「カチオン塗装」とは?
ニンニクの腐食性ガスに耐えるユニットクーラの重要性
秋田県北秋田地域(大館市、北秋田市、上小阿仁村)で産地化が進む「ニンニク」。将来的には全国第2位まで押し上げることを目標に掲げ、 生産者と関係機関が一丸となって栽培技術の向上や販路拡大に取り組んでいます。2019年に設立した大館市の『株式会社gella(ゲラ)』もそのひとつ。設備を導入するにあたり最も重視したのが収穫後のニンニクを保管する冷蔵設備と代表取締役社長の杉渕孝義さんは話します。
「7月が収穫期にあたるニンニクの保存期間は長く、最低でも5ヶ月、できれば1年は持たせたいのが生産者の本音。発芽による品質低下を防ぐためにはマイナス2度前後での冷蔵保管が重要ですが、ニンニクから出る腐食性の硫化系ガスは冷蔵庫内のユニットクーラを腐食させる恐れがあります。そのため、ニンニクの冷蔵保管に対策を施していないユニットクーラを導入するとリスクがあることを先輩の生産者から教えてもらいました」。
標準仕様のユニットクーラの場合、腐食性ガスによって熱交換器のアルミフィンや銅配管が腐食すると冷媒ガスの漏れの原因となり、短期間で修理が必要になることがその理由です。作物から発生する腐食性ガスに対応するには耐食性を高める対策が必要。そのなかでも高い効果を発揮するのが「カチオン塗装」です。ところが、この特殊な塗装は特注になるため、受注生産や改装による対応が一般的。費用も納期もかかるうえ、万が一のトラブル時にメーカー交換による迅速な対応が期待できないことが生産者の大きな負担になっていました。収穫した農作物は大切な財産であり、冷蔵庫はいわば金庫のようなもの。安心して農作物を保管できる冷蔵設備を検討していたとき、杉渕社長が出会ったのが防食仕様を標準ラインナップしたダイキン工業の冷蔵用ユニットクーラでした。
ニンニクもユニットクーラも「長持ち」させることが重要。トラブル時の迅速な対応も
農業分野に新規参入をした杉渕社長が設備を導入するにあたり、相談をしたのが『ヤンマーアグリジャパン株式会社』です。同社はカチオン塗装による防食仕様を標準ラインナップしているダイキン工業の冷蔵用ユニットなら、機能・メンテナンス・アフターフォローにおいても信頼できるとアドバイス。 さらに、ホシザキ社製のプレハブ冷蔵庫と組み合わせることで庫内の温度をキープできることを提案。外気温の影響を受けにくく、ニオイが外に漏れにくい冷蔵保管庫はニンニクの品質管理のみならず、地域住民への配慮にもつながると杉渕社長は話します。
「大量のニンニクのニオイは地域の方が不快と感じることがあるかもしれません。そのため、冷蔵設備の選定にはユニットクーラの耐食性に加え、ニオイが外部に漏れない気密性も重視しました。また、万が一の故障時も国内大手の各メーカーならではのネットワークで、迅速に対応してくれるという安心感もあり、導入を決めました」。
作物の品質が劣化すると売り物にならず、収入に大きな影響を及ぼします。そのため、ユニットクーラの故障は生産者にとって死活問題と言っても過言ではありません。故障した際のスピーディーな修理対応は設備を選定するうえでの必須条件と言えるのも納得です。
保存管理で差がつく収益向上と安定経営
農作物は定植から収穫までそれぞれに適期があり、栽培期間を大幅にずらすことはできません。収穫した作物の品質を高い基準で保存することで市場価格が高い時期に出荷ができ、収益向上やフードロスにもつなげることができます。そのため、耐食性や気密性に優れた冷蔵システムは安定経営の観点からも重要と杉渕社長は分析します。
「農業は年間を通した収入確保が安定経営のカギになります。作物の品質をキープした状態で保存ができれば6次産業化にもトライすることができ、収益アップにもつながるため保存設備への投資は重要です。今回は冷蔵用ユニットクーラ、冷凍機、リモコンも含め、一式でダイキン工業製を採用しました。インバーターによる省エネ性や、操作性に優れたリモコンなど、使いやすさも選定の上で重要なポイントでした。設備投資は高額になるという理由で躊躇しがちですが、長期的に考えると投資する価値は十分にあると思います」。
設立から1年の『gella』ではニンニクの種子を4年計画で栽培中。その年に収穫したニンニクを翌年の種に使うため、収穫しては保存、それを植え、育てては収穫をして保存といった栽培方法を実践しています。種子が育つまでの期間は近隣の農家からニンニクを買い取り、自社冷蔵庫で保管。各月の需要バランスを見ながら市場に出荷したり、地元スーパーへの直販、さらには黒ニンニクやすりおろし、粒状など加工業者のニーズに合わせて販売することで収益を得ています。
「種子を育てる4年間が無収入になることがネックとなり、新規でニンニクを手がける農家は多くありません。種子の部分を当社が担うことで種子の提供ができ、ニンニク栽培参入へのハードルを下げることができます。北秋田地域が目指す産地化を、管内の生産者と信頼関係を築きながら進めていきたいと考えています」。
と、産地化に向けた意気込みを語る杉渕社長。ニンニクをはじめ、腐食性ガスを発生させるタマネギやキャベツ、さらには冷蔵保存を必要とする全ての農作物に嬉しい効果をもたらすダイキン工業の防食仕様ユニットクーラ。農作物の保存に悩む生産者の問題解決、収益向上や機会損失の減少と、生産現場に革命を起こす存在になりそうです。
- 優れた耐食性!
ニンニク、タマネギ、キャベツなど腐食性ガスを発生させる農作物のほか、食品工場や畜産・水産加工場などの現場でも優れた耐食性を発揮 - 万が一の故障時も迅速に交換対応可能!
一般的に納期がかかる「カチオン塗装仕様」を標準ラインナップ。万が一の故障時も迅速な交換対応が可能 - 安心のメンテナンス体制!
全国にあるサービスネットワークと、24時間365日つながる安心感。
【取材協力】
株式会社gella (〒017-0846 秋田県大館市常盤木町2番6号)
代表取締役/杉渕 孝義 (すぎぶち たかよし)
TEL:0186-90-9013/FAX:050-3512-5678【お問い合わせ】
ダイキン工業株式会社 低温事業本部
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