就農・移住で人気の阿蘇エリアで、
新たに短期インターンシップを開催
熊本空港から約40分。阿蘇五岳のひとつ・根子岳の麓にある高森町。湧水に恵まれ、阿蘇五岳をバックにトロッコ列車が走る姿は、まるで絵本の1ページのようで、のどかな景色が広がっています。山には神話の町・阿蘇ならでは、神々が宿ると言われる南郷檜(ナンゴウヒ)が育ち、その材質の良さや歴史から神社仏閣で使用されることが多いブランド檜です。さらに、古くから育てられてきた里芋の一種・つるのこ芋を使った田楽は、囲炉裏で味噌を塗ってじっくり焼き、芳ばしい香りとほくっとした食感がたまらない郷土料理。これを目当てに足を運ぶファンが多い人気グルメです。根子岳を望む絶景温泉もあり、フライフィッシングのメッカとしても名高く、山の幸もたっぷり。自然・食ともに豊かな地域です。
このように、観光スポットとしても魅力的な高森町には、約6,200人の人々が暮らしています。中心部には、スーパーやドラッグストアも多く、熊本地震の際も、孤立しながらも生活ができる利便性の良さも強みの一つです。第一次産業を基盤産業とし、稲作・高冷地野菜・畜産などが盛んで、近年はトマトや赤ナス(ヒゴムラサキ)、アスパラなどの施設野菜、トルコギキョウなどの施設花きの生産が増え、安定的な収入を実現していると言います。

自身も熊本県水俣市からの移住者と話す高森町役場 農林政策課農林振興係の村山さん
そんな人気スポットですが、近年の時代の流れから人口流出は否めないと、高森町役場・農林政策課の村山広樹さんは言います。とはいえ、2023年春卒業予定の大学生・大学院生のうち、インターンシップ参加者の割合は2020年卒以降、過去最高。コロナ禍で大学での活動が減り、空き時間をインターンシップに活用する学生が増えています。さらに、制限される生活や将来への不安から、就農を本気で検討する社会人も増えている傾向からも、「農業」「田舎暮らし」への注目は、これまでにないほどの高まりを見せているのです。ただ、「興味があるけど、いきなり移住するのは不安」と言うのが本音でしょう。そんな不安を解消するのが、高森町の2泊3日の短期インターンシップです。
県知事認定の「指導農業士」「農業師匠」としても活躍中!
高森町で就農したくなる魅力を現役農家に聞いてみた!
気軽に体験ができる短期インターンシップ。実際にどんな農家さんの元で研修をするのでしょう? 「稲作やトマト、赤ナス(ヒゴムラサキ)、花き、畜産など、興味のある作物を聞き、受け入れ農家とのマッチングを行います。宿泊は、民宿や農泊などさまざま。まずはご希望を聞かせてください」と村山さん。さらに、インターンシップ受け入れ農家の一人で、就農25年目を迎える「Shiraishi Flower Farm」の白石豊和さんに、「高森で就農するメリット」を伺いました。
1.経験豊富な先輩から、失敗しない農業のノウハウを学べる
「指導農業士」や「農業師匠」として、後世育成に力を入れている白石さん。このように、高森町は地区を挙げて新規就農者へのサポートを行っている、新規就農者には心強い地区です。「私が就農した頃は、見て学べ。失敗してなんぼの時代でしたが、ゼロからのスタートは苦労ばかり。私たちの目的は、『仲間を増やすこと』。大体の失敗は私たちが経験済みなので、それらを踏まえて、出来るだけ失敗しない近道を教えているんです」と白石さん。
\農業師匠について★詳しくはコチラ/
阿蘇の「農業師匠」に学ぶ農業のイロハ!
野菜・花き・畜産の研修でプロ農家の第一歩を目指そう
高校は普通科に進学しつつも、「自分の力で何かをしたい」と強く願うようになり農大へ進学した白石さん。卒業後は高森に戻り、両親とともに農業を行っています。「農業は自然に左右されます。就農した当時は露地野菜が多く、収量が安定しないのがネックでした。そこで、しっかりとハウスなどの施設を作って農業をしないと、安定は難しいと考え、花きが盛んな地域と言うこともあり、私もチャレンジしてみることにしたんです。今ではハウスは20棟以上になり、トルコギキョウやユリ、水カラーなどを栽培。さらに、冬場でも育てられるストックをドレッシングに加工する六次化にも取り組んだことで、メディア等にも取り上げていただくまでになりました」。
2.標高800メートル。高冷地での農業はメリットが大きい
冬場はマイナス15℃にもなる高森町河原地区は、高冷地野菜の栽培に適した地域です。「気温が低いということは、害虫の悩みが少ないということ。消毒も少なく済むので、より安心・安全な野菜を出荷でき、さらに経費削減にもつながります。私は花き農家なので、冬季に育てやすい品種を試し、結果として燃料費が少なく済むストックを栽培しているんです」と白石さん。農業に害虫問題はつきもの。露地野菜が盛んだった背景には、高冷地ならではのメリットがあったのでしょう。まさに、高森町では風土に合った農業が大切に受け継がれているのです。
「とにかく農業に興味のある人は、気軽に短期インターンシップに参加してほしいです。実際に体験しないと分からないことが多いし、やるからには覚悟は必要です。『やるぞ!』と覚悟を決めたら、ぜひ移住を。私たちは、惜しみなく持っている技術をお伝えします」。続けて、「それに、私たちにとっても、新しい視点って大事なんです。消費者目線に近い新規就農者のみなさんからの意見やアイデアをもらいながら、お互い刺激し合い、より良い未来の高森町を作って行きたいです」と話してくださいました。これが、農家のみなさんの考え。ゼロからのスタートのはずが、高森町での新規就農は百人力なのです。
充実なのは就農支援だけじゃない!
移住後の将来を見越した、安心して暮らせる町
移住を決める上で欠かせないのは「暮らしやすさ」です。高森町での暮らしは、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょう? 熊本市から高森町に嫁いで20年の白石さんの奥さま・恵美さんにお話を伺いました。
「河原地区は中心地から離れているので、コンビニまで30分。信号もない地域です。最初は車を運転するのも怖かったですが、今では平気に。隣近所が遠いので、騒いでも問題ないため、のびのびと子育てをしています」。野山で遊ぶ高森の子どもたちは、実にたくましく育ち、何より素直だと絶賛! 「驚くのはICT教育。すでに、一人一台パソコンが支給され、オンライン授業もあるので、高森にいながら学べることが多い。こんな山の中でも光回線が通っているので、不便さを感じません。それに、我が家の中学生の息子は、パワーポイントも使いこなしているので、会社の企画書を作ってもらうこともあります。従業員で雇いたいくらい(笑)」。
「教育の情報化」が注目されていることでも知られる高森町。実は、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」より前から小中学生一人ひとりにパソコンを支給し、オンライン授業や課題解決型学習などの教育にも取り組んでいたほど。日本でもトップクラスのICT教育先進地区なのです。町内の光回線が拡充していることからも、快適なネットワークの接続が可能で、これは、人々の安心安全な暮らしにもつながっているのです。
「不妊・不育治療助成事業『こうのとり支援事業』、出産祝い金、就学支援金など、教育以外でも町からの子育て支援を行っているので、お子さんがいる方、これから子育てを考えている方にも安心して過ごしていただけると思います」と村山さん。また、光回線の拡充に加え、町内にはケーブルテレビ「たかもりポイントチャンネル」があることもポイント。「撮影から編集、放送まで高森で行っている地域密着型の番組です。ここで、行政や災害情報、地域の魅力を発信しているため、ネットに詳しくない世代もテレビをつければ情報を得ることができます」。
「今では不便さを感じないし、子どもたちだけでなく、私自身ものびのびと暮らせています。ネットも充実していて情報も得られるし、町の支援も手厚い。静かで落ち着ける環境で、花に囲まれて生活できるのは、ストレスを抱えている都会の人たちには癒しになるんじゃないかな」。移住を経験した奥さまの言葉は、実にリアルです。ご主人の豊和さんも、「自然の色は癒されます。フラワーセラピーじゃないけど、気軽に遊びに来てください」。
今回取材を受けてくれた3人の笑顔から、高森町での暮らしの豊さを感じます。
【熊本】【阿蘇】【移住】【就農】【子育て】【自然のある暮らし】どれか一つでも気になった方は、ぜひインターンシップで体験してみてはいかがでしょうか。きっと、阿蘇・高森町の本当の魅力を感じていただけるはずです。
【お問い合わせ】
高森町役場 農林政策課 農林振興係
〒869-1602
熊本県阿蘇郡高森町大字高森2168番地
TEL:0967-62-2915(直通)/0967-62-1111(代表)
FAX:0967-62-1174