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安価で高機能な環境制御装置を、イチゴ農家が作って&使ってみた!

安価で高機能な環境制御装置を、イチゴ農家が作って&使ってみた!

日々の暮らしがどんどん便利になる昨今、農業現場でも環境制御システムなどの登場によって農家の負担が解消されつつあります。気になるのは、どんなことが、どのくらいのコストで実現できるか。そうした中、驚くほど低コストの環境制御システムがこのほど登場しました。「DIYで必要な機能のみで構築でき、コストが大きく抑えられる」と高評価を集める同システムの実力を、注目のイチゴ農家に試してもらいました。

誰が管理しても、品質や味を守り続けられるように

イチゴの王様とも呼ばれる 「あまおう」を中心に栽培している、福岡県久留米市のうるう農園。いちご狩りのシーズンになると多くの人で賑わう同園のこだわりは、昔ながらの土耕栽培です。海藻やなたね粕からできた有機質肥料などを厳選し、安全・安心なイチゴづくりに取り組んでいます。

「イチゴ栽培を始めたのは、30年以上にわたって減農薬であまおうを栽培してきた地元農家の師匠と出会ったことがきっかけ」と振り返るのは、同農園の古賀百伽(こが・ももか)さんです。

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農園立ち上げの経緯を語る古賀さん

師匠の勇退に伴い、平成30年にハウスを譲り受けて、うるう農園を夫婦でスタート。元肥は有機肥料100%にこだわり、福岡県では認証率1%以下となっている特別栽培農産物にも認定されています。

贈答用のあまおうのほか、イチゴアイスやジュース、ジャムづくりに最適な冷凍あまおうが人気を集め、農業経営は上々。そんな古賀さんの悩みは、品質や味を守り続けるための管理方法だったと言葉を続けます。

ハウスは現在6棟あり、今年の夏にはもう1棟新設する予定。農園スタッフは常時6名、シーズン中はその2倍のスタッフが作業にあたりますが、「農園の規模が大きくなるにつれて、個人のスキルに頼っていては、安全性や味を守り続けるのは難しいと感じるようになりました」。

そこで興味を持ったのが、クラウド連携型DIY環境制御システム『アルスプラウト』でした。必要なデータを見える化し、誰が見ても次に何をすべきか分かるようにしたいと導入。「コストや使い勝手の良さが決め手になりましたね」と古賀さんは話します。

アルスプラウトの詳細はこちら

想像以上に簡単! 組み立てからセットアップまで2時間程度

『アルスプラウト』最大の特長は、DIYで必要な機能だけを選んで自由にカスタマイズできること。自身で組み立てるからこそ、小さな故障やトラブル時、消耗品のセンサーを取り換える時などでも、自ら対応できるというメリットがあります。

『アルスプラウト』には、ハウスの環境を見える化する「モニタリング」のほか、環境をコントロールする「制御」の機能も備わっています。古賀さんはこの「モニタリング」のうち、「日射センサー」、「温湿度センサー」、「CO2センサー」の3機能を採用しました。このほかにも「土壌センサー」や「外気象センサー」があり、「制御」の機能も含めて、必要になった段階で後付けできるという拡張性の高さも同装置を選んだ理由の1つだといいます。

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写真付きのわかりやすいマニュアルがあり、1人でも難なく組み立て可能

タブレットでマニュアルを見ながら作業を進めていく古賀さん。小さな部品もあるため、落とさないよう敷物の上で組み立てます。「小学校の図工の時間みたいで楽しいですね」。

組み立てること1時間ほどで半分以上が完成。「自分で作ったからか愛着が湧きますね」と、思わず顔をほころばせました。

モニタリング装置が完成したら、今度はパソコンで設定作業を行います。もちろん、このマニュアルもHPから見ることができます。パソコンと本体をつなげたら、いよいよ本体のスイッチをオン。地理情報を入力し、日の出日の入りを自動表示できるように設定し、各種設定で数値管理していくことでこだわりのイチゴの最大収穫をめざします。

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(マニュアルを見ながら)一人でも設定することができますが、今回は販売元である株式会社サカタのタネの浜中悠さん(左)レクチャーの元、作業に当たりました

LINE通知が便利! 徐々に機能を追加し、完全制御をめざしたい

設置から約1カ月後、使用感を伺うため、再びうるう農園を訪ねました。感想を問われた古賀さんは開口一番、「とにかくLINEで通知されるから便利」と話します。「機器のトラブルや高温・低温などの異常があれば、すぐにLINEに通知されます。メールだと忙しくて拾い忘れそうな情報でもLINEならすぐに見返すことができるため、見過ごすことがありません」。

また、少し前から共有管理機能を使って、愛知県のイチゴ農家とデータをシェアしています。「お互いに自由に情報を閲覧できるので、わざわざ連絡を取り合うこともありません。イチゴのデータを収集できるのは1年に1度だけ。自分の農園以外のデータを見ることができると非常に参考になりますね」。

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収集したデータはいつでも確認、共有でき、公開するデータも自由に選ぶことができます

共有管理機能は、販売元であるサカタのタネから農家の方々の要望を伝えて生まれた新機能。「遠方の農家さんのデータから学んだり、過去のデータと見比べたりと、部会や営農指導でも活用できると思います。公開するデータを選ぶこともできます」と浜中さん。

「私たちもシェアリングの仲間をもっと増やしたいですね。この機能があれば、研修生が独立した後もアドバイスしやすくなります」と、古賀さんも高く評価しています。「ハウスの棟数が増えると必然的に管理が大変になります。そこで人的なミスがあれば、後に大きく影響することも。未然にミスを防ぐことに期待を寄せています。将来的にはすべてのハウスで導入し、自動制御をめざしたいですね」と、展望を話してくれました。

農作業を便利にしてくれるだけでなく、仲間との情報交換を通じた技術の向上など、さまざまな可能性を秘めている『アルスプラウト』。環境制御システムの機能の見直しを検討している方、コストの削減を目指している方はぜひ、試してみてはいかがでしょうか。

【取材協力】
うるう農園
https://uluu-noen.com/

〒830-0102 
福岡県久留米市大善寺町夜明2072

【問い合わせ】
株式会社サカタのタネ ソリューション統括部
https://www.sakataseed.co.jp/

〒224-0041
神奈川県横浜市都筑区仲町台2-7-1
TEL 045-945-8806
※問い合わせの際、「マイナビ農業を見た」とお伝えください

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