給料をもらいながら歩き始められる、北海道のブランド「ニラ」農家への道|マイナビ農業

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給料をもらいながら歩き始められる、北海道のブランド「ニラ」農家への道

給料をもらいながら歩き始められる、北海道のブランド「ニラ」農家への道

ビタミンAやC、カリウム、食物繊維、抗酸化作用などで注目されているアリシンといった栄養素が豊富な野菜、「ニラ」。特有の香りとシャキシャキとした食感が大好きという人も多いことでしょう。農業王国である北海道において、その一番の生産地が観光地として有名な函館から車で1時間ほどの「知内町」。『北の華』というブランドでも知られています。新たに就農を目指す人を農業法人などが雇用し、研修を受けてもらう仕組みがあるため、安定した生活を送りながら仕事を学びたいという人にもおすすめです。

売上記録の更新を続けている
北海道が誇るブランド『北の華』

「ニラという野菜は本当にありがたい野菜なんですよ」と教えてくれたのはJA新はこだての藤澤純一さん。知内町は北海道の南に位置するとはいえ、農家にとって冬はやはり厳しい季節です。「通年収穫ができて、土地に合う野菜がないかを試行錯誤する中、何件かの農家さんがニラに挑戦したのが始まりだそうです。病気に強く、栽培しやすい、利益が得られやすいこともあって当初10件程度だった生産者は現在68件(※隣接する木古内町の農家を2件含む)にまで広がっています」。

ニラといえば『北の華』。北海道内で圧倒的なシェアを誇っているブランド

知内町ニラ生産組合の誕生から50年以上、20年ほど前には『北の華』という名称でブランド化を行い、「ニラといえば知内」という認知も徐々に広がっています。【糖度が高い】【葉幅が広くて厚みがある】のが『北の華』の特徴で、味が濃くて食感が良いと本州でも評価されています。「知内町の作物としては、トマトやホウレンソウなどもあるのですが、やはりニラのシェアが圧倒的。直近の5年間、毎年売上額を更新しています。この町で新たにニラ農家を始めるという方に増えてもらって、もっと盛り上げていきたいですね」。

JA新はこだての藤澤純一さん(右)と知内町役場で農業振興係を勤める保大木翔さん(左)

働きながら将来を考える雇用就労を行っている町

ハウスで管理されながら、一年中収穫できるのが知内町のニラ

新たに農家としてのスタートを切るにあたって不安を感じるのがやはり「生活していけるのか?」ということだと知内町役場で農業振興係を勤める保大木翔さんは実感しているそうです。「ここでは新規就農を前提に農家さんで研修をする方法だけでなく、町内の農業法人などに雇用してもらい、働いて給料をもらいながら仕事を学べる仕組みがあります。自分が農業の世界でやっていけるか、また本当に就農すべきかどうかをじっくり判断できるんです」。この仕組みを利用して、現在、農業法人に就職して3年目を迎えているのが滝川竜太さん(35)です。

漁師志望からニラ農家へ
就農を目指して修行中

漁師志望だったのにすっかり農家の顔つき。修行3年目の滝川竜太さん

(株)かさまつ農舎で働いている滝川さんは、近隣の函館市出身ですが社会人になってからは札幌や横浜などに暮らしていました。「自分は水産系の学校出身だったので、最初は漁師になろうと思って知内町に問い合わせたんですよ(笑)」。ところが漁業権の問題などのハードルが高く、漁師より先に事務系の仕事をすることになると知り「自分は身体を動かさない仕事は無理だな…」と思い、役場に相談したところ、農家でも働き手を探していると紹介を受けたそうです。「自分は結婚して家庭もあるので、雇用してもらえるというのはとてもありがたかったんですよ。農業は全くの素人で、家庭菜園を少しやったことがあるくらいだったんですけどね」。

「刈ってから20日あまりで次の出荷を迎えます。すごい生命力ですよね」

素人から働き始めて3年目「いずれは独り立ちしたいです」

「花が咲く茎が実は一番美味しいんですよ。これを味わえるのは特権ですね」

「ニラは植えた最初の年は球根に栄養を蓄えてもらうんです。それから年に3・4回、3年にわたって収穫し続けられる野菜なんですが、そんな知識も全く持っていませんでした」と話す滝川さん。最初は不安でいっぱいだったそうです。「なんせ生きているものを扱う仕事ですからね。温度や水の管理を間違えるとそのハウスのニラが全滅することだってありえるんです」。滝川さん自身、肥料の散布の仕方を失敗して、生育に偏りが出たこともあったそうです。「1年目に学ぶだけ学んで、2年目からはしっかりと責任感を持って、学んだことを実践しながら足りない知識と経験を補ってきました。親方(笠松剛久さん)がわかりやすく教えてくれるのでとても働きやすい職場ですよ」。
滝川さんの奥様も同じタイミングで(株)かさまつ農舎に入社。現在もパートタイマーとして、ニラの出荷前の調整作業などを行っています。知内に移住したときはまだ入籍をしていなかったという2人。夫婦のどちらもしっかりと働くことができる環境が、結婚を後押ししたのかもしれません。
従業員として就職して3年目となる滝川さんもいずれは独立し就農したいと考えているそうです。「今、ここでニラだけでなくトマトの栽培も学んでいます。自分が何をメインに就農すべきかをじっくり考えていこうと思っています」と真剣な表情で話してくれました。

「ニラは就農しやすい野菜。
不器用でも一生懸命努力してほしい」

「若い人にもっと頑張ってもらわないとね」と話す、滝川さんの親方、笠松剛久さん

滝川さんを社員として迎え、仕事を教えたのが笠松剛久さん。ニラのハウスが60棟、トマトが20棟、さらに水稲なども手掛けています。「うちで5年働いた人が独立して就農することになったタイミングに、役場から『知内で働きたい人がいる』と話が来て、2週間体験してもらったんです。その期間が終わる時、彼から『お世話になります』って言われてしまって(笑)」。滝川さんのことは最初に会った時に素直な人という印象を覚えたそうです。「要領が良くて仕事がパキパキできる人も良いですが、不器用だけど一生懸命頑張る人の方が長い目で見て伸びると思っています」という笠松さん。ニラは通年野菜で、知内町の場合『北の華』のブランド力があるおかげで、就農後の生活の安定という面ではとてもメリットがあるそうです。その半面、常に忙しいという大変さもあるとのこと。「農業に興味があったら、短期間の研修などに来て、見て、触れてほしいですね。好きになったら辛いことだって楽しく続けられると思いますよ」。

がむしゃらに努力する滝川さんの成長を笠松さんは温かく見守ってくれています

移住者の暮らしの安定を第一に
街が生活の基盤作りを応援

「移住&仕事を両立して町に根付いてほしい」と話す沖津優也さん

「町と7軒ある農業法人などが連携を取りながら移住と就労を両立できる仕組みを整えています」と話してくれたのは、知内町役場 産業担い手対策推進係の沖津優也さん。「色々なフェアや相談会で話を聞いていると『最初からリスクを負えない』『安定した収入を得たい』という声が多いんですよ。まず町での生活になれることから始め、従業員として働き続けるか、自営の農家となるかをじっくり考えてほしいですね」。役場の担当者にどんな暮らしをイメージしているかを話せば、短期間のインターンシップ体験をセッティングしてもらえます。「インターンシップや、年単位の長期研修、就業研修の住居として『しりうち地域産業担い手センター』を用意しています。知内町は函館市から近く、隣町の木古内町には北海道新幹線が停車する駅があり、来年には函館空港につながる高規格道路も開通予定と利便性もどんどん増しています」。まず一度、町に触れ、ニラ作りを始めとする産業に触れるために、知内町を訪れてみましょう。

単身用:15,000/月・750円/1泊、家族用:20,000円・1,000円/1泊(※光熱費込)という家賃で暮らせる


【お問い合わせ先】

知内町役場産業振興課内 知内町地域担い手育成センター
北海道上磯郡知内町字重内21-1
電話:01392-5-6161
FAX:01392-5-7166
E-mail:nourin@town.shiriuchi.hokkaido.jp

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