積年の悩みがついに解決! 温度や湿度、照度の異常を携帯電話に通知するシステムで「月400分の巡回作業がゼロに」|マイナビ農業

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積年の悩みがついに解決! 温度や湿度、照度の異常を携帯電話に通知するシステムで「月400分の巡回作業がゼロに」

積年の悩みがついに解決! 温度や湿度、照度の異常を携帯電話に通知するシステムで「月400分の巡回作業がゼロに」

圃場での温度や湿度、照度などの適切な管理は作物の収量増大や品質向上に大切だが、機器が設置してある畑への巡回確認という負荷とのせめぎあいである。例えば、小菊の電照栽培では、利用する電灯が風雨などの影響で漏電し、ブレーカーが落ちてしまう場面もしばしば。これによって小菊が商品価値を失ってしまう恐れがあることから、農家は睡眠時間を削って夜間に電照の確認をしなければならないという。こうした確認作業を省力化する妙手はないのか。解決の糸口を、沖縄県糸満市の事例から探る。

最低でも3日に1度は夜間巡回という負担

全国における小菊の出荷量の半分近くを占める沖縄県。糸満市で電照菊を作る大城太志さんが長年悩まされてきたのは、畑の電照が正常に稼働しているかどうかを確認する手間だった。

電照菊とは、夜間に光で照らすことで、開花時期を遅らせるよう栽培した菊のこと。菊は日照時間が短くなると花芽を形成し、開花する性質がある。需要が急増する春秋の彼岸、盆暮れ正月などに多く出荷できるよう、電照で生育を調整しているのだ。

このため大城さんは少なくとも3日に1度、電照をつけ始める夜11時ごろから点在する複数の畑を巡回し、正常に電照されているか確認してきたのだという。

強い風雨にさらされることが多い沖縄県では、風雨の影響で漏電ブレーカーが落ちて、点灯しなくなることがしばしばある。電照が点灯しない状態が3日間ほど続くと、菊は花芽をつけて開花し、商品価値を失ってしまう。このような事態を回避するためには夜間の巡回確認が必要であり、睡眠時間を削ることになる。糸満市の小菊生産者がずっとやってきたことだが、負担が大きく、ぜひとも解決したい課題でもあった。

「月の作業時間が400分減った」。就寝時刻を約1時間前倒しに

こうした悩みを解消するべく導入したのが、KDDIウェブコミュニケーションズ(東京都)がサービスを提供する農作業支援通知システム『てるちゃん』だ。

同システムは畑に設置した小型のセンターが温度と湿度、照度を計測すると同時に、設定した値から外れるとクラウド上で異常かどうかを判断して利用者の携帯電話やスマートフォンに、電話やショートメッセージサービス(SMS)、メールで検知した異常を知らせてくれる。いつでも、どこにいても異常を察知することができるため、確認や巡回の手間が省け、農作業を効率化できるというわけだ。

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『てるちゃん』の確認画面の一例。あらかじめ設定した値から外れると、通知してくれる

糸満市では電照菊を作る4戸の農家が2018年から、実証実験を通して『てるちゃん』の利用を始めた。そのうちの一人である大城さんは「(月に400分ほど要していた)巡回作業がゼロになった」と成果を語る。就寝時刻を1時間ほど前倒しすることができ、睡眠時間の確保とともに、「畑はどうだろう」という心配からも解放された。

こうした作業効率の好転ぶりや実証実験等での結果を受けて、「夜に畑へ行かなくても通知が来るのであれば、こんなにありがたい話はない。センサーからの情報で農業ができるようになれば、農業の敷居が低くなって新規参入が増えるのでは」と期待を寄せる大城さん。ほかの導入農家が「これまでは巡回直後にトラブルが起こる不安が残ったが、『てるちゃん』ではトラブルがあれば通知される仕組みなので、心配がなくなった」、「昼間に行なっていた電気設備点検作業を減らすことができ、その時間を別の作業に当てられるようになった」と評していることからも、システムによって肉体的、精神的負担の軽減につながったといえる。負担が軽減することで、これまでできなかった農作業ができるようになり、品質管理への好影響も期待できそうだ。

誰しもが使いこなせるユーザビリティのよさ

KDDIウェブコミュニケーションズは糸満市でのこうした成果を受けて、『てるちゃん』を全国展開している。開発にあたりこだわったのは、農家にとっての使いやすさだ。

まず小型センサーの設置にかかる時間は、およそ5分。電照菊の圃場では無線で簡単に設置でき、面倒な配線工事は一切ない。親機であるルーターを配電盤内のコンセントに挿すだけで設置完了だ。

通知設定できる携帯電話は、スマートフォンだけでなく、ガラケー(ケータイ・フィーチャーフォン)でも可能であることもポイントだろう。これまでスマートフォンを使う機会がなかった農家でも導入でき、使い慣れたデバイスを用いて作業効率の改善を図ることができるのは、『てるちゃん』ならではの特長といえる。

機能は環境データの測定と通知だけに絞っている。同社は「農家の方にとってより使いやすいよう、農業IoTでは一般的なログ機能やデータの見える化機能はあえて削った」と説明する。

農業現場で、本当に求められている機能だけに限定したことで開発費等が抑えられ、個人農家でも導入しやすい価格帯になっている。初期費用は24,750円ほど、月額利用料は990円から。

農家にとっての使いやすさを第一として開発された『てるちゃん』が普及していくことは、これまで農業IoTに無縁だった農家がその効果を実感できる機会が広がり、やがてはスマート農業普及へのステップとなる可能性があるといえる。名前も親しみやすいこのサービスがもたらす農業のこれからに注目したい。

【問い合わせ】
株式会社 KDDI ウェブコミュニケーションズ 農業IoT『てるちゃん』
〒107-0062 東京都港区南青山 2-26-1 D-LIFEPLACE 南青山 10F
◆『てるちゃん』の詳細はこちら
https://www.tel-chan.com/

◆ご利用のお申込み、事前のご相談はこちら
https://support.tel-chan.com/hc/ja/requests/new

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