導入しやすく安定収入、加工用トマト契約栽培に注目
日本デルモンテ長野工場(長野県千曲市)は、国産フレッシュトマトジュースの製造拠点。国産トマトを使ったデルモンテブランドのトマトジュースの製造やプライベートブランドの受託製造を行っております。一方で加工用トマトの産地では高齢化や後継者不足が懸念されています。産地をサポートするために、日本デルモンテでは次世代を担う加工用トマト契約栽培農家の開拓に力を入れています。
加工用トマトは、露地で地這いで栽培でき、水やり、誘引、芽かきなどの作業が省けるため、生食用ほど手間はかかりません。潅水などの設備は不要で、苗、肥料、資材、農薬、人件費のみの少ない初期投資で始められる作物です。日本デルモンテが、全量を契約価格で買い取るため相場に影響されることなく、安定収入の柱として期待されています。
3代にわたる加工トマト栽培、高収益化で産地を守る
長野県栄村の宮川一哉さん(40歳)は、3年前に家業を継いで就農。日本デルモンテとの加工用トマト契約栽培は、祖父の代から50年以上にわたります。作付け面積は2町5反(2.5ha)。地域の主要作物であるアスパラガス、ズッキーニ、水稲、えのき茸に加え、8月収穫の加工用トマトで年間の収入の安定化をはかっています。
「今年は春からの天候不順でアスパラガスとズッキーニの収穫量が振るわなかったので、加工用トマトの収入が大きなウエイトを占めています。日本デルモンテとの契約で単価が決まっていて、採れたら採れただけ買い取ってもらえるので収入の見通しが立ちます」と安定収入の魅力を語る宮川さん。収穫は8月中の2~3週間で短期決戦。普段は夫婦で営農していますが、この間は1日20人のパート従業員を雇用しています。
「一斉に実が赤くなると作業が追いつかないので、早生、中早生、晩生の品種でタイミングをずらして収穫しています」と宮川さん。赤くなった実を順次手摘みして、すべてが熟したら枝から振るい落として拾う「一挙収穫」で取りこぼしのないように。収量アップのため元肥の配合にも工夫を重ねているそうです。
「日本デルモンテは祖父の代から長野県でトマトジュースを製造しているので信頼できます。近年は国産フレッシュトマトジュースが人気で、栄村のブランド商品も毎年すぐに完売しています。産地を背負う生産者として加工用トマトをつくり続けていきたいです」と抱負を語ってくれました。
機械導入で人手不足を解消、十分なサポートで生産に打ち込む
長野県飯山市は加工用トマトの適作地です。有限会社柏尾精米では機械収穫でシーズン終盤の追い込み中でした。管理面積30町(30ha)の水稲をメインに、野沢菜、ソバに加え、15年ほど前から夏場の収入源となる加工用トマトの契約栽培に取り組んでいます。2019年に産地パワーアップ事業の助成金を活用してトマト収穫機を導入。それまで手収穫で2町(2ha)だった圃場を倍の4町(4ha)に拡大しました。
「日本デルモンテとの契約栽培で良いものをつくれば収入面でも必ず結果が出るので、夏はトマトに全力を注いでいます。人手不足もあって収入が伸び悩んでいましたが、機械を導入して人の手では到底追いつかなかった量をこなせるようになりました」と話すのは、同社農事部長の関口栄作さん(38歳)です。
同社の収穫期は8月から9月半ばまで。パートを含む15人が加工用トマトの収穫に従事しています。機械専用の圃場では収穫をほぼ自動化しましたが、手摘みと比べると取りこぼしがありオペレーションに改善の余地があるそうです。また、苗から育てる契約農家が多い中、同社はハウスを立ち上げて育苗から行うなど、収益性アップに取り組んでいます。
契約農家を考えている方へひとことお願いすると、「収穫期は猛暑にあたるので体力的には厳しいですが、乗り越えると予定した収入が得られることがモチベーションになっています。サポートもしっかりしているので取り組む価値はあります」と、エールを送ってくれました。
栽培・収穫・出荷まで、契約農家をしっかりサポート
日本デルモンテでは、専用品種のトマトを栽培してくれる契約農家を募集しています。加工用青果物は市場流通しないため、同社は契約農家とのパートナーシップを大切にしてきました。現在、加工用トマトの契約栽培に取り組んでいる生産者は、個人農家から大規模生産法人まで業態はさまざま。JAや集落営農で地域ぐるみで取り組んでいる産地もあります。
栽培スケジュールは、地域によって若干異なりますが、概ね4~5月に定植、梅雨明けの7月から9月までが収穫・出荷期です。完熟で収穫したトマトは、選果や出荷調整をする必要はなく、最寄りの集荷場に運べば、日本デルモンテが回収して長野工場へ届けられます。集荷用コンテナは無料で支給され、出荷経費も同社が負担します。
現在、長野県内に20カ所の集荷場があるほか、青森、岩手、福島、新潟、群馬、栃木、茨城で共同輸送の便があります。地域で収量がまとまれば、新たな集荷場が設けられる予定です。
猛暑や多雨など天候不順に対応すべく、日本デルモンテでは加工用トマトの品種開発・改良を重ねて、雨に強い品種、採りやすい品種などを地域や営農スタイルに合わせて提案しています。最初は10aほどの小さな圃場で始め、感触を掴んで徐々に規模を拡大していく生産者が多いそうです。
「大切に育ててもらえれば必ず結果がついてきます。私たちもできる限りのフォローをしますので一緒に加工用トマトをつくっていきましょう」と日本デルモンテ原料グループの溝口周夫さんと長谷川翔子さん。地域ごとに栽培勉強会を開催するほか、シーズン中は圃場を巡回してサポートに努めています。
加工用トマトの契約栽培に興味を持ったら、日本デルモンテに話を聞いてみませんか。電話やメールで気軽にお問い合わせを!
【お問い合わせ先】
日本デルモンテ株式会社
農産原料部 原料グループ
〒387-0012
長野県千曲市桜堂485番地
電話:080-4159-9409 担当:長谷川
E-mail:shasegawa@delmonte.co.jp
ホームページはこちら
【募集エリア】
青森県、岩手県、福島県、茨城県、群馬県、栃木県、山梨県、長野県、新潟県、岐阜県