「カルパー直播」のお米が品評会で最優秀賞に! ある農業法人の成功への道のり【座談会】|マイナビ農業

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「カルパー直播」のお米が品評会で最優秀賞に! ある農業法人の成功への道のり【座談会】

「カルパー直播」のお米が品評会で最優秀賞に! ある農業法人の成功への道のり【座談会】

現在の水稲栽培は育苗作業の省力化、栽培規模の拡大に合わせた作業分散などが課題となっています。これらを解決する栽培技術が水稲直播ですが、利点と同時に課題もあり大きな広がりを見せてきませんでした。そこで注目したいのが、『カルパー粉粒剤16』を用いた湛水土中直播(以下、カルパー直播)です。今回紹介する長野県安曇野市の農業法人は水稲栽培の拡大にあたり試行錯誤の中、「カルパー直播」に取り組むこと5年。技術力をめきめき向上させ、移植同等の収量や良食味を持つ米作りを実現しています。成功への道のりを座談会で大いに語ってもらいました。

カルパー直播で実現。土中播種での苗立ち安定・倒伏軽減

JAあづみ管内は古くからコメ作りに適した地域です。この地にある有明営農組合は、集落営農を法人化して2015年(平成27年)に設立しました。組合員数は74名。耕作面積は水稲(73ha)に麦、大豆を含め100haです。5年前から主力のコシヒカリとWCS(ホールクロップサイレージ)の計21haで、「カルパー直播」に取り組んでいます。組合に所属する生産者7名、JA職員1名の計8名で、座談会を行いました。

左から有明営農組合の丸山さん、有賀さん、畠山さん、三澤さん、会田さん、小川さん、金森さん、あづみ農業協同組合 穂高地域営農センター 営農指導員の太田さん

◆マイナビ:「カルパ―直播」を取り入れたきっかけ・理由は何ですか?

会田さん:集落営農時代からオペレーターとして条播機による播種作業をしていたので、直播に興味はありました。育苗ハウスはいらないし、移植と比べて人手も少なくて済むことに魅力を感じていましたね。

畠山さん:コストと時間の削減のメリットは大きいですよね。実際、直播種子は苗の値段の半分で収まるし、育苗には1カ月かかるけどその手間がありませんからね

丸山さん:それで実験的に別のコーティング剤で直播をやってみたんです。そうしたら、その年は稲がほとんど倒伏してしまって。そんな時に縁あって水稲直播研究会(※)の先生に来てもらったんです。
※水稲直播栽培に関係する民間団体及び関係企業を会員とし、直播栽培技術の改善・確立と普及拡大を目的に農水省の指導を受けて活動する研究会

畠山さん:そこで先生方から組合で「カルパー直播」の特長や栽培管理について指導してもらいました。酸素発生成分を主とするカルパーをコーティングするので、湛水土中播種でも苗立ちが安定するほか、倒伏も抑えられると聞いて納得です。

カルパー剤の効果と土中播種のメリット

会田さん:以前使っていた資材ではコーティングしてから1週間位空けないと播種ができなかったのですが、「カルパー」ならコーティング後にすぐに播種できるので効率的です。

畠山さん:それに、直播は雑草対策が大変だと思っていたけど、防除技術も進歩していて播種と同時に処理できる除草剤もあるからね。

効率を追求した分業体制

◆マイナビ:有明営農組合ではどのようにカルパー直播に取り組んでいますか?

丸山さん:「カルパー直播」作業の工程毎に専任担当を選定しています。芽出し担当、コーティング~乾燥・秤量・袋詰め担当、播種作業担当、などです。

有賀さん:私は芽出し担当です。種モミは移植と同じタイミングで準備しますが、カルパーでの芽出しはハト胸と言って少しだけ芽が出た状態がベストです。芽を出し過ぎるとコーティングするとき芽が折れてしまいますので、この調整が重要だと思います。

小川さん:私はコーティング担当です。コーティング作業は手動マシンを使用しています。最初は水分とカルパー粉粒剤の調整が難しくて大変でしたが、だいぶ慣れて今では40a分の播種量(乾燥種モミ重量)12kgを乾燥作業含めて40分程度で行えます

畠山さん:そこに殺菌剤や殺虫剤を合わせてコーティングできる技術が開発されて、作業性や初期防除もだいぶ楽になったよね。

会田さん:私は播種担当です。種モミに均一にコーティングされているので、播種機の詰まりが発生することもなく播種効率が高いです。ありがたいのは、当日の播種状況に応じてコーティング種モミが足りないと思ったら、種モミさえあれば翌日の作業に間に合うことですね

金森さん:今では計画的な分業体制でカルパーコーティングの種モミが作れるようになったので費用、時間的ロスは移植苗に比べて減りました。

①コーティングの様子 ②コーティング籾を乾燥させる様子 ③播種機に投入する様子 ④播種時の様子

収量安定のコツは水管理

◆マイナビ:「カルパ―直播」で難しかったところは何ですか?

丸山さん:移植栽培から水管理の意識を変えるのが難しかったですね。

三澤さん:先生方からメリハリをつけた水管理と言われていましたよね。播種してから約2週間は、芽が出ても苗立ちを安定させるために水を入れてはいけないと言われて、ずっと心配で仕方なかったですよ。周りの人もこの圃場は大丈夫かという目で見てましたね。でも、ちゃんと生育してきたので安心しました。

丸山さん:それに7月頃の深水管理で分げつを抑えることができ、実を大きくすることができたんです。これが、クズ米の減少と移植並みの収量につながっているのかと思います。収穫時の11月に土壌調査のついでに掘り起こしてみたら、根の張りが移植と比べて全然違いました

播種後の落水管理と苗立ちの様子。一般的には、移植水稲では苗が活着するまで湛水管理を行ないますが、カルパー直播では播種後~出芽揃いまで落水管理で根張りの促進、出芽・苗立ちを安定させます。この間は田面が硬くなり、ひび割れが生じますが、走り水等を行わないのがポイントです

おいしい直播米をブランドに。仲間を集い規模拡大を目指す

◆マイナビ:「カルパ―直播」に取り組んで良かったことは何ですか?

会田さん:「カルパー直播」のお米はおいしい。食味が断然いいんですよ。

三澤さん:根張りがいいからでしょうね。

畠山さん:ここにいる組合員みんなで食べ比べたけど、本当においしかったので、その翌年からカルパー直播をしたいという人が増えたんです。

JAあづみ・太田さん:昨年のJA米品評会では、有明営農組合の直播生産者の方が最優秀賞に輝きましたね。「カルパー直播」を始めてから毎年同組合の何名かの方がランクに入っています。

品評会最優秀賞の表彰状

◆マイナビ:今後の抱負を教えてください。

畠山さん:今は周りでも離農する人が多いと聞くので、そういう方に移植苗より安い「カルパー直播」を勧めたいです。それとやっぱりうちの組合でももっと直播の面積を増やしていきたいですね。均平な圃場や鳥害に遭いにくい場所を選ばなければなりませんが、田植えまでのコストが削減できて効率的なのでトライしてみる価値はあると思っています。

三澤さん:収量の悪い私でも反7~8俵くらいは収穫できるんですが、中には10俵近く取っている人もいて、目標になります。収量向上がまだまだできると思っています。移植をやっている若い人たちが直播に目覚めたら一気に広まるんじゃないかな。

畠山さん:それから、ぜひ農協さんには有明営農組合の直播米をブランド米にして欲しいですね。

JAあづみ・太田さん:組合の方には有明全体を「カルパ―直播」にするくらいの勢いで取り組んでいただければと思っています。

◆マイナビ:私たちも有明営農組合の取り組みに期待したいと思います。本日はありがとうございました。

取材協力

有明営農組合
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明4125
あづみ農業協同組合
〒399-8283 長野県安曇野市豊科4270-6

カルパー直播のポイント・マニュアルを紹介中!

★コーティングのポイントはこちら(作成:カルパー普及会)

★水稲湛水土壌中直播栽培の手引きはこちら(作成:水稲直播研究会)

お問い合わせ

カルパー普及会
原体メーカー:保土谷化学工業株式会社/日本化薬株式会社
販売メーカー:北興化学工業株式会社/協友アグリ株式会社/三井化学アグロ株式会社
事務局:保土谷UPL株式会社

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