農業で大活躍するフォークリフト
重い荷物を効率的に運搬できる
重い荷物を運ぶ機会は、農業でも少なくありません。
手で運ぶという選択肢もあり得ますが、効率や体への負担を考えると現実的ではないでしょう。そこで、使用されるのがフォークリフトです。車体についた2本のツメ(フォーク)を上下させることで重い荷物を持ち上げ、効率的に運搬できます。
用途は多岐にわたる
使用シーンは農家ごとに異なり、多岐にわたります。
鉄製の資材や、肥料など、重い物は多々あるため、作物や農業の規模に関わらず、使用する機会があるでしょう。
一例では、収穫した作物の入ったコンテナをパレットと呼ばれる台に載せて、ひとまとめにして出荷用のトラックへ積み込む場合などがあげられます。
フォークリフトの運転に必要な資格とは
フォークリフトの運転には資格が必要
フォークリフトを運転するには資格が必要です。
フォークリフト免許と呼ばれることもありますが、正式な名前は「フォークリフト運転技能講習修了証」です。18歳以上なら、講習を受けて修了することで運転できるようになります(※)。
更新の必要はありませんが、修了証に記載された名前が変わった場合は、書き換える必要があります。
※ 18歳未満でも受講は可能ですが、運転業務に就けるのは18歳以上となるため、受講先により対応が異なります。申し込みの際に確認してください。
「運転技能講習」と「特別教育」の違いとは
フォークリフト運転技能講習は、最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転の際に必要な講習です。
一方で、最大荷重が1トン未満のフォークリフトを運転する際には、運転者の雇い主である事業者が、安全のための特別な教育をしなければなりません。これを、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」といい、「特別教育」と略されます。
つまり、フォークリフトを運転するための資格は2種類あります。
なお、これらは私有地での運転の場合のみで、公道を走る際には別途、フォークリフトのサイズなどに応じた運転免許証と、フォークリフトの自動車登録が必要になりますので注意しましょう。
フォークリフト運転技能講習を受講するには
一般的な方法
フォークリフト運転技能講習は、都道府県の労働局に登録した教育機関がそれぞれで実施しています。特別講習についても、事業者に代わって教育を行っています。
実施機関はさまざまですが、豊田自動織機やコマツなどのフォークリフトのメーカーでも行っていますので、地域ごとで調べてみるといいでしょう。
講習は通常、4日間3.5万円程度
35時間の講習を、通常は4日間に分けて受けます。
講習時間の内訳は、フォークリフトの取り扱いや関係法令を学ぶ学科が11時間、走行や荷役の操作を学ぶ実技が24時間です。
ただし、普通自動車免許を持っていれば学科4時間が免除されるなど、保有資格によって受講時間は異なります。実際は、この31時間の講習を受ける人が多いことでしょう。
学科と実技の講習後に、それぞれ修了試験があります。試験に合格すれば晴れて修了となります。一般的に合格率が高いことも特徴です。
また、受講費はすでに保有している免許などによっても異なりますが、3万5000円程度になります。
農業大学校でも受講ができる
在学中に受講もできる
多くの教育機関でフォークリフト運転技能講習は実施されていますが、農業者にとっては、身近な農業大学校で受講するという方法もあります。
在学中に受講の機会も設けられていますので、就農後のために受講を検討してみるのもおすすめです。
生徒でなくても農業大学校で受講できる
また、入学しなければ、農業大学校での受講がかなわないというわけではありません。
すでに就農している人や社会人でも受講できる研修を設けている農業大学校もあります。農業で活用する資格だからこそ、農業を教えてくれる機関で受けたいという人などは調べてみてはいかがでしょうか。
ただし、必ずしも受けたい学校に講習があるとは限らず、また開催時期や受付人数などの制限もありますので、事前に近くの農業大学校へ確認するといいでしょう。
安全な使用を心掛けよう
重たい荷物の運搬に便利なフォークリフトは、さまざまな活用機会があり、講習を受けられる機関も多く設けられています。
機械の利用は危険とも隣り合わせですので、十分に学び、安全な使用を心掛けましょう。