「タマネギべと病」が大発生。ブランド産地の危機を救った殺菌剤とは|マイナビ農業

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「タマネギべと病」が大発生。ブランド産地の危機を救った殺菌剤とは

「タマネギべと病」が大発生。ブランド産地の危機を救った殺菌剤とは

冬も温暖な気候に恵まれる淡路島は農業が盛んで、水稲と野菜(たまねぎ、レタス、キャベツ、はくさいなど)を組み合わせた三毛作を行っています。農用地のほとんどが水田ですが、砂壌土が中心なので野菜づくりにも適しており、特産品のたまねぎはブランド化され『淡路島たまねぎ』として全国に流通しています。そんなたまねぎの一大産地を襲ったのが、2016年に大発生した「タマネギべと病」です。これまで1.2%だった平均発病率が52.8%へと一気に跳ね上がり、記録的な不作となりました。この危機をどのようにして乗り越えたのでしょうか。当時を知るJAあわじ島の担当者、たまねぎ生産者にお話を伺いました。

2016年「タマネギべと病」が大発生、大事態に

瀬戸内海最大の島である淡路島は日本発祥の地といわれ、山海の幸を大和朝廷に献上した御食国(みけつくに)の一つでもありました。現在も一次産業が盛んな淡路島ですが、なかでも『淡路島たまねぎ』は全国的に有名で、柔らかくて辛みが少ないのが特徴です。9月の種まき、11月~12月の定植、寒い冬を越えた春の収穫と半年以上の手間と時間をかけ、さらに「たまねぎ小屋」でゆっくりと乾燥させることで甘みを引き出した『淡路島たまねぎ』は日本全国で人気を博しています。

ピシロックフロアブル

そんなブランドたまねぎの産地を襲ったのが「タマネギべと病」です。「タマネギべと病」とはカビの一種である卵菌類によって引き起こされる重要病害で、感染すると葉が湾曲して色あせ、黄色っぽくなるのが特徴です。
湿度90%以上かつ気温10~20℃前後で発生しやすいとされ、淡路島での大発生時は中晩生品種のたまねぎの定植時期である2015年11月、12月に高温多湿が続き、さらに2016年の春先にも曇雨天が続いたことから前代未聞の事態となりました。

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これを受け、すぐに行動を開始したのがJAあわじ島の営農指導員の方々です。防除暦を見直し、年9回行う防除のうち4回だったべと病の回数を7回に増やし、年間の防除回数を12回に引き上げるとともに、極早生(ごくわせ)・早生(わせ)、中生(なかて)・晩生(おくて)と収穫する時期に応じた散布方法を細かく定め、使用する薬剤も改めて吟味。この時、いくつかの候補の中で特に目を引いたのが『ピシロックフロアブル』だったといいます。

高い予防効果と確かな実績が導入の決め手に

「『ピシロックフロアブル』は、これまでにも日本曹達の担当者から提案を受けていた薬剤であり、提出されたデータからも他とは違う効果が期待できると確信しました」とJAあわじ島 八木支所で営農指導員を務める菖蒲達也(しょうぶ たつや)さんは話します。

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同時期にいくつかの薬剤も採用の候補に挙がっていたそうですが、兵庫県立農林水産技術総合センターや南淡路農業改良普及センター、JAあわじ島が一体となって薬剤の試験を重ねるなかで、べと病に欠かせない予防効果、なかでも潜伏感染防除の効果が優れていたこと、ドリフトがあってもたまねぎ以外の主要野菜であるキャベツ、レタス、はくさいなどにも登録があるので影響がないこと、作用機構がこれまでの薬剤とはまったく異なるため耐性菌対策が立て易いことが決め手となり、ローテーションの1剤として『ピシロックフロアブル』が採用されました。

『ピシロックフロアブル』はたまねぎだけでなく、キャベツやレタス、はくさいなどのべと病にも適用できる殺菌剤となっており、淡路島で『タマネギべと病』が大発生する5年ほど前に、日本一の夏秋キャベツ産地である群馬県嬬恋村で『キャベツべと病』における効果を試験済みでした。
「適期に予防的に散布を行えば、他の予防剤や治療剤よりも防除効果に優れる上、薬害はほぼ認められないことも大きかったですね」と菖蒲さん。こうした確かな実績があったことが導入の後押しになったと語ります。

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良い薬剤×手厚い営農指導×丁寧な仕事でべと病を撃退

指導員から初めて『ピシロックフロアブル』を紹介された時のことを、ベテラン生産者の細川満(ほそかわ みつる)さんはこう振り返ります。
「高濃度で使用しても薬害がほぼなく、(たまねぎには)収穫前日まで散布でき、周辺作物にも登録があるのでドリフトしても安心だと聞きました。実際の使用感も水に混ざりやすく使いやすいし、皮ふが荒れるなどの人への影響もない。私たち農家は難しいことは分かりませんが、大切に育てている作物が病気にならず成長してくれるのが何よりうれしい。そういう意味では『ピシロックフロアブル』はとても効果的な薬剤だと思いました」

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一定の湿度と気温という条件が揃えば爆発的に感染が広がるのが、べと病の怖いところ。特に天気が変わりやすい春先は経験の浅い生産者には判断が難しい面があり、先を読みながらいつ防除を行うかを決めていかなければなりません。
今回お話を伺った細川さんのように天気予報を睨みつつ細やかに防除を行った生産者は、大発生時にもあまり影響なく圃場を守れたそうですが、半数以上の生産者がタイミングを逃して窮地に追い込まれたといいます。

こうした状況下で『ピシロックフロアブル』を採用し、県やJAが一体となって圃場の巡回・監視を行い、生産者へ警鐘を鳴らし続けることでべと病の封じ込めに成功。たまねぎのブランド産地は危機的状況を脱することができました。淡路島では2016年以来、べと病が大発生することはなく、2019年、2020年はほぼ0%の発生率を維持しているといいます。

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「いくら良い薬剤でもそれのみで野菜が育つわけではなく、営農指導員の適切な情報提供やアドバイスがあればこそ。良い薬剤と手厚い指導、そして私たち農家の日々の丁寧な仕事で『淡路島たまねぎ』は守られているんです。これからもJAあわじ島と手を取り合い、お互いに情報共有しながら産地を守っていきたい。JAあわじ島の営農指導はとてもしっかりしているんですよ」と細川さんは最後に笑顔で話してくれました

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べと病注意報が発令中! 大切な作物が病気を引き起こす前に予防を

日本曹達株式会社は1950年代に農薬分野へ進出以来、効力と安全性を追求した各種農薬製品を生み出しているメーカーです。そんな日本曹達が生み出したのが、殺菌剤『ピシロックフロアブル』です。
新規系統のテトラゾリルオキシム系殺菌剤であり、新規作用機構を有すると推定されているのが何よりの特長。べと病、疫病など卵菌類由来の病害に対して高い効力を示すとともに、既存の殺菌剤耐性菌に対しても有効なのでローテーション散布の1剤として活用することができます。また、浸達活性もあるので、葉の片面にしか散布できていなくても効果を発揮してくれるのもうれしいところです。

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収穫前日まで(はくさいは収穫3日前まで)使用でき、予防効果が主体の殺菌剤ではあるものの潜伏感染防除の効果もあるので、病気の兆しが見えかけた段階や雨が降った翌日に散布しても病気の発生を抑える効果が見込めるというメリットも。たまねぎ、キャベツ、レタス、はくさいのほか、ブロッコリーやトマト、きゅうり、なすなど幅広い作物に使用することができます。

現在(2021年3月時点)、山口・岡山・長崎・佐賀・和歌山・愛媛でべと病注意報が発令されています。地球温暖化の影響で年々高温多湿化が進む日本において、べと病対策はなくてはならないといえるかもしれません。大切な作物が病気を引き起こす前に、現行の予防法を見直してみませんか。

『ピシロックフロアブル』詳細はこちら

【取材協力】
あわじ島農業協同組合(JAあわじ島)

【お問い合わせ】
日本曹達株式会社
〒100-8165東京都千代田区大手町2-2-1
TEL:03-3245-6178

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