森林環境の維持向上に関わる専門職「フォレスター(森林管理官)」を養成!―【奈良県フォレスターアカデミー・学生募集中】|マイナビ農業

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森林環境の維持向上に関わる専門職「フォレスター(森林管理官)」を養成!―【奈良県フォレスターアカデミー・学生募集中】

森林環境の維持向上に関わる専門職「フォレスター(森林管理官)」を養成!―【奈良県フォレスターアカデミー・学生募集中】

奈良県では、スイス・ベルン州と友好提携協定を結び、スイス林業を参考に「新たな森林環境管理制度」の導入を進めています。その担い手を養成する教育機関として2021年4月に開校したのが『奈良県フォレスターアカデミー』。全国初の「フォレスター学科」を設置した森林・林業に関する大学校として注目を集めています。

「施業放置林の解消」や「新しい森林環境管理」を実践する人材を養成

奈良県の吉野川上流地域(川上村、東吉野村、黒滝村)は、「吉野林業地域」と呼ばれ、室町時代から集約的な施業による日本有数の優良木材の産地として発展してきました。

現在も奈良県は28.4万haの森林面積を誇り、県土の77%が森林に覆われています。しかし、この森林の6割は人工林で、その多くが除伐や間伐などの保育を要する森林なのですが、近年、これらの森林環境の維持が奈良県の大きな課題となっています。

「山村地域の過疎化や木材価格の低迷などにより、林業従事者が減少した結果、必要な手入れがなされない施業放置林が増加し、15年ほど前から森林環境の維持が年々困難になってきました」と語るのは、『奈良県フォレスターアカデミー』の校長である藤平拓志さん。

奈良県フォレスターアカデミー

こうした課題を解消するために、奈良県では2006年から『奈良県森林環境税』を導入し、税収を活用した施業放置林の整備や里山整備の推進、森林環境教育の推進、森林生態系の保全に取り組んでいます。

「奈良県では、森林の4機能(森林資源生産・防災・生物多様性保全・レクリエーション)を最大限に発揮させることを目標に、目指すべき森林(恒続林・適正人工林・自然林・天然林)への誘導を行っています。税制の導入4期目を迎えた現在は、混交林の誘導整備と森林環境の維持向上に関わる「フォレスター(森林管理官)」の養成に力を注いでおり、その教育機関となるのが『奈良県フォレスターアカデミー』なのです」と、開校のねらいを話します。

奈良県フォレスターアカデミー

教室は奈良県立吉野高等学校の一角に


 

森の番人「フォレスター」になるための専門知識や技術を網羅

スイス・ベルン州と友好提携協定を結んだ奈良県は、スイスやドイツのフォレスター制度などをモデルとした「新たな森林環境管理制度」を導入。2020年4月には『奈良県森林環境の維持向上により森林と人との恒久的な共生を図る条例』を制定し、経済性と環境保全を両立する「恒続林」をはじめとした森林管理手法で、持続可能な林業を目指すことを決めました。

奈良県フォレスターアカデミー

ハスクバーナ・ゼノア株式会社によるチェーンソー実習

その担い手となる人材を養成するのが『奈良県フォレスターアカデミー』なのですが、では、どんなことが学べるのでしょうか。

「本校には、森林を守る専門的な知識と技術を持った“森林の総合プロデューサー”を育てる【Forester:フォレスター学科(2年制)】と、森林現場の最前線で高度な技能を発揮できる人材を養成する【Forest Technician:森林作業員学科(1年制)】があります。ともに1年目は森林作業員としての基礎能力を育むため、チェーンソーや林業機械の操作に欠かせない資格の取得や森林に関する基本的な専門知識を学び、フォレスター学科は2年目から森林に関する高度な専門知識や経営、コミュニケーション、リーダーシップといった現場で求められる基礎能力を強化するカリキュラムが組まれています」と藤平校長。

奈良県フォレスターアカデミー

多様な林業機械についても全てアカデミーで保有

1年目の早い段階で森林での仕事に必要な各種の資格を取得できることに加え、外部講師として産学官の多彩な人材が名を連ねているのも特徴です。例えば、吉野林業の第一線で活躍する黒滝村森林組合の梶谷哲也さんによる伐木・造材などのチェーンソー実習や国内でも数名と言われる自然配植のスペシャリストの高田研一さんの講義など充実のカリキュラム。

取材当日はハスクバーナ・ゼノア株式会社によるチェーンソー実習が行われており、メーカーだからこそ伝授できる機械の構造やメンテナンスの方法に加え、安全で効率的なチェーンソーの操作や取り扱いについてのレクチャーが行われていました。この授業は、森林の4機能のうち「森林資源生産」に関連した授業で、アカデミーでは森林の4機能の発揮に必要となるさまざまな授業を実施しています。

    ◇カリキュラム(フォレスター学科/森林作業員学科) ※印はフォレスター学科のみ
     
    1.収穫(林業機械技術、森林作業システム、路網計画)、 2.森林経営(資源管理、林業会計、労働安全)、 3.木材利用(木材流通、森林認証、吉野材)、 4.基盤整備・防災・減災(森林土木、測量、災害対策、保安林制度、森林水文学)、 5.森林環境(森づくり、生物多様性、森林保護、動植物学)、 6.森林利用(森林の多面的機能、森林レクリエーション)、 7.地域づくり(過疎対策、吉野林業、郷土史)※、 8.社会環境(環境経済、環境影響)※、 9.森林法令(森林行政、森林所有制度[登記・地籍])、 10.社会経済(社会統計学、マーケティング)※、 11.企業経営(経営分析・評価、企業運営)※、 12.IT技術(情報処理、CAD、GIS)、 13.広報(広報の理論と実践、森林環境教育)、 14.調整能力(コミュニケーションの理論と実践)、 15.リーダーシップ(リーダーシップの理論と実践)※、 16.基礎研修(機械運転等資格取得、一般教養)、 17.インターンシップ(林業事業体等での実務研修)、 18.海外研修(スイス林業教育センター等での研修)※

また、卒業後の就職を見据えた就業支援にも力を入れています。県内の森林組合や林業事業体とのマッチング支援はもちろん、県職員として働く道もあり、奈良県職員採用Ⅱ種試験(森林管理職)に合格して採用されれば『奈良県フォレスター』として県下の各市町村で活躍することも可能です。

奈良県フォレスターアカデミー

第一期生の20名

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<講師からのメッセージ>技術を高め、木と向き合い、森を守れる人材を育てたい

外部講師の一人である梶谷哲也さんは林業歴23年のベテランですが、実は東京生まれの東京育ち。田舎暮らしに憧れてIターンで黒滝村森林組合に入職して以来、林業の虜になったといいます。

奈良県フォレスターアカデミー

「吉野林業は500年以上もの歴史があり、全国的にも珍しい樹齢100年を超えるスギやヒノキがあたり前のように存在しています。これは100年前の人が苗を植え、丁寧に間伐して育て、森林を守ってきた証なのです。私は森林組合の一員として先人から受け継いだ吉野の森を守るとともに、本校の講師として経済性と環境保全を両立する恒続林を実現し、それを守れるフォレスターを育てたいと思っています。温暖化やゲリラ豪雨など気候変動は年々激しくなり、その中で成長し続ける木は太く、重く、大きく扱いづらくなる一方で、林業従事者の負担は大きくなっています。しかし、私たちが森林に手を入れて安定した状態を保つことで、温暖化の抑制に貢献ができ、風倒木や土砂崩れを未然に防ぐことで、美しい水源や多種多様な生物を守ることができるのです。100年先の未来のために、学生のみなさんにはここで持続可能な森林管理を学び、活躍してもらいたいと願っています」と、熱いメッセージを送ります。

〈第一期生にインタビュー〉ここでしか学べないことがある。それが入学の決め手

最初にご紹介するのは、高校を卒業後、フォレスター学科で学ぶために熊本県から奈良県での進学を決めた原田拓さんです。

「林業を生業とする家に育ち、幼い頃から野山を裸足で駆け回っていた私の転機になったのが2016年の熊本地震です。生活の場であり、身近な遊び場でもあった森林が地震で大きく崩れたのを目の当たりにし、森の役割を学び、森林を通して人の暮らしを守る仕事に携わりたいと考えるようになりました。そんな思いを持ち続ける中で『奈良県フォレスターアカデミー』の開校を知り、興味を持ちました。熊本にも林業大学校はありましたが、フォレスター学科はここにしかありません…それが入学の決め手です。まだ学び始めて数カ月ですが、技能講習や特別教育などで林業に必要な資格はほぼ取得できました。将来の具体的な目標はまだ決めきれていませんが、森や林を守るだけでなく、人も快適に安心して暮らせる環境を実現したいという初心はぶれることはありません」と力強く語ってくれました。

奈良県フォレスターアカデミー

次にお話を伺った国本峻さんは兵庫県の出身で、大学を卒業後に山梨県で林業機械の整備に携わり、それが縁で岡山県に移住して林業に従事。『奈良県フォレスター』となる職員採用の試験を経て『奈良県フォレスターアカデミー』で学ぶことになりました。

奈良県フォレスターアカデミー

「『奈良県フォレスター』として県下の各市町村に派遣され、森林を管理するのが私の卒業後の進路です。歴史ある林業地帯の最前線で森林環境の維持向上に関わる仕事に惹かれて受験を決めました。また、国や県が発信する森林環境の指針を地域に落とし込む役割にも大いに魅力を感じています。これまでの職場でも相応の知識や経験は積んできましたが、森林の4機能に基づいて目指すべき森林へと導くノウハウを学べるのは『奈良県フォレスターアカデミー』だけです。そのカリキュラムは別格で、個人的には土壌学や森林立地の授業が楽しみで、国内でも数名と言われる自然配植のスペシャリストから直接指導を受けられるのを楽しみにしています」と話す国本さん。取り組みの先進性から奈良県のイメージが変わったと笑います。

様々な年齢や経歴の方が学んでいる『奈良県フォレスターアカデミー』。これまで全く林業や森林に縁のなかった方も、一から技術や知識を習得することで着実に成長しています。

あなたも歴史ある奈良県で「新しい森林環境管理」を学び、持続可能な林業経営と人と共生する森づくりに貢献しませんか。

募集要項はこちら

 

◆募集日程
※試験合格者の累計が募集人員に達した場合は、それ以降の募集を実施しない場合があります

区分 出願期間 試験日 合格発表
第1回 2021年8月23日~10月1日 2021年10月10日 2021年10月18日
第2回 2021年11月1日~12月3日 2021年12月11日 2021年12月20日
第3回 2022年1月11日~2月18日 2022年2月27日 2022年3月7日

 

オープンキャンパス(要申し込み・参加無料)

    ※オープンキャンパスをオンライン開催に変更します※

    【日時】
    2021年8月28日・13:00~

    【開催方法】
    Zoomによるミーティング形式

    【当日のスケジュール】
    13:00 校長挨拶、オリエンテーション
    13:30 学生企画による実習体験動画の配信(各20分程度)
     ・チェーンソー体験
     ・自然観察
     ・くつろぎ空間体験
     ・地すべり模型を使った実験等
    15:00 質疑応答
    15:30 終了予定

    詳細はこちら


 

お問い合わせ

奈良県フォレスターアカデミー
〒639-3113 奈良県吉野郡吉野町飯貝680
(奈良県立吉野高等学校普通特別教室棟3階)

TEL:0746-42-8100
(平日8:30~17:15)
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黒滝村森林組合のホームページはこちら
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