漁師の1日のスケジュール|マイナビ農業
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漁師の1日のスケジュール

漁師の1日のスケジュール

漁師の仕事は、夜明けからのスタートが基本ですが、出荷先の事情や魚の習性に合わせて深夜から作業を行う場合もあります。彼らが働きはじめてから眠りに就くまで、果たしてどんな過ごし方をしているのでしょうか。ある日の1日を例に、それぞれの働き方やモチベーションを高く保つ秘訣を伺いました。

内水面漁業

有限会社清水川養鱒場 髙橋愛さん(岩手県八幡平市/養殖業)

日本名水百選にも選ばれる清らかな「金沢清水」の湧き水で、ニジマスやイワナ、イトウ、銀鮭の稚魚などを育てています。東日本大震災を機に家業を手伝うようになり、今は、父、母、弟夫婦、妹と一緒に約200トンの魚を養殖しています。震災後、独自の餌や育成方法で育てた大型ニジマスを「八幡平サーモン」としてブランド化しました。私と妹は育成や営業、加工販売を担当しています。

有限会社清水川養鱒場 髙橋愛さん

採卵、受精、孵化といった命を育む作業から携われるのも、豊富な湧水に恵まれ、年間を通して水温の変動が少ない山間部の内水面漁業だからできること。出荷までの3年間を見守り続けるので、愛着もひとしおです。毎日の餌やり、池の掃除は欠かせませんし、ちょっとした変化を見逃さないように気をつけています。常に魚が優先の生活ですが、魚の命をいただく立場であるからこそ、苦に思うことはありません。

高橋さんのスケジュール

池に過って落ちてしまうと命に関わることもありますし、冬場は寒さとの戦い。仕事はハードです。八幡平サーモンは3年かけて育てるので、「1,000日後のお客様の笑顔」を思い浮かべることが、仕事の励みになっています。飲食店などの現場のニーズに応えるためにフィレやスモークなどの加工も行っていて、これからは個人のお客さんにも気軽に食べていただけるように、加工品のラインナップを増やしていきたいと思っています。実は、地元でも食べられる店が増えたらいいなと思って、飲食店も経営しているんです。これからもみなさんの喜ぶ顔を見て、仕事の活力にしていきたいと思っています。

沿岸漁業

有限会社千葉海産 磯島雄大さん(宮城県石巻市/養殖業)

岡山県から移住し、宮城県石巻市で海苔養殖を営む現場で働いています。繁忙期は海苔の収穫時期である11〜3月。時化で船が出れない日以外は、毎日仕事があります。作業にもよりますが、午後には仕事が終わるので、親方からもらった船外機を修繕したり、自分の好きなことに時間を使っています。夏場の日中は暑いので、朝早くから作業をして昼にはきりあげることも多いです。

磯島さんのスケジュール

今、同じく県外から移住して漁師になった仲間のための種牡蠣(採苗し、中間育成した牡蠣)を育てています。全部任せてもらってるのですが、自分が手がけた種牡蠣が仲間の漁師のもとでどんな牡蠣に育つのか楽しみですし、彼の理想に合ったものをつくれるように、これから技術や経験を培っていきたいと思っています。

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沖合漁業

第八十八鷹丸 中村勇也さん(静岡県下田市/金目鯛底たて延縄漁業)

底たて延縄釣りという漁法で、金目鯛を釣り上げる大型漁船で働いています。航海日数は約10日。船の上での仕事は一連の流れになっているので、始まってしまえばノンストップ。自分は飯炊き係(食事担当)をやっているので、作業の合間に8人分の食事も作っています。実は、小麦や卵などの食物アレルギーを持っているので、船探しはとても苦労しました。ようやく見つけた今の船は、「自分が食べられるものを作ったらいい」と言ってくれてたので、すごくありがたかったです。それまで料理はあまりしたことがなかったのですが、簡単なものは作れるようになりました。ホットプレートで焼肉パーティーをやることもあります(笑)。

中村さんのスケジュール

昔から漁師の仕事に憧れていたのですが、実際に働いてみて「世界で一番かっこいい仕事」だと確信しています。漁師の仕事は、体力に自信がある、海が好きというだけではやっていけません。手先を使う細かい仕事も多いし、船の上では人間関係も大切。船酔いとの戦いもあるし、忍耐力も求められます。人間としての「総合力」が必要で、そういうところも含めて「かっこいい」と思える仕事です。自分が乗っている船は、船頭も40代と若く、20代も自分を含めて4人乗っていますが、周りは若い人が乗っていない船も多いし、ここ数年で廃業した船もあります。そういう話を聞くと、やっぱり寂しい。いつか自分たち若い世代だけで船を操業できるようになって、「3K」と言われてきた水産業を払拭できるくらい、活気ある姿を見せていけたらいいなと思っています。

遠洋漁業

第八十八昭福丸 佐藤一歩さん(宮城県気仙沼市/遠洋マグロ延縄漁船)

子供の頃から大の釣り好きで、「漁師になりたい」という思いから水産高校に進学し、卒業後、南大西洋を中心に操業する遠洋マグロ延縄漁船に乗船しました。仕事は想像以上に危険ですし、少しでも気を抜くと命に関わることもあるので、生半可な気持ちでは続けられません。その分、魚を水揚げするときにはこの上ない達成感があります。仕事は3班に分かれて交代で休憩をとったり、3日サイクルで早番の仕事もあります。ハードですが、メリハリのある仕事です。南アフリカのケープタウンに基地があるので、燃料補給などで立ち寄ることもあります。コロナ禍になる前は、交代でショッピングや観光の時間も取れたので、いい息抜きになっていました。

佐藤さんのスケジュール

遠洋漁業は給与もいいと思われがちですが、乗船年数を重ねたり、役職につくようになってはじめて見合った給与がもらえるので、根気強く仕事と向き合うことが必要です。自分は今年で8年目になりますが、4級海技士免状と1級海上特殊無線技士の資格を取り、4年目で1等航海士になりました。ほかにも縫合などの手当も行える衛生管理者としての資格も持っています。船の乗組員は自分を含めて20代が2人。30〜40代はいなくて、あとは50代以上。上の世代の人たちは漁師としての経験も豊富なので、いろんな昔話を聞かせてくれます。その話を聞きながら、もっとこうしたらいいんじゃないかとか、考えを巡らせるのも楽しいです。同時に若い世代を育てていく必要性も感じていて、母校の水産高校で体験談を話すこともあります。将来の夢は、船の一切を任せてもらえる「船頭」になること。そのためにも、周囲から信頼してもらえる漁師になりたいです。

▶︎遠洋漁業に興味のある方はこちら「漁船員になろう!」

バランスをとって、自分らしい働き方を

スケジュールはあくまで紹介した方の「とある1日の例」です。働き方や仕事の内容は、漁業種や漁法、地域、季節によってそれぞれ異なります。それでも共通していえるのは、漁師は仕事が生活の一部になってしまうところがあるからこそ、「オフ」の時間も大切にしているということ。しっかり身体を休める、読書や映画鑑賞をする、家族や友人との時間をつくるなど自分の時間も大切にすることで、ハードな仕事に立ち向かうバランスを取れるかもしれません。

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