソナリティプロフィール
山ノ上慎吾(やまのうえ・しんご)さん:宮崎県宮崎市田野町出身、24歳で親元就農。葉タバコと加工用大根の露地栽培を行っていたが、就農3年目に施設キュウリ栽培に転向。環境制御技術の導入にあたり地域の農家でスタディーグループを立ち上げ、産地としての増収、若手就農者の増加に貢献。その活動が評価され2017年農林水産大臣賞特別賞を受賞。 |
コッティの推しポイント
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6. 農道223(ふじさん)号
「牧場と畑とキッチンをつなぐ」をテーマに、酪農家、野菜農家、果物農家、料理研究家、農家レストラン従事者が送るPodcast。消費者の食をより豊かにすることを目的に、地域で一次産業にかかわるゲストの魅力をとことん深掘りします。
■パーソナリティプロフィール
佐藤文紀(さとう・ふみのり)さん:2020年に独立就農したばかりの新米ほやほや農家。「家族を大事にできる時間を提供する農業」を目標に、ブドウの観光農園の開園を目指して目下奮闘中。2018年、農業法人の研修時代に仲間とともに番組をスタートさせ、地域密着型の配信を行っている。2019年からは「農業テーマパークをつくろう!」という番組も開始。 |
コッティの推しポイント
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まとめ
農業は延々と続く収穫や深夜まで終わらない袋詰めなど、一人で孤独な中やる作業も多いものです。就農した当初、そんな暮らしで心が折れそうだった私を救ってくれたのがPodcastでした。空いた耳から時に心の隙間(すきま)を埋め、笑いを届け、さらに新しい知識をももたらしてくれる頼もしい存在。話し手は遠く離れた場所の人であっても、音声だけで届くメッセージはなぜか身近に感じられます。Wi-fi環境下であらかじめダウンロードしておけば畑で聴くのにとても便利! 目と手が忙しくても耳はたいてい空いているので、これを使わないのはもったいない。まだ聴いたことがないというあなたは、今すぐ!スマホなどで聴いてみてくださいね。インターネットやPodcastのアプリで番組名を検索すれば、今日から人生の楽しみが一つ増えるかも!