ハウスにこもる熱が菊の健康の妨げに…夏場の地温をどうにかしたい
愛知県田原市は古くから菊の生産が盛んな地。ここでスプレー菊の栽培に力を注いでいるのが、この地に生まれ育った加藤直哉さんです。スプレー菊は比較的花持ちが良く、彩りも形も多種多様なことから、近年人気が高まっています。
野菜栽培から花卉栽培へ転換した農家で育った加藤さんは、大学卒業後に農業関連企業に就職。仕事を通じて海外の情報などに接するうち、菊に「ポテンシャル」を感じて就農を決めたのだとか。以来22年、栽培面積は約5,000㎡で、年間を通じて約456,000本の菊を出荷しています。
安定した品質と出荷先での棚もち(日持ち)の良さが好評というカトーファームのスプレー菊。コロナ禍によって家で花を生ける人が増え、需要が増しているそうです。「健康で元気な花を育てるのは、土づくりから」という考えのもと、土壌の養分はもちろん地温にも気を配っているからこそ、加藤さんの菊が選ばれているのでしょう。
「夏場に適正地温内に管理できれば植物はストレスなく育ち、健やかな状態を保てます」と加藤さん。
夏場の高温を抑えたいと悩んでいた時、目にとまったのがハウスの屋根に塗布する『レディシステムシリーズ』の遮光剤『レディソル』でした。さっそく導入し、その効果を実感しました。
試したレディシステムシリーズ。他社商品に替えたこともあったけれど、結局これが一番だった!
効果を認めた加藤さんですが、翌年は他社商品に替えてしまいました。
「正直なところ、コストが気になって。より低コストで同様の効果なら…と、試す気持ちもあって乗り替えました」と本音で取材に答えてくれました。
「でも、品質の安定性に欠けていたし、問い合わせへの対応やアフターサービスにも満足できなくて、結局レディシステムシリーズに戻ってきました」。
改めて加藤さんが選んだのは、『レディヒート』です。
遮光タイプのレディソルに対して、レディヒートは遮熱タイプ。夏場の高温を避けるためにハウスを遮光材で覆うと、光合成を妨げてしまいかねません。レディヒートは、光の中の主に“熱線”を多く反射するため、菊の光合成は順調に行われつつ、ハウス内の温度上昇を抑えられるのです。
塗布面は熱線を反射する仕様上、光の当たる角度によっては薄いピンク色に見えます。通常、遮光剤を使用した場合は屋根面が白くなり、ハウスの中が明らかに暗くなりますが、レディヒートの場合は光の減少をあまり感じません。
それでも温度をしっかり下げてくれるので、安心して使用することができます。
「全ハウス一斉導入でなくてもまずは”できる室(へや)から”お勧めします。近年、雨の影響で年間日照時間が減っている中で、自然光を活用した栽培ができます」とのことです。
光合成を促進して収穫量はアップ、ハウス内の温度はダウン。雨への耐性もバッチリ
「これまでの遮光資材は、太陽光を一律にカットしていました。それに対してレディヒートは波長にスポットを当てています。熱線(IR)を多く反射し、光合成有効放射(PAR)をより多く透過させます」と説明してくれたのは、誠和アグリカルチャの飯田さん。
「“光は欲しいけれど、温度は下げたい”というお客様の声は多いです。光合成をキーワードとするレディヒートなら、それが可能。“1%の光で1%の収量増”とも言われますが、光が重要な作物にはレディヒートがお勧めです」。
実際に、加藤さんのスプレー菊のほかにも、バラで葉・花焼けが抑えられた実績があります。また、トマトやイチゴなど果菜類では、葉温や果実温が下がり、収穫量が向上したというデータが出ています。
「例えばトマトでは、果実温が高すぎると着色不良の原因となり、果実の品質に影響します。レディヒートを使えば、高温時(25℃以上)のハウス内気温が平均2~3℃低下するため、廃棄率の削減にも有効です。また、ハウス内で作業する人たちからは“ジリジリ照りつけていた夏の陽射しがやわらかくなって、働きやすい”と好評です」と飯田さん。
「ガラスだけでなくフッ素フィルム、POフィルム、農ビなど多様な素材に塗布でき、雨への耐性が高いのも特長。しかも、除去剤の『レディクリーン』で簡単に除去できます」。
不安定な気候のもとでも、光のコントロールで農家を応援!
レディヒートは3~5ヶ月ほど効果が持続するので、一般的には陽射しが強くなり始めるゴールデンウィーク頃から塗布を始めます。日射量が少なくなる9~10月頃にはハウスの屋根の洗浄を兼ねて、レディヒートの上からレディクリーンを散布する方が増えてきているそうです。
また、レディクリーンは本来塗布剤を取り除く除去剤ですが、藻などの汚れも落とす効果があります。
飯田さんも「レディクリーンを散布することで藻や苔、ホコリや花粉などによる悪影響が改善され、光透過率がアップしたという事例が多数出ています」とのこと。
もちろん、加藤さんもレディクリーンを使用しています。「ハウス内が明るくなった!コストがかかっても、トータルで見れば効果はそれ以上」とご満足の様子です。環境に有害な成分を含まないのも、土にこだわる加藤さんが選んだポイントです。
飯田さんは「気候激変の時代。10年前と現在とでは、施設園芸を取り巻く環境は大きく変化しています。例えばこれまで冷涼と言われていた地域でもこういった高温対策について取り組みが必要になってきています。当社は、全国幅広く活動しているので、それぞれの地域にあった使い方や組み合わせ等の情報も提供できます」と熱く力強いメッセージをくれました。
加藤さんも「自然光をもっとうまく活用したいですよね。やっぱり太陽が一番です」と飯田さんと話していました。
ハウス内の光と熱のコントロールに、レディシステムシリーズ。ぜひご検討ください。
<取材協力>
カトーファーム
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